緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

消費増税どうなる(4)

2012-06-30 22:39:37 | 時事
こんにちは。
26日に消費税増税が衆議院で可決された。
今までの借金漬けから財政の健全化に向けてまず最初の一歩を踏み出すことができた。
少子高齢化が今後ますます進み、経済の停滞、衰退が続くことを考えると、もはや消費増税は免れない。
今までは巨額の借金をして公共事業、社会保障費、防衛費などを始めとして、こども手当てや高校授業料無償化、そのた諸々の公的サービスのために支出してきたが、やっと身の丈に合わせた財政運営を考えるようになった。
しかし新幹線の拡張や八ツ場ダム建設再開を決めたことは残念であった。
しかし1年間に40兆円の収入しかないのに90兆円の支出をしているのである。残りは赤字国債での借金でまかなっている。今国の借金は700兆円と言われている。こんな財政を毎年繰り返していたら国の借金は10年後は1200兆円にもなってしまう。
これは明らかに異常である。
個人レベルで考えると年収400万円しかないのに毎年500万円借金をして900万円の支出をする生活をしているようなものだ。このような生活をする人は常識では皆無であろう。しかし国家レベルになるとわけが違う。まず収入を超える借金をしても危機感を感じない。銀行にはまだ日本経済が豊かだったころに預け入れられた豊富な貯蓄があるから、銀行はその貯蓄をもとに国債を買って国へお金を貸すことができた。
政治家も自分が借金を返済する当事者ではないから平気で多額の借金をして、選挙の時に公約した公共事業や福祉や手当ての充実を実行しようとする。
自分が借金をしているという認識がないからこういうことになる。
北海道の夕張市が巨額の借金を毎年しているのに、石炭の歴史村などのアミューズメントパークや国際映画祭をやっていて財政が破綻し、今ではひどいみじめな町になってしまった。石炭の歴史村を訪れたことがある人なら分かると思うが、夏休み期間でも施設にいる客は数人である。遊園地にある観覧車などは誰も乗っていない。しかし巨額の借金をしてまで経営を続けた。
この夕張市の例は極端であるが、自分の懐が痛むわけではないから、巨額の借金をしてもなんとかしようとしない。それが今の政治家だ。
新聞などで消費税が5%から10%に増えると家計に具体的にどのくらいしわ寄せがあるか説明し、消費増税がいかにも悪いものであるかのような記事がが最近目立つが、もっと今の財政の異常さを国民に知らせなくてはならない。
もともとこんなにまで財政を悪化させ、巨額の借金を作ってしまったのは、バブル崩壊後の自民党とその後の自公連立政権なのである。ところが、国民の中には消費増税への怒りを自民党や公明党に向けず、マニュフェストを守らなかったと言って野田政権を徹底的に責めている。これは本質的おかしいと思う。
今や消費増税と歳出カットの同時実施以外にこの異常な財政状況から抜け出せる道はない。民主党が政権を取ったときは消費増税をしないで最低保障年金、こども手当て、高校無償化などを実行すると公約したが、そんなことは元々できる裏づけのないものだったのだ。こども手当て、高校無償化などなんで財政の苦しい時にやるんだろうと疑問に感じたものだ。こんなばらまき政策を実行する財源を増税なし作るとすると、大幅な歳出カット以外にない。しかし具体的にどんな歳出カットをするかを言わない。数年前に行った事業仕分けで捻出できるレベルではない。
こんな非現実的なマニュフェストを守れなかったとして多くの人は怒っているし、小沢氏の離党に賛同する人まで出てきている。
状況が目まぐるしく変わっているのに、何年の前の実現不可能なマニュフェストにこだわりすぎることが良いことだとは思わない。
しかし野田首相は自民党や自公政権の悪政の代償を払わせられているのに、マニュフェストに反することでも最善の選択を模索し、党の内外からさんざん叩かれながらも消費税増税を信念をもって実行したことに対し、私は評価してあげて良いと思っている。
これはなかなかできることではない。悩み苦しんで至った結論だったと伝わってくるものがある。非常に耐え忍ぶ精神が必要とされることだ。
それに比べて自民党や公明党は今の財政危機を生んだ張本人なのに、国民の怒りが野田政権に向いていることをいいことに、反省することなく次の政権を奪還しようと機会をうかがっている。もううんざりだ。
今回の消費増税可決で民主党に失望した人は次の選挙でまさか自民党に投票するのだろうか。財政危機を生みだした政党である。この党が駄目ならあの党にしようという傾向がますます進んでいる。短期間で成果を出せなかったり、公約に反することをしたら即、けしからん、クビだという。そして別の政党への支持へ移る。その繰り返しだ。政党や政治家を長い目で見ることが少なくなってきた。それだけ今の日本が苦しくなってきているからであろう。
私は1日でも速く収支均衡となるような財政に戻って欲しいと思っている。それが一番国民が安心して暮らしていけるのに必要不可欠なことだからだ。
消費増税も歳出カットも反対しない。むしろ財政健全化のために速く実行に移して欲しい。消費税増税無しで財政再建など不可能である。イギリス、ドイツ、フランスなどのヨーロッパの先進諸国は消費税率は20%である。食料品はイギリスは無税であるがドイツやフランスは5~8%程度だ。経済成長著しい中国や韓国でさえ、食料品もそれ以外も一律10%を超える税率なのである。
消費増税無しで財政を立て直すなどと言う政治家がいたら自分の身の安全や野心のことしか考えていないか、現実を見ず理想論ばかり言って支持を集めようとする安易で無責任な人であろう。
少ない税しか払わずして大きなサービスを求めることなんて土台無理な話である。増税に怒りながら大きなサービスを要求するのは、貧しくなっても以前の豊かさが忘れられずに借金をしてまでやってもらわないと困ると言っているに等しい。
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