角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

実りの秋。

2009年09月25日 | 製作日記


今日の草履は、樺草履24cm土踏まず付き〔六阡円〕
チタン媒染をベースに、合わせは銅媒染です。もうかれこれ三ヶ月ほども完売のままだった樺草履、大仙市大曲で草履作りに励んでいる生徒さんが、自身で持っていた樺染めの布地を譲ってくれました。いつまでも「完売」では気の毒に思ったのでしょう。

根こそぎ譲ってはもらいましたが、見たところ5足分ほどしかありません。23cmを2足、24cm・25cm・26cm各1足を編む予定で、これが完売したところでひとまず「製作休止」にします。
染物はなかなかの手数が必要で、当初思ったほど時間が割けませんでした。心残りは大きいのですが、私はやはり「編む」ことに時間を費やすのが責務と判断した次第です。

当地の今は、稲刈りが真っ盛りです。車で国道を走っていると、稲刈りの匂いが立ち込めているんですね。今年も実った大地の恵み、残り少ない樺染めの布地が「金の稲穂」にも見えますよ。

明日からまた実演再開です。来週にはまた新たな生地が、東京の仕入れ部長より届けられる予定です。昼の時間がずいぶん短くなりましたが、どうぞ秋の角館をお愉しみください。草履職人は秋色草履を編みながらお待ちしています。

コメント
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