待ち遠しい春。

今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡六百円〕
和が生きた美しい青のベースにも、この辛子色はよく合いますね。「地味」とも「シブい」とも少し違う、なんとも言えない落ち着いた雰囲気が伝わります。辛子色と限らず、今後無地のシーチングをもっと増やしましょうか。また違う雰囲気に仕上がると思います。

千葉県柏市からお越しのおばさま四人旅。うちのおひとりが草履を気に入ってくださり、お気に入りの配色をお選びです。少しの時間悩んでいましたから、お買い上げに心が決まると尚のこと笑顔でしたね。そうしたお客様とよく出会います。

『関東からだとこの雪は驚いたでしょ!?』と言うと、『う～ん、でもみんな出身は東北なのよ。私は山形の酒田市なんですよ』。
私のカミさんの妹が鶴岡市に嫁いでいて、私も冬の庄内地方は幾度となく出掛けました。雪の量こそ角館ほどではありませんが、あの地吹雪は聞きしに勝るものでしたね。

角館の様子ですが、ようやく暖気に入りました。今週はほとんど降雪がなく、気温も真冬日から脱却しそうです。これまでほんとによく降りましたから、雪の神様も少しお疲れじゃないですかね。

『今年は雪が多いんですか？』、元日から何人ものお客様に訊かれています。現在の積雪量がおそらく1メートル前後でしょうから、まずここいらが平年のピークですね。明日から春なら平年並みの冬ということでしょうが、残念ながら今冬はまだ一ヵ月半も残っています。

それでも天気の良い日は、昼の長さを感じられるくらいになりました。雪を目的に訪れるお客様には満足していただけますし、冬には冬の良さがあるとも思っています。でもやっぱり、春というものは待ち遠しいものですよ。

仕事は楽しく。

今日の草履は、彩シリーズ26cm土踏まず付き〔五阡二百円〕
こちらも金と銀が映える、厳かな草履になりました。組み合わせの辛子色が、「金茶」のようにも見えてよく合います。今年に入ってご紹介している「金の草履」はすべて一点もののため、どんな方がお選びになるのか私も楽しみにしています。
孔雀の羽にも見えるプリントは、一枚の布地に大小あります。これも面白いですね。




ジャンパー姿でふらりと入って見えた男性。旅とも少し違う雰囲気なので訊いてみると、『○○電機のオープンの応援なんですよ。三日間のセールが終わって、今日はちょっとだけ観光客気分ですぅ』。
ちょうど昨日のブログに触れましたから、こういう偶然も面白いですね。

男性は全国のオープンに立会う、応援専門スタッフとか。『いろんなところへ行けて楽しいですよ。晩飯は必ず町へ出て、お店で知り合った方々にオープンの宣伝をするんです』と男性。
会社の営業マニュアルにあるのかは分かりませんが、これだけ仕事を好んで出来るというのはなかなか素晴らしいことでしょう。

八戸市からお越しの女性ひとり旅。ヨガを実践されているだけあって、健康にはかなりの関心とおっしゃいます。角館草履も試し履きをされ、その感触を丁寧に感じ取っていました。『なんか、ほんとに癒される感じですねっ』と、ご自分用をお買い上げです。

女性のお話で印象的だったのは、『北東北って、最近なんだかいいですよね。昔は寒い田舎としか思ってなかったけど、今はいろんなところからわざわざ北東北を訪ねてくれるでしょ。なんか、求められているんだなって…』。

八戸市も北東北では確固たる存在感を持っています。特に内陸部に暮らす私たちは、八戸の海の幸に大きな魅力を感じるんですね。女性にこれを話すと、『まぁ、確かにそうなんですけど、私たちは逆に日本海の魚がいいなぁって思うんですよ』。
人というのは、どうしても他人のモノが良く見えるんですね。

女性も明日からビッチリ仕事が待っているそうです。好きな旅をして歩くのも、日ごろの仕事が好きだからでしょう。先の電機店スタッフさんもそうですが、「仕事が楽しい」というのはかけがえのないものですね。

角館の「特需」。

今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き〔四阡四百円〕
楽しくなるような華やかな配色の草履です。こちらも金色を含む布地なのですが、これまでご紹介の厳かさはなく、むしろ軽やかなカラーと思います。楽しく陽気なおばさまにお勧めしましょうか。平生地はこちらです。



