緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

ナタリア・トゥルル演奏 チャイコフスキー作曲「ピアノ協奏曲第1番」を聴く

2022-02-18 23:19:45 | ピアノ
今夜は昨年8月まで続けていた講習会仲間3人とオンライン飲み会、先ほどお開きに。

昨日夜更かししながら悲愴を聴いているうちに、Youtubeでチャイコフスキー作曲ピアノ協奏曲第1番の演奏で、いいものを見つけた。

Natalia Trull plays Tchaikovsky piano concerto №1 (1986)


ロシアのナタリア・トゥルル(Natalia Trull)、1986年のチャイコフスキーコンクール第2位を受賞したときの演奏だった。
1回聴いてすっかり惹き込まれてしまった。
女性なのに物凄い強いタッチ。鋼鉄の腕を持つと言われるギレリスどころではない。
強いタッチなのに、嫌味に感じない。それどころかその瑞々しくエネルギーに満ちた音の流れに魅了される。
高音はピーンと突き抜けるような芯の強さがある。

若さゆえの粗削りなところはあるが、何度も聴きたくなるような不思議な魅力がある。
とくに第2楽章の表現は素晴らしいと思う。第3楽章の躍動感もつい手に力が入る。

チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」は10年くらい前に随分と聴き比べをしたことがあったのだが、正直小学生のときに最初に聴いて以来愛聴盤となっていた、アルトゥール・ルービンシュタインの1960年代の録音しかその演奏を詳細に思い出せない。
強いて他を挙げるとしたら、アルゲリッチのライブ録音、指揮はキリル・コンドラシンだったと思うが、それくらいだろうか。でもアルゲリッチよりもこのナタリア・トゥルルの演奏の方がもっと情熱的で躍動感に満ちているし好きだ。

チャイコフスキー国際コンクールはモスクワで開催される、エリザベート王妃国際音楽コンクール、ショパン国際ピアノコンクールと並ぶ、世界三大コンクールの一つと言われ、世界的に最も権威のあるコンクールのひとつであるとこと。
過去の入賞者で名前をよく知られているのは、 ヴァン・クライバーン(アメリカ)、 ウラディミール・アシュケナージ(ソ連)、ジョン・オグドン(イギリス) 、グリゴリー・ソコロフ(ソ連)、ペーター・レーゼル(東ドイツ)、ジョン・リル(イギリス) 、アンドレイ・ガヴリーロフ(ソ連)、アンドラーシュ・シフ(ハンガリー)、 ミハイル・プレトニョフ(ソ連)、ハエ=スン・パイク(韓国)などだ。
ただ1位、2位を受賞しても知られていない演奏家もたくさんいる。
権威あるコンクールで入賞しても、プロとして華やかに活動できるのは、その中でも極くわずかだということだ。
演奏面での実力以外の能力も必要とされるのかもしれない。厳しい世界だ。
ナタリア・トゥルルもその中の一人なのだろう。残念だ。
レコードは少なく、プライベート録音をYoutubeに投稿しているような活動状況である。

下はショパンの練習曲のライブ録音。

Chopin - Etude As-dur op. 25 no. 1. Natalia Trull.

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