昨日の心療内科デーの待ち時間は角田光代の「ひそやかな花園」を途中まで読んですごした。
幼い頃、毎年サマーキャンプで一緒に過ごしていた7人。
輝く夏の思い出は誰にとっても大切な記憶だった。
しかし、いつしか彼らは疑問を抱くようになる。
「あの集まりはいったい何だったのか?」
別々の人生を歩んでいた彼らに、突如突きつけられた衝撃の事実。
大人たちの〈秘密〉を知った彼らは、自分という森を彷徨い始める――。
序盤から子供たちがたくさん出てきて、その両親も出てくるもんだから、登場人物が頭の中でこんがらがってしまった。
以前、角田光代の小説「森に眠る魚」を読んだ際もそうだった。あの時は名前と特徴をメモにしたためて読んだ。
今回はそこまでではなかったのだが特徴と名前を一致させるのに苦心した。
彼らが大きくなったところからは読むスピードが一気に上がった。
21時。買ってきたおにぎりをモゾモゾと食べ、後半は英語の勉強。
問題を解きながら、これ、無理なんじゃないのか、と思った。
でも興味は失っていないので、勉強し続けるけれども・・・。
外資系企業に転職する予定はない。仕事も日本語しか使わない。なのに今更英語を勉強する意味ってあるのだろうか。
そんな疑問に蓋をして、まずはやってみる。
待合室は蒸し暑く、照明も少し暗いので、疲れも相成って次第に気が遠のいていく。
モニターから流れる癒し系の風景と音楽で、自分が置かれている世界が非現実味を帯びてくる。
私のほかに待っている女性が一人。受付嬢は奥に引っ込んでいる。
「この状況っていつまで続くんだろうか」
診察室のドアを凝視する。20分前に入った男性の声がたまに聞こえてくる。
数分後、男性患者が出てきて、私の名前が呼ばれた。0時前だった。
診察室に入り、まず、ぎょっとした。
クマ医師、疲れている・・・!
「最近どうですか?」
と疲れて目が窪んでいるクマ医師に聞かれたので、GWのことなどを話した。
ここ最近の中途覚醒のことを話すと
「PMSもあるんでしょうね」
とのこと。
たしかに。
普通の医者だったら入眠導入剤のほかに睡眠薬を足すんだろうけど、彼は安易に薬を増やさない。
ドSなんである。でもそんな彼のドS処方に信頼を寄せてしまう。
今回は超個人的な案件を相談した。
2,3回、じっと見つめられた。
それはきっと観察のためなのだろうけど、自分がまるで筑波山のガマ蛙になったような錯覚に陥るぐらい、じわっと汗が出た。
打開策とまではいかなくても、考えの整理できたのでよかった。
薬の確認をされて
「ありがとうございました」
と出る際に、笑顔で
「あ、これ・・・どうぞ」
と例の飲料を渡された。
「あ~、これ飲んでみたかったんです。ありがとうございます」
と言い、快くいただいた。
なんでいただいたのかは、わからぬ。
「待たせてすいません」「いろいろあるけど元気出して」という意味なのだろう、きっと。
処方変更なし
ゾルピデム酒石酸塩、防風通聖散、カームダン、当帰芍薬散
ということで寝たのが遅かったので、今日は安定の寝不足状態だった。
でもちゃんと起きていつもの電車に飛び乗ったのだが、電車が大幅に遅延。
震災以降、遅延による遅刻でも残業代から引かれるようになったため、電車が動き出すまでの間は暗澹たる気持ちに苛まれた。
晴天の霹靂。
そう、今日は雲ひとつない、いい天気だった。
昼休みはクマを連れて隣の公園へ。
日差しをいっぱい浴びてリフレッシュした。
木の枝に腰掛けて歌を歌う吉熊。曲名は「つながりうた もりのおく」(吉熊の十八番)。
嗚呼、今日が休みだったらいいのに。
このまま、会社を抜け出して逃亡したい!!
