角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

オヤジと若者。

2009年03月07日 | 地域の話


今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き〔四阡円〕
ブルー基調の金粉和柄プリントをベースに、合わせはエンジです。
こちらも明るく華やかな配色になりました。やはり金が入ることで高級感が出ますね。どちらかと言えばお若い女性向きの感じもしますが、いえいえ年代問わず履いて欲しい一品です。平生地はこちらです。




私たちの年代になると、組織の中で働く人は一定の肩書きを持っています。そうすると私のようにたったひとりの仕事にはない、「若手の教育」が日常になりますね。教育とまでは言わないまでも、同じ空間で仕事をするからには「付き合い」というものが生まれます。

ひとりの同期生が言うのは、『最近のわげしゅ(若衆)は酒飲みサ付き合わねぇものなぁ…』。たとえば仕事が終わった夕方軽く一杯誘っても、昔の自分たちのように『はいっ、行ぐんシっ』とはなかなか言わないそうです。
たとえば忘年会、上司や先輩に付き合うのはせいぜい二次会まで、そこからはひとり帰宅するか若者だけで三次会へ行くと言います。

まず一般論から言えば、オヤジたちといつまでも顔を合わせているより、気さくに話せる若者同士のほうが楽しいでしょう。もっと言えば、できるだけ早くに「解放」されたいと思っているかも知れません。
それが私たちの若かりし時代は、どうしたわけかそういう考えは浮かびませんでした。いつも帰宅は先輩と一緒、日付が変わっているのが当たり前だったんですね。

また別の同期生はさらに深刻です。『まんずよ、親にも怒られたことがねぇわげしゅだもの、少し怒れば立ち直られねぇほどヘコむんだよなぁ…』。これでは腫れ物に触るように付き合わなければなりませんねぇ。
同期生の言葉はなお続きます。『オレより立派な大学出てるヤツいっぱい来るよ、だがら頭はイイんだぁ。上司サもフツーに言葉は喋る、んだどもその内容が非常識なんだよなぁ』。

もちろん世の若者の大部分がそんな程度とは思えません。オヤジたちの中にもいろんな人間がいるように、若者の中にもいろんなタイプがいるでしょう。
ただひとつ思うのは、オヤジたちといろんな意味でトコトン付き合って欲しいですね。若者たちもやがて分るときが来るのですが、経験や苦労が少ない人間の言葉は、流暢であればあるほど軽いものです。少なくとも若者という時代に、オヤジたちから学ぶものはいっぱいあるでしょう。ときにそれが反面教師であったにしてもですね。

とかなんとか言いながら、私は娘たちの仕事ぶりを訊ねることはないでしょう。もちろんわが子ですから信用はしてますよ、でもやっぱり「若者」ですからねぇ。

コメント
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