角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

元気の源。

2009年03月04日 | 製作日記


今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡円〕
黒基調のハワイアンプリントをベースに、合わせはオレンジです。フラダンスを趣味とする米蔵スタッフが、以前このベース生地を見たとき『オレンジが合うよっ』と教えてくれました。編んでみるとなるほどお洒落ですね。常夏のベース生地はこちらです。




ここ数日すっかり春の陽気になっています。最高気温が5℃くらいまで上がり、そのうえ風もなく穏やかな日が射すと、車なんか洗いたくなるもんですね。草履を編む手を休めるつもりで向かいましたが、ワックス掛けまでやると逆に手がクタクタです。

昨年の暮れあたりから、左腕に「重さ」を感じていました。特に痛いということもないのですが、すっきりしないといった感じでしょうか。
年が明けて重い雪の除雪に腰をやられ、そのうえ東京仕入れは歩きすぎで足が棒、多少大げさですが「満身創痍」の状態でした。

だからと言って寝ているわけにはいきませんから、二月に入って近くの「かくのだて温泉」に通っています。よく利用する人たちの話を聞くと、筋肉痛や関節痛に効くとのことでした。もう温泉に頼る歳なのかとも思いますねぇ。

一週間ほど前、長野県上田市にお住まいのおばさまからお電話をいただきました。『おととし角館へ旅行したとき買ったんですけど、確か発送もしてくれるって聞いたような気がして…』。一年半ほどお履きくださり、そろそろ新しい草履が欲しいとのお電話でした。
おばさまは、『行けるものなら何度でも行きたいんだけど、なにしろ長野からじゃねぇ』とお笑いです。ほんとに何度でも来て欲しいですね。

その二日後、岐阜県各務原市にお住まいのおばさまからお電話です。『おともだちへプレゼントしたいんですけど、送ってくださいます?』。
去年の紅葉シーズンにご主人とお越しだったというおばさま、ご友人へのプレゼントに何がイイか思案していて、ご自身の足元に気づいたそうです。
おばさまは、『ツアーだったから時間がなくて、それでも草履とだけは巡り合いましてねぇ。あれから角館がテレビに出るたびに思い出してるんですよ』。

かくのだて温泉には10回ほど足を運びました。もう左腕の重さも感じませんし、まず草履を編むのに苦労はないです。
でもこうして体が回復してくれる理由のひとつには、草履のご注文と共に角館の想い出をお話しくださるお客様の力が大きいと思うんです。

天津木村風に吟じますっ。

♪腕が重かったり~  腰が痛かったり~
 ときには疲れも感じる~
 でもお客様の角館への想いを感じれば~
 今年も一年やれると思う~

『編むと思いますっ!』

コメント
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