でも、そんなことはできない。
・・・午後もおとなしく仕事をする。
パートさんが窓辺に香りを放つ虫よけ剤を置いた。
それが、中学時代に通っていた塾「教学ゼミナール」のトイレの匂いと同じで、ついノスタルジックな気分になってしまった。
懐かしい。あの頃、目の前に広がる未来は果てしなく広がっていたっけ・・・。
でも次第に気持ちが悪くなってしまった。悪い匂いじゃないんだけど、トイレにずっといるような気分は否めない。
吉熊上司に
「この匂い、頭が痛くなってくるんですけど」
と呟いたら
「弱ってるのか?じゃあ、君は虫なんだよ!!!」
と言われて、フロアに響き渡るぐらい爆笑してしまった。
吉熊上司のこのようなキレのある切り返しとエクセルのマジックを私は心からリスペクトしている。
たくさん日差しを浴びてたくさん笑った。
朝の電車の遅延や寝不足が非現実だったような気さえするぐらいに。
幼い頃、毎年サマーキャンプで一緒に過ごしていた7人。
輝く夏の思い出は誰にとっても大切な記憶だった。
しかし、いつしか彼らは疑問を抱くようになる。
「あの集まりはいったい何だったのか?」
別々の人生を歩んでいた彼らに、突如突きつけられた衝撃の事実。
大人たちの〈秘密〉を知った彼らは、自分という森を彷徨い始める――。
序盤から子供たちがたくさん出てきて、その両親も出てくるもんだから、登場人物が頭の中でこんがらがってしまった。
以前、角田光代の小説「森に眠る魚」を読んだ際もそうだった。あの時は名前と特徴をメモにしたためて読んだ。
今回はそこまでではなかったのだが特徴と名前を一致させるのに苦心した。
彼らが大きくなったところからは読むスピードが一気に上がった。
21時。買ってきたおにぎりをモゾモゾと食べ、後半は英語の勉強。
問題を解きながら、これ、無理なんじゃないのか、と思った。
でも興味は失っていないので、勉強し続けるけれども・・・。
外資系企業に転職する予定はない。仕事も日本語しか使わない。なのに今更英語を勉強する意味ってあるのだろうか。
そんな疑問に蓋をして、まずはやってみる。
待合室は蒸し暑く、照明も少し暗いので、疲れも相成って次第に気が遠のいていく。
モニターから流れる癒し系の風景と音楽で、自分が置かれている世界が非現実味を帯びてくる。
私のほかに待っている女性が一人。受付嬢は奥に引っ込んでいる。
「この状況っていつまで続くんだろうか」
診察室のドアを凝視する。20分前に入った男性の声がたまに聞こえてくる。
数分後、男性患者が出てきて、私の名前が呼ばれた。0時前だった。
診察室に入り、まず、ぎょっとした。
クマ医師、疲れている・・・!
「最近どうですか?」
と疲れて目が窪んでいるクマ医師に聞かれたので、GWのことなどを話した。
ここ最近の中途覚醒のことを話すと
「PMSもあるんでしょうね」
とのこと。
たしかに。
普通の医者だったら入眠導入剤のほかに睡眠薬を足すんだろうけど、彼は安易に薬を増やさない。
ドSなんである。でもそんな彼のドS処方に信頼を寄せてしまう。
今回は超個人的な案件を相談した。
2,3回、じっと見つめられた。
それはきっと観察のためなのだろうけど、自分がまるで筑波山のガマ蛙になったような錯覚に陥るぐらい、じわっと汗が出た。
打開策とまではいかなくても、考えの整理できたのでよかった。
薬の確認をされて
「ありがとうございました」
と出る際に、笑顔で
「あ、これ・・・どうぞ」
と例の飲料を渡された。
「あ~、これ飲んでみたかったんです。ありがとうございます」
と言い、快くいただいた。
なんでいただいたのかは、わからぬ。
「待たせてすいません」「いろいろあるけど元気出して」という意味なのだろう、きっと。
処方変更なし
ゾルピデム酒石酸塩、防風通聖散、カームダン、当帰芍薬散
ということで寝たのが遅かったので、今日は安定の寝不足状態だった。
でもちゃんと起きていつもの電車に飛び乗ったのだが、電車が大幅に遅延。
震災以降、遅延による遅刻でも残業代から引かれるようになったため、電車が動き出すまでの間は暗澹たる気持ちに苛まれた。
晴天の霹靂。
そう、今日は雲ひとつない、いい天気だった。
昼休みはクマを連れて隣の公園へ。
日差しをいっぱい浴びてリフレッシュした。
木の枝に腰掛けて歌を歌う吉熊。曲名は「つながりうた もりのおく」(吉熊の十八番)。
嗚呼、今日が休みだったらいいのに。
このまま、会社を抜け出して逃亡したい!!
でも、そんなことはできない。
・・・午後もおとなしく仕事をする。
パートさんが窓辺に香りを放つ虫よけ剤を置いた。
それが、中学時代に通っていた塾「教学ゼミナール」のトイレの匂いと同じで、ついノスタルジックな気分になってしまった。
懐かしい。あの頃、目の前に広がる未来は果てしなく広がっていたっけ・・・。
でも次第に気持ちが悪くなってしまった。悪い匂いじゃないんだけど、トイレにずっといるような気分は否めない。
吉熊上司に
「この匂い、頭が痛くなってくるんですけど」
と呟いたら
「弱ってるのか?じゃあ、君は虫なんだよ!!!」
と言われて、フロアに響き渡るぐらい爆笑してしまった。
吉熊上司のこのようなキレのある切り返しとエクセルのマジックを私は心からリスペクトしている。
たくさん日差しを浴びてたくさん笑った。
朝の電車の遅延や寝不足が非現実だったような気さえするぐらいに。