角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

念珠の目的。

2009年09月23日 | 製作日記


今日の草履は、彩シリーズ25cm土踏まず付き〔四阡五百円〕
黄色基調の金魚プリントをベースに、合わせは青基調の魚ヘンプリントです。
昨日の「今日の草履」と色違いの感じですが、黄色という色は鮮やかでイイですね。ときおり見える金魚の赤が可愛いですから、比較的お若い男性向きかも知れません。

「シルバーウィーク」が終わり、明日と明後日の二日間お休みをいただきます。明日は6月に他界した叔母の百箇日法要に当たっていて、これで年内の仏事はすべて終了ということになりました。「月日の経つのは…」はいまさらですが、ほんとに日常が次から次へと進んで行きます。

叔母の葬儀が終わって間もなく、カミさんと二人で「念珠」を揃えました。「腕輪念珠」とも云われるようですが、ようするに腕時計のようにはめておく数珠ですね。
この一年で四人の親族を失ったことは、私たちにとって大きな出来事でした。腕時計さえ付けるのを好まない草履職人が、この念珠だけは不思議と抵抗なく付け続けています。

念珠を思い立ったのは故人の供養にほかならないのですが、実演中ずーっと付け続けていると、なんと言いますか、「イイ加減が出来ない」という気持ちになるんです。もちろんそれまでも手を抜いたことなどありませんが、これは意外な効果でしたねぇ。

まず叔母の一周忌までと付けはじめた「念珠」でしたが、案外その後も離さないような気がします。ネットで「念珠」を調べてみても、必ずしもお守りや宗教的要素ばかりではないようです。中にはファッション性を謳うものまでありました。
草履職人の念珠は、草履に魂を込めるという意味が最も相応しいでしょうか。

コメント
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