今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡八百円〕
同色系に近い組み合わせの「今日の草履」、ベースの金の縁取りがよく映えています。緑のいらかプリントとも良く合って、優しい雰囲気に仕上がりました。
「今日の草履」をお選びは、武家屋敷K家のご当主。角館草履を発売当初からご支持くださる、常連さんのおひとりです。特に県外からのお客様をたびたび実演席にお連れくださるのは、草履実演を高く評価してくださるせいなんですね。静かなれど熱く語るご当主の口調は、ときに私の説明を超えますよ。
この冬、K家に建つ蔵のひとつを改修するとのこと。昨年の震災でひび割れが見つかったんだそうです。東日本大震災では実質的な被害はないとした角館でしたが、細かいところに目をやれば、西宮家やK家の蔵にはその爪跡が残されていました。
ご当主がかねてより語る夢は、それら蔵を利用したショップ展開なんですね。武家屋敷が並ぶ内町地区は、もはや新規の商いが禁止された状態です。対して外町地区は元来商人町ですし、隠れた蔵がいくつもあるのが分かっています。
それらの蔵を改装し、たとえば喫茶店、たとえばレストラン、たとえば和装小物店、たとえば布地専門店。そんな独特なお店が外町地区に点在したら、今以上に散策されるお客様が愉しめること間違いないでしょう。さらに私は、それらに「実演」をイメージするわけです。
一個数百円の低単価品も必要なれど、一瞬高価と思える品々が並ぶ蔵。しかしその価格にしっかりした裏打ちがあれば、商いにならないとは思えません。
1月3日のブログに触れた高価なホテルは、年末年始に予約が取れないほど人気だそうです。価格に見合ったサービスなり商品であれば、お客様はしっかり選んでくださるということでしょう。
角館を訪れる観光客数は、しばらく前から減少傾向が続いています。無論回復させる努力は必要としても、もうひとつ大人数に頼らない施策があって良いようにも思えます。
「角館・ちょっぴり高級化計画」とでも呼びましょうかね。