緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

ジャチント・シェルシのピアノ曲を聴く

2014-03-15 22:33:58 | ピアノ
こんにちは。
折をみて、野呂武男のコンポジションⅠ「永遠回帰」やコンポジションⅡ「離と合」のような現代音楽で、ピアノ曲で同じような曲がないか探していた。
邦人作曲家のみならず海外の作曲家の曲も聴いてきたが、形式的な難解さだけが強調されるものが多く、コンポジションⅡ「離と合」のような人間の内面の荒涼とした闇のような気持ちを表現した曲はなかなか見つからなかった。
しかし今日、イタリアの作曲家で、ジャチント・シェルシ(Giacinto Scelsi、1905~1988)という人が作曲したピアノ曲に出会った。
聴いたのは「ピアノソナタ第3番」(1939年作曲)。
第1楽章冒頭から静かな不気味さを感じる音楽で始まるが、暗さはあまり感じられない。
しかし次第に激しい心の起伏が繰り返されるような展開になる。
ちょっと狂気を感じるようでもあるが、心地よい音楽を望む人は聴かない方が良いと思う。
第2楽章はゆったりとしたテンポであり、野呂武男のコンポジションⅡの「序」や「離」のようにリズムが難解、不気味さも増している。
第3楽章はややテンポが速くなるが、強烈な音が多くなり聴くのはかなりのエネルギーを要する。
自分が求めていたものと少し違うが、今まで聴いた現代音楽のピアノ曲の中では最も聴き応えがあった。
この作曲家の顔写真を後で見たが、目の輝きに異様さを感じる(決して彼を軽蔑しているわけではない)。
このような音楽を作る才能に驚きを感じる。




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