福岡県のご出身で、今日は岩手県からお越しの男性ひとり旅。実演を興味津々ご覧になると、その健康効果でご自分用をお買い上げくださいました。
実演席でよく出会うのが、「五本指ソックス」のご愛用者です。こちらの男性もそんなおひとりで、上履き草履にも関心が高かったというわけですね。

男性が福岡県から岩手県にお越しなのは、震災復興に関連するお仕事のようです。こうした方々が全国から被災地入りしていて、ビジネスホテルはどこも満室状態という話を聞いたことがあります。震災そのものはとても不幸な出来事でしたが、アパート・貸家業界やホテル業界は、いわば「特需」の状態なんでしょう。

昨日角館でも同じような話を聞きました。角館町内に一軒だけのビジネスホテルが、この真冬に満室状態と言うんです。なにが理由の「特需」かと言うと、一昨日家電量販店が角館にオープンしました。そこの応援スタッフが宿泊しているんですね。
まぁ、観光とは無関係の特需でしたが、経済が動くのは喜ばしいことでしょう。

震災関係でもうひとつ「特需」を聞いたのは、「カーナビ」です。地震保険の業者さんが被災家屋を確認するため、「カーナビ」が大量に売れたんだそうです。特に津波被災地は目印となるものがすべて流失しましたから、契約家屋の位置を知るため機械の手が必要だったというわけです。

角館で今「特需」に沸いているとすれば、雪下ろしや除雪業者でしょうか。予約がいっぱいですぐには来られない話も聞きました。一般の住民には迷惑この上ない大雪も、立場を替えれば「特需」ということでしょう。
そういう意味では、世の中というものは上手く回っているものですね。

活力を得るために。

今日の草履は、彩シリーズ25cm土踏まず付き〔五阡円〕
金がまぶしいくらいの草履です。緒に使っている黒地に金がまたお洒落ですから、やはりナイスミドルなおじさまにお勧めでしょうか。
それにしても、ほんとに豊臣秀吉が好みそうな色ですね。

仙台市からお越しのご夫婦。ニコニコ顔で近づいて来た奥様が、『イ草を買ってったんだけど、ぜんぜん無理でしたよぉ』。
詳しく訊いてみると、一年前のこと。当時布草履を編んでいた奥様が、『私もやってみよっ』とばかりイ草材料をお買い求めだったそうです。早速始めてはみたものの、挫折までの時間は思いのほか短かったとのことでした。

『やっぱり最初から、出来上がった草履を買えば良かったのよっ』と奥様。サイズをうかがうと23cmとのこと。ふと思いついて、2012年最初の「今日の草履」をお勧めしてみました。奥様も「金」をとても気に入ってくださり、即決定です。今夜は温泉泊まりのようですから、早速湯上りの草履でお愉しみくださいね。

ご主人へ震災の被害を訊いてみると、半壊状態からようやく外部の修繕が終わったそうです。それでもまだ壁紙クロスなどの内装が手付かずで、これは業者さんの多忙が関係しているんですね。
『ほんとはまだ遊んでなんかいられないんだけどね』と笑うご主人。好きな温泉旅で活力を得ているようにもお見受けしました。

高校生以上の三人を学生に持つ親というものを、昨年4月から経験しているわが家。世の中には同じような世帯が数多くあるでしょうが、ほんとに毎月の出費がスゴいですよ。
私も遊んでなんかいられないのですが、二つだけ新年会に出席しようと思っています。好きな宴会で活力を得たら、また頑張って働きましょう。

秋田イケメン。

今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き〔四阡四百円〕
色調的にしばらくシブ目が続きましたので、今日は明るい配色にしてみました。ベースのオレンジは比較的落ち着いた色調ながら、緒は夏を想わせるトロピカルカラーです。
厳寒の角館では、昨夏のあの暑ささえ懐かしく思えますよ。

予報通りの冷え込みとなった角館です。気温もさることながら、今日もまたほぼ一日降り続きました。現在の積雪量は1メートルを超えましたね。来週半ばにはこの寒波も一休みしそうですが、それまで積雪量は増えるでしょう。日々の雪かきに少し疲れが見える角館人です。

