角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

尊敬する職業。

2009年03月16日 | 製作日記


今日の草履は、彩シリーズ25cm土踏まず付き〔四阡五百円〕
赤黒ストライプの花柄プリントをベースに、合わせは紺です。
花柄に男性用サイズはどうかと思ったのですが、シックにお洒落な草履もときにはイイですね。巻かれてしまうと分らなくなる花柄、平生地はこちらになります。




今年は選挙が目白押しですね。衆院選挙はいつになるのか分りませんが、当地秋田県の知事選挙が4月12日の投票日だそうです。ほかにも秋田市長選をはじめとする首長選挙、それらに立候補するため県議を辞めた人の補選もあります。

秋田県知事選に立候補するひとりが、現秋田市長の佐竹さん。だいぶ前のブログでも触れた気がしますが、藩政時代角館を治めていた佐竹北家のご子孫です。世が世なれば“殿”と呼ばれる立場の方ですね。

私は政治家という職業を尊敬しています。自らが暮らす市町村や県、あるいは国のために汗して働くなんていうのは、そんじょそこらの人間では考えも及びませんよ。自分が暮らしやすくなるための「注文」は誰でも言えますけど、将来ビジョンを明確に持ち、住民の意見を集約しお金も作って実現させるなんて仕事、尊敬して余りありますよね。
ただ、どうにも分らない人が政治家の中にいることも事実です。

先日ある代議士さんが、精神的な苦痛から病にふしている教員を指し、『心が弱い』と評しました。さらには、『政治家にそういう人はいない』とも言ったそうですね。
うつ病に代表される心の病は、「責任感が強く真面目な人間」が陥りやすいというのは周知のことです。こちらの代議士さんの言葉を新聞で読んだとき、『政治家に責任感が強くて真面目な人間なんていませんよ』と私には読めました。
ちょっと意地悪に、こちらの代議士さんへ草履を贈ろうかと思いましたよ。『鼻緒の履物は心の健康にも効果があります。おっと、あなたには不必要でしたね』というメッセージカードを添えて。

私が知る限りでも、自ら命を絶った政治家がずいぶんいます。結局は清廉潔白でなかったから追い詰められ、やがてそういう結論に至ったのでしょう。どんな事情や信念があったにせよ、私は自ら命を絶つ行為に賛同しません。ですから擁護するつもりはないんですが、そうした方々のほうにむしろ「人間らしさ」を感じるんです。
何万円だかの「水」で話題になった大臣が自ら命を絶ったとき、石原都知事がつぶやくように言ってました。『彼も侍だったってことだなぁ』。物言わず死する、そこに“侍”を見たんでしょうか。

アメリカ大統領の予備選でヒラリーさんが聴衆の前で涙したとき、『一国のトップを目指す者が涙を見せるとはけしからん』といった論調がありました。
政治を志す人はたいへんですね、クドクド言わない、涙も見せない、そして謝らない。さらには「辞するときは死するとき」なんて教えられたら、少なくとも私にはとっても無理です。

今年一年いろんな選挙がありますが、私は投票権のあるすべてに参加します。

コメント
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