緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

幻の録音? アルベニス作曲「コルドバ」のギター編曲演奏

2022-05-06 19:55:26 | ギター
アルベニスの「スペインの歌」というピアノの組曲の中に、「コルドバ」という曲があるが、1980年代に入ってからジョン・ウィリアムスやジュリアン・ブリームが相次いでギター編曲版の録音を出してから、この曲がクラシックギターの主要レパートリーとして定着していったように思う。
彼らがスペインものを集めた新譜を出した時、私は大学生だったが、ラジオでこの曲を聴いた記憶がある。
(ジョン・ウィリアムスの録音は一部電気処理されていて驚いたが、当時の録音としては恐らく初めてではなかったか)

しかしこの曲のギター編曲を初めて聴いたのは少し前の1981年の春、高校3年に上がる前の春休みにFMラジオで聴いた演奏だった。
この時聴いたコルドバのギター演奏が素晴らしく、強烈に印象に残った。
ラジオからカセットテープに録音したのだが、テープの時間が足りずに最後まで録音できなかった。



またテープがバーゲンで買った安物だったのと、重ね録音をしたせいかいい状態で録音できなかった。
しかしそうであっても、その後この曲のどのギター演奏を聴いても、このカセットテープに録音した演奏をしのぐ(音楽的にも技巧面でも)ものに出会うことはなかった。

今から40年前のことなので確証は得られないが、この時FMラジオでアレクサンドル・ラゴヤのレコードからいくつか放送されていたのであるが、プジョールの「グアヒーラ」とアルベニスの「カディス」と私の記憶がもし正しかったとすると、アルベニスの「コルドバ」の3曲がこの時放送されたはずなのだ。
「グアヒーラ」と「カディス」はカセットテープのインデックスに手書きで記載されているので間違いない。
3曲目の「コルドバ」はB面のテープ残量が残り少なくなっていたので、急遽、A面に既に録音していた最後の曲(映画音楽「第3の男」のテーマ)の上から重ね録音したものなのである。
(カセットテープのA面のインデックスには記載がなかった。)



(A面は中学2年生の時に友達からダビングした映画音楽、B面は高校3年生の時にクラシックギター録音の特集を録音した時。筆跡がまるで違う。A面=勉強せずギターやバレーボールに熱中していた頃、B面=青白いがり勉をやっていた頃。人間も変わると筆跡も変わる?)

今までずっとこの録音を中古レコード店やYoutube、インターネットの情報などで探してきたが見つけられずにいる。
数年前にラゴヤの没後20年&生誕90年記念盤として、デッカ・フランスから『フィリップス&RCA録音集』CD10枚組のセットが発売されたが、残念ながらコルドバは収録されていなかった。
(プジョールの「グアヒーラ」とアルベニスの「カディス」も収録されていない)

この演奏がアレクサンドル・ラゴヤのものであるかは断言できないが、録音から聞く奏者の音質(澄み切った美しい高音、雑音の無い統制された音など)や、技巧レベルからして、当時、1970年代終わりから1980年までの間にレコードに録音したギタリストでこれだけの演奏が出来るのはやはりラゴヤしかいないのではないかと思う。
(とくに技巧面ではジョン・ウィリアムスと遜色がないほどのレベルだ)

今日、このカセットテープの録音をテープレコーダーで再生し、スピーカーからレコーダーで録音した。



40年前のテープで保管状態が悪かった(真夏は40℃以上にもなる押し入れに入れっぱなしだった)ため、音が著しく歪んでいる。
また再生プレーヤーも安物なのでさらに音が悪くなってしまったが、とりあえず下記にリンクを貼っておいた。

1981年3月頃にFMラジオから録音した、アレクサンドル・ラゴヤと思われるアルベニス「コルドバ」」の演奏

この演奏の最も特徴的なのは次の部分をジョンやブリームを始め多くのギタリストが採用しているラスゲアードやトレモロで弾いていないことだ。



トレモロは伴奏部分で背景的な要素として演奏ものだと思う。
私はラゴヤの弾き方の方がこの曲に最もふさわしいと思っている。



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懐かしい練習曲「カルカッシOp.59-18」を弾いてみた

2022-05-06 00:51:53 | ギター
今日は社会人マンドリンクラブの合奏練習。
朝9時から1時間ほど個人練習、10時から17時まで全体練習というハードなもの。
でもだいぶ弾けるようになってきたので楽しくなってきた。

今回から指揮者の近くに座る機会が多くなったが、これってなかなかいい。
指揮者の緊張感とか真剣さとか、曲に対する思いとか、メンバーのためにこの時間をとにかく最大限にしようとか、いろいろなものが遮られずに伝わってくる。
こういうエネルギーを浴びるのもなかなか得難いものだ。

帰宅後、飲み物を飲むなどしてくつろいでいたら0時過ぎに。
何か1曲弾こうと思って思い出したのが、高校を卒業した直後の春休みに基礎から徹底してやり直そうと思って練習したカルカッシの練習曲作品番号59番。そのうち18番目の曲を選んで弾いてみた。
カルカッシもなかなかセンスのある曲作りをするなと感心した思い出の曲でもある。


急遽選んで弾いたので、四分休符を消音しなかったり、あらはあるがまあ許してあげよう、練習曲「カルカッシOp.59-18」2022年5月6日00:36
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