秋田県観光キャンペーンの一環で、しばらく前からテレビコマーシャルが流れています。キャッチコピーは、「あきたびじょん」。展望や未来像を表す「ビジョン」ですが、テレビ画像やポスターでは「ょ」が極めて小さく書かれています。つまり「ょ」を読まない「あきたびじん」と掛けているんですね。

秋田美人を観光の切り札に利用するのは、私もかねてから「可」と思っていました。県外からお越しくださる方々も、男性はもちろん女性だって「美人」を嫌いという人は少ないでしょう。

ただひとつ思っていたのは、角館を好んで旅先に選ばれる方は「おばさま」に多いです。家族旅行だとしても、主に財務面を担当するのはおばさまに多いんですね。だとしたらここはひとつ、秋田美人に加えて「秋田イケメン」が欲しいところじゃないですかね。

テレビコマーシャルの中で使われる言葉が、『あんべいいなっ』。「あんべ」というのは「按配」が訛ったもので、『ちょうど具合がいいなっ』が標準語になりますか。
私もこの言葉は日常に使っていて、秋田県内のお客様が試し履きをされているとき、『その堅さがあんべいいんシべ』という具合ですね。

さて「秋田イケメン」。角館で「あんべいい」のがいるのかどうかは、お客様の判断ですなっ。

雪と温泉。

今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡六百円〕
どちらも金色を含む布同士の組み合わせです。お洒落でありながら、可愛らしさもしっかり表現されました。黒基調はお若い女性に選ばれやすいですね。

1月も半ばを迎え、角館の冬はいよいよピークに差し掛かった印象です。積雪量は1メートルに近く、気温も真冬日が続いています。明日の予想気温がまた別格で、最低がマイナス10℃、最高がマイナス4℃と伝えられました。最低気温がマイナス二桁というのは、角館ではほぼピークの寒さですね。

町のあちこちで屋根の雪下ろしをしていますが、ここまでのところ大雪被害は聞こえません。1メートルくらいは想定内ですし、道路の除雪もかなり進んでいます。ただ気温が下がるとどうしても滑りやすくなりますから、雪道に慣れていない方は特段の注意が必要でしょう。

明日12日から24日まで、JR東日本大人の休日倶楽部フリーチケット期間となっています。おそらくこのチケットを利用して、温泉旅を計画されている方々がおられるでしょう。雪を眺めながらの露天風呂、そして湯上りの日本酒、至福のひとときじゃないですかね。

秋田が誇る温泉への行き帰りには、どうぞ西宮家にもお立ち寄りください。

加齢現象。

今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡六百円〕
昨年から切らさず編むようになった茶色の草履。人は年齢を重ねるに従い、趣味嗜好も変わってきます。若い頃はなんとも思わなかった茶色が、実にお洒落であることに気づいた昨今。今年も茶色の草履はときどき編んでみるつもりです。

正月の福引抽選会のときです。私より十年ほど若い商店会の男性スタッフ二人が、最近感じた「加齢」について話し込んでおりました。
ひとりが、『最近大学駅伝をずーっと見ていられるようになった』。するともうひとりが、『ＮＨＫを見てる時間が長くなったな』。
この会話に私も参加しました。『紅白歌合戦の間、チャンネルをいじらなくなった』。

男女の違いはあるのかも知れませんが、おじさんに向かいつつある、あるいはおじさんになってしまった男性は、これらを感じる人が多いように思います。言い換えると、テレビ番組に執着しなくなったとも言えるのでしょう。

一昨日で双子の娘たちが、それぞれ生活場所へと移動して行きました。二週間の滞在中、私とのチャンネル争いはゼロです。これも加齢現象のひとつなんでしょうね。

イ草の香り効果。

今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡八百円〕
ベース生地は、去年最後の「今日の草履」でご紹介の「龍」です。紺色には基本的にどんな色も合うのですが、この辛子色の無地（シーチング）は私が好きで、今後は無地の定番に在庫したいと思っています。

先日夜のテレビ番組で、「スポーツ選手へ与えるイ草の香り効果」を試す実験をやっていました。女子プロテニスプレーヤーと女子サッカー選手が、それぞれイ草の香りを嗅ぎながら試合に臨むというわけです。

試合結果にどの程度反映されるかは微妙なれど、イ草の香りが気持ちを落ち着かせ、且つ集中力が増すというのはあると思いますね。
過去には、洋室と和室それぞれで勉強する小学生の成績を比較して、畳敷きの和室に軍配が上がった実験もありました。

