緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

消費増税どうなる(3)

2012-06-23 21:46:12 | 時事
こんにちは。
毎日新聞を読むと消費増税の記事が目立つ。民主党の小沢氏が消費増税に反対して新党を結成するという話も出てきた。
そもそも消費税を増税するという手段なしに700兆円から1000兆円とも言われる国の借金を返して行けるのであろうか。
消費税率を現行の5%から10%に引き上げると年13兆円の税収が増えると言われている。この増えた税収で国の借金を返していくとしても、完済するのに53年から76年もかかるのである。しかも毎年今の借金を増やさないという前提での話だ。
しかし日本経済が衰退し、これからも経済成長が見込めない状況の中で、所得税、法人税による税収は増えず、少子高齢化が進むと今よりもますます借金が増えていくことになるであろう。信じられないかもしれないが、今の日本の財政は40兆円の収入で90兆円の支出をしているのである。
消費増税と同時に歳出カットをやらないと財政の建て直しは無理だ。これまではバブル時代に稼いだ貯蓄で国債を買い支えていられたが、今の若い世代は余裕がなく、新たに国内で国債を売ってお金を調達するには限界がある。バブル時代の貯蓄を元に買われた国債もいつかは返さなければならない。そうなれば海外の投資家に国債を売って資金を調達せざるを得なくなるが、国債の格付けが低いと価格を安くしなければならないので金利が上がり、返済の負担がますます重くなっていくことになる。
とにかくこの財政悪化の悪循環を何が何でもストップさせなければならない。消費増税と歳出カットなくしてこの迫る危機を止めることが出来るのであろうか。
小沢氏は消費増税をする前にやるべきことがあると言い、消費増税反対の立場をとっている。消費増税は国民全てにとって等しく痛みを伴うものである。誰もが避けたいと願っている。だから消費増税反対の立場を取った方が、国民の支持を得やすい。
しかし小沢氏は消費増税をしないで財政を立て直す具体的プランを示していない。膨大な借金を何年かけて、どんな手段で返済していくのか、毎年新たに借金をせずして財政を健全化していくために何をしていくのか、小沢氏は具体的に何も示していない。
何故具体的に言わないのであろうか。それは消費増税をしないで財政を立て直すためには、大幅な歳出カットを余儀なくされることが明白であるからだ。
具体的には新幹線拡張やダム建設などの公共事業の中止、抑制、社会保障費削減、福祉・公共サービスの削減、有料化、公務員の削減などである。
経済成長が困難ななかで財政を立て直すためにはこれらのことをやらざるを得ない。でもこんなことは絶対に言えない。だから具体的に説明していないのではないか。
公共事業を大幅に削減するなどと言ったら、建設業界などから大反対されるからである。
だからただ消費増税反対と言っておいたほうが支持を取り付けやすい。
小沢氏は日本の行く末を本当に心配して、どうやったらベストな方法があるだろうか、どうしたら最悪の事態を避けて危機を乗り越えていけるだろうか、ということを真剣に考えているという感じが伝わってこない。小沢氏は結局自分が政権を握りたいという個人的願望で動いているのではないか。野田総理の方が苦悩している気持ちが伝わってくるし、日本の将来も真剣に考えていることも感じられる。個人的な野心はあまり感じられない。
最近の新聞の投書で、消費増税ではなく所得税増税をすべきだとの意見を目にした。所得税増税といってもお金持ちの税率をもっと上げろということらしい。少しくらい税金を多く払って社会貢献しなさいということを言っている。
このようなことを言う人には、お金持ち=さほど苦労もしないで優雅な生活をしている人、庶民=少ない給料で汗水垂らしてまじめに働き苦労している人という公式があるようである。そして我々庶民の代表として意見を言っているかのようだ。
しかし私はお金持ちの人には中流、低所得の人よりも何倍も苦労している人が多いのではないかと思う。お金持ちというと、例えばイチローや中田英寿のようなスポーツ選手や、孫正義のような大企業のトップを思い描くが、彼らが庶民よりも苦労せず多くの収入を得ていると思えるだろうか。人の何倍も努力して稼いだ収入の半分も税金に持っていかれ、自分よりも努力しないで新聞で文句を言っているような人たちのために苦労して得たお金を使われるのは不愉快だと思われる、と考えないのだろうか。
1960年代から1970年代の日本はまだ今のように裕福ではなかった。グルメも海外旅行のような贅沢もごく少数の人しか出来なかったが、みんな耐える力を持っていた。2度のオイルショックを経験しても跳ね返す力があった。2度目のオイルショックのときは、どの放送局も深夜放送を取りやめたほどである。この時代は、経済を発展させよう、生活をもっと良くしようと誰もが希望を持っていた。
バブルを経験し豊かになった日本人は危機的状況になっても耐えようとする気持ちがなくなったようである。莫大な借金をして火の車になっているのに、今のサービスを落とすなと平気で要求する。増税なんてとんでもないと言う。金持ちからお金を取れと言う。
でもどうしたら財政を立て直せるか具体的なことは考えようとしない。ただ消費増税は家計の負担が増すから止めてくれと言うだけである。
消費増税を国民に理解してもらうには、野田首相にはもっと今の財政の危機的状況や消費増税をしないとどんな事態になるのか、消費増税により得た収入をどう活かしていくのか、わかりやすく説明する必要があると思う。信念を持っているのは感じられるが、もっと納得のいく説明をしてもらえるといいと思っている。

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