ちいさな幸せ

幸せの基準ってある?
それは自分の心の中にあると思う。
私は何時も陽だまりのような幸せの中に居た。

遍路  5

2009年04月11日 | 思い出話
    第二回目  平成13年12月11日~平成13年12月15日
          13番 大日寺~22番 平等寺


 

             平成13年12月12日(火曜日)

二度目の旅立ちです。先回同様JRバスで徳島に出る。駅前4番より寄井中行きに乗り、今回の1番(13番 大日寺)を通過、前回歩き終わった寄井中迄乗る。(前回、歩くなら焼山寺から大日寺への斜めの遍路道を歩いておけば、随分距離的に短かったのに、バス道を歩いた為に、三角形の2辺を歩く結果になってしまった。完全に地図の読み間違い。一日無駄にしたと後で気が付く。もし遍路先輩の話しを聞く機会があったなら、絶対にしない間違いである。)神山町役場が目に付いたので、トイレを借りて、今夜の宿「植村旅館」に行く道を聞く為に入っていった。

私達が行くつもりの道より新しい道が出来て、ず~っと近道だと教えていただいた道を行くことにした。

歩き始めると喫茶店があって、もし此処を逃すと後は無いかもしれないと思い「実は駅の地下でお弁当を買って持っているのですが、コーヒをいただきますので、お弁当を食べさせていただいても良いですか?」とたづねた。了解を得て座った。

この店といい、先ほどの役場といい中々の建物でした。特に役場は地方のものとしては大きい。豊な村なのだろうか?昔は林業で栄えた地方だったらしいのです。例に漏れず外国産の安い木材に勝てないと聞くが…。


                鮎喰(あぐい)川と先を歩く主人

鮎喰川を遡っていった。川を見ながら歩くのは気持ちのいいものです。何台もの遍路者を乗せたバスが追い越して行った。窓からは皆が歩く私達を見ておられる。


          
  冷たい天然水を飲む主人(7年前だから今の私と同い年 やっぱり若いね~)

「天然水」と書かれた湧き水があり、柄杓が添えられていた。美味しく頂いた。若い頃はこの無味無臭のこの水の美味しさがわからなかった。都会の水道水の水が美味しい水であると疑わなかった。(私が始めて天然水を飲んだのは、小学3年生の時で、富山の山中だった。それは山の表面をチョロチョロと流れているだけのもので、土地の人は「神さんのションベン」といっていた)遍路に来て水の美味しさが嬉しい。何処の水も美味しいし、身体の細胞が小躍りしてリフレッシュしている気がする。

教えられた道を行くと2時前に植木旅館に着いてしまった。と言っても予約が入れてあるし、先に進みたい気もあるしと迷っていた。出てこられた女将さんが「時間があるし、歩けるのだったら6キロ先にペンションがあるよ」と言ってくださった。「でも今夜の用意していただいているのでしょう?」「かまわんよ」と言う事で、私達は先に進むことを選ばせていただいた。

「ペンションやすらぎ」に電話した。今思えば乗ってきたバス道を逆に戻れば13番大日寺について、次に進めたものを、この道を行くべきであるという固定観念の恐ろしさである。目的地は一つでも道は沢山ある。目を見開いて、その可能性を見極めなければならないという事である。今日一日を無駄にしたことになる。

12月12日  ペンションやすらぎ  (1泊目)

遠回りをしたて、13番大日寺まで5.5キロ手前にその宿はあった。宿主の話しに寄れば「関西で長い間働いていたが、定年で生まれた土地に帰ってきて、この宿は始めはゴルフ客の為に作ったそうだ。ところが関西と橋が繋がってからは、皆日帰りで来る為にお客がぐ~と減った」と言う。そこで遍路客に目を付けたらしい。確か遍路割引があったと思う。

昔は徳島は林業で持っていたそうで、「カボス」「梅」も特産物だったが「カボス」は中国産に押されてふるわず、余った「カボス」は取りに行けばただでくれるそうだ遍路の身では持ち帰れないしね。関西に帰れば一つ何十円もするのにね。

「梅」は紀州が一流、此処は二流でパッとしないらしいと等々不景気な話しです。(この宿のことは時々思い出すのですが、大きい宿ですし、ゴルフ客の為に始めたというだけに小部屋がたくさんありましたし、食堂も大きかったですから、今頃はバス遍路の宿として賑わっているのではないかな~)

翌朝、「昔の遍路道を教えますから、其処を行ってください」とご主人が言われたので、私達は喜びました。案内をしてもらいました「此処がその遍路道です」と大真面目で言うご主人。目の前には高台に立つ宿から自動車道路までの数メーターの土の道があるだけだった。私達はあっけにとられた。道路に降り立った私達は笑い出してしまった。期待した私達が悪いのかしら??(今でも大真面目で泊まったお遍路さんに教えているのだろうか?)


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 伊豆半島のたび (4) | トップ | 遍路 6 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

思い出話」カテゴリの最新記事