氷の轍 桜木 紫乃
主人公滝川信夫が痛いとなって、海で発見された。北海道釧路中央
本部の新人刑事・大門真由が先輩と捜査を始める。捜査線上に浮か
んだ人とその人のこれまでの生き方が書かれている。
登場人物が多彩で、多く、時々「この人誰だっけ?」と戸惑うこと再々。
題名の「氷の轍」とは、子供のころ親に身売りされて、極寒のなか連
れていかれる時の、屋根もない乗り物のタイヤの跡のことです。
桜木さんの本はこれが始めてです。「予約の多い本」と言う事で借りた
と思ったのですが、何となく全体に暗い感じを受けました。この本のネ
ットでの感想文を読んでいると、桜木さんの持ち味? が「この暗さ」
だと書いてあったので、私の感じ方は間違いではなかったとほっとし
ました。
気象描写とその景色が多い文章だとも思いました。
人間関係の複雑さについてはちょっと、理解に苦しむものでした。