できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

2023冊目:細見和之『フランクフルト学派』(中公新書)

2014-10-27 12:00:02 | 本と雑誌
2023冊目はこの本。
細見和之『フランクフルト学派―ホルクハイマー、アドルノから21世紀の「批判理論」へ』
(中公新書、2014年)

本格的にまとめられた誰かの哲学・思想関係の本を1冊、短時間に読み込むのは大変。
だけど、こうした形で「ドイツ現代思想・哲学の動向」を新書本サイズでまとめてくれた本なら、なんとか読める。
こうした本を読んでおくと、現代思想・哲学の動向と現代社会・文化の動向との関係(特に政治的な動向との関係)などがよく見えてくるので、ありがたい。

フランクフルト学派 -ホルクハイマー、アドルノから21世紀の「批判理論」へ (中公新書 2288)

2022冊目:渡井さゆり『「育ち」をふりかえる』(岩波ジュニア新書)

2014-10-27 11:45:45 | 本と雑誌
2022冊目はこの本。
渡井さゆり『「育ち」をふりかえる―「生きてていい」、そう思える日はきっとくる』
(岩波ジュニア新書、2014年)

ここまで赤裸々に、自分の生い立ちをさらけ出して書かれるとは・・・。
児童養護施設で子ども時代を過ごし、施設出身者の居場所づくり活動に取り組まれて、現在子育て真っ最中の彼女が、自分の生い立ちをふりかえって書いた本です。

「育ち」をふりかえる――「生きてていい」、そう思える日はきっとくる (岩波ジュニア新書)

2021冊目:笠井清・白井聡『日本劣化論』(ちくま新書)

2014-10-27 11:34:44 | 本と雑誌
2021冊目はこの本。
笠井清・白井聡『日本劣化論』(ちくま新書、2014年)

現代日本の国内政治の情勢とか国際政治面での環境の変化等々についての認識という面では、私は大筋でこの両氏の意見に納得できます。
ただ、この本の最後に出てくる笠井氏の「国家民営化論」については、やっぱり首をひねります。
「それって、グローバル資本主義のなかでのエリート層や多国籍企業の経営者の発想と、どこがどうちがうの?」と言いたくなってしまうわけですね。
「自立した強い個人・家庭・地域」が求められるこの笠井氏の発想については、そうはなりきれない人々の暮らしぶりを見てきただけに、「簡単にそう言っていいのかなあ?」「その国家民営化が行われた社会で、弱い個人・家庭・地域を支えるセーフティネットは誰がはるの?」と、問いかけたくなります。
なお、白井氏は来年春から、うちの大学の同じ学部の教員になります。

日本劣化論 (ちくま新書)