わが家でスポーツと言えば、三女が取り組んでいる卓球です。この冬休みも大晦日から三日間休んだだけで、その後すぐに市外へ遠征に出掛けました。
それなりに勝ち進んだ中学時代とは、さすがに高校卓球は別モノのようです。最近試合があった夜『今日は勝ったおご？』と訊くと、『そういうプレッシャーが嫌なんだよねぇ。あまり重い期待はしないでくれる!?』。

まったく期待されない人間の寂しさを、三女は知らないのでしょう。東京大学を目指せとか、医者になれとか言うわけじゃなし、高校生に高校生らしい期待をするのは当たり前ですからね。まして卓球は自分が好きで始めた種目ですし。

さて、イ草の香り効果。あらためて考えてみると、草履職人となって集中力が増したとか、なにか勝負事が強くなったという意識はありませんね。毎日イ草の香りの中で仕事をしているからと言って、あまり重い期待をされると困りますなぁ。

雪の神様。

今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き〔四阡四百円〕
こちらも先回同様、金を含む配色です。ベース生地のプリント柄はほんとに可愛いのですが、金色と組み合わせることによって神々しささえ感じられます。
サイズは小さめの22cm、ご家庭の中で「神」のようなカリスマ性をお持ちのおばさまにいかがでしょう。

2012年も明けて一週間が経ち、もう正月気分はありません。と言いますか、角館はここにきてドカ雪となっています。否応ナシに正月気分ではいられない状況ですよ。
昨日の未明から降り始めた雪が、ほぼ一日休まず降り続きました。昨日だけで40cmくらい増えたんじゃないですかね。

湯沢市からお越しのご年配ご夫婦お二組。うちのおばさまおひとりが角館草履を気に入ってくださり、『体に良いんだば、早速履いでみるべがっ』とお買い上げです。ご主人も笑顔で配色選びをアドバイスされていました。

角館の様子でご主人が言うのは、『ずいぶん降ったのは分がるども、道路の除雪はあんまり上手でねぇんシなぁ』。
一般に雪の多さに比例して、除雪がきれいにされているのは分かります。角館より大曲、大曲より横手、横手より湯沢という具合に雪が多いんですね。

ただし今冬に限っては、ここまでのところ角館が一番多いんじゃないでしょうか。道路の状態は除雪体制が追いつかないのかも知れません。
そんな中すでに何人かから、『雪が見たかったので良かったですぅ』の声を聞いています。非日常を愉しむ意味でも、雪の角館が想い出になるのは嬉しい限りですね。

雪の神様がいるとしたら、角館を訪れる方々が「風情」と言えるくらいで収めて欲しいものです。

不労より実働が大事。

今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡八百円〕
角館草履を編み始めて八年目になりますが、黒と金で統一した配色はちょっと記憶にありません。「豪華」や「荘厳」といった表現がピッタリなうえ、ベースの金プリントはすべて「古銭」なんですね。この草履をお腹に忍ばせて、宝くじを買いに行くのはいかがでしょう。ベースの平生地はこちらです。



昨日抽選のロト６で、初めて４等が当たりました。当選金額は8300円、子どものお年玉と大差ない金額です。それでも軽く感動はありますよ。なにしろ同じ番号が四つ揃うのですから、これがナンバーズだったら100万円の話です。まぁ、年明け早々縁起が良いには違いありませんか。

12月26日のブログでご紹介した取材のひとつ、「mari-mari」という名前のフリーペーパーが本日発行されたようです。秋田市全戸配布と言いますから、広い範囲の年代層に読まれ、且つ購読率も高いとのお話でした。

角館草履の紹介記事は、和楽器や和装小物の特集ページに掲載されています。なんか他の商品がとても素敵なので、若干陰に隠れた感じですかね。
もっとも私がこのページで一番気になったモノは、角館草履の下にある「純米大吟醸」でした。

このフリーペーパーの購読者から、早速ご注文を賜っています。すでにロト６の当選金額は超えましたね。明日からの三連休に天気が荒れさえしなければ、直接遊びに来てくださる方がいるかも知れません。この真冬にひとつ楽しみをいただきました。

宝くじなどの「不労所得」をアテにしてたらいけません。しっかり自分の「実働」で稼ぎましょう。