緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

木製弦止めを試してみた

2022-05-04 21:00:24 | ギター
今まで様々な材質の弦止めを試してきた。
象牙、牛骨、アルミ、真鍮、銅、樹脂(2種類)などだ。
金属製のものはパイプ状の形状、象牙、牛骨製はチップ状の形状が多い。

金属製のうち真鍮製のものは弦が突然切れるというアクシデントがあったため、使用は1回で止めた。
あと樹脂製のうち硬質な樹脂を用いたものは弦を固定する構造に問題があるのか、弦と楽器の表面板とが接触し、結構な傷を付けてしまった。
またチップの中には形状が楽器のブリッジと会わず、チップの断面とブリッジの側面とが密着出来ないものがあった。
このように弦止めは取付ピッチなどで楽器との相性があるので、まずは1個のみ取り付けてみて構造上合わないと思ったら使用を止めた方が無難だ。
わずかの傷も許せない方であるならば、弦止め自体、使わない方が良いかもしれない。

そもそも弦止めのメリットとは何なんだろう。
多分、弦高を下げるためにサドルを限界まで削った結果、サドルとブリッジ間の弦の角度が平行か平行に近い角度となってしまい、サドル上で弦が動いてしまう場合に、いくらかでも角度をもたせてサドル上の弦が動かないようにするためにある場合とか、サドルの高さに余裕があっても弦のテンションを少しでも高めて張りのある音を出したいというようなニーズに応えるものではないかと思う。
スペインのベルナベのように弦止めを標準装備する製作家も出て来た。

今回、木製、黒檀(本黒檀ではなく縞黒檀だと思われるが詳細は不明)のものが売っていたので試してみることにした。
やや大きめの四角い形状で、弦を通す穴は他の弦止めと同じで、正面と背面の貫通穴、両側面の貫通穴の2種類の穴が空いている。
(装着前の写真をうっかり撮り忘れた)





装着した楽器は国産の古い楽器。
チップの底面が表面板に接地することもなく、装着は他の弦止めに比べてやりやすい。
1弦と2弦と4弦は抜け防止のため念のため2回よじった。
弦止めのなかには、弦を結んだ際に弦と弦が交差する部分が損傷し、そこから切れてしまうのではないかと懸念されるものもあるので、新しい弦に交換する際には今まで張っていた弦の先端部(弦止めに固定していた部分)の状態をよく確かめた方が良いと思う。
先端部分の損傷が大きければ、その弦止めの使用は万が一のためにも止めた方がいいかもしれない。

また弦止めによっては6弦を固定した際に、たるみが出来ていると、演奏中にそのたるみが突然解消されるとともに調弦が著しく狂ってしまう(音が著しく下がる)場合があるのでこれも要注意だ。
今回試した木製のものは6弦のたるみもなく装着できたのでこの点での心配はなさそうだ。

さて装着後の肝心の音の状態はどうか。
まず低音はこもりなどの発生はなく、装着直後から張りのある発音だった。
しかし高音はかなりのこもりが見られた。
ただどんな弦止めでも新品のナイロン弦に交換した際は1,2日はこもりが解消されないものであることは経験上分かっていたので、これはある程度想定内だった。
しかし常に調弦状態で演奏していると徐々にこもりは解消されてきた。
装着から約6時間後、かなりこもりは無くなっている。

この時点で、試しに録音してみた。
1曲目はいつものアンダルーサ。
使用楽器のレゾナンスがA#~Bなのであるが、この付近の音が強すぎるうえに音のバランスの悪さが如実に出てしまっている。
とくに冒頭部分。
2曲目は最後のトレモロ。
これはそうでもないが、高音はこの楽器のベストな響きにまで未だ至っていない。
転調直前に致命的なミスをした。

木製弦止め試し弾き録音① スペイン舞曲第5番アンダルーサ 2022年5月4日20:16

木製弦止め試し弾き録音② 最後のトレモロ 2022年5月4日20:32




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