世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

黄色の薔薇と永遠

2013年04月09日 22時40分25秒 | Weblog
暑くもなく寒くもないちょうどよい日和。
今週の会社の花。
黄色の薔薇の花言葉は、ジェラシー。
これは昔やっていた石田純一のドラマ「ジェラシー」で知った。中学生の時…。木曜22時からのドラマだった。
当時、私は部屋を与えられていた。1階北側の、元々は納戸だった部屋である。
TVまで買い与えられた。
たまに監視しに来る母の目を盗んで、イヤホンを着けてまで、このドラマを見たかった…私。

中学3年の初め、受験生ということで、2階の日当たりのいい部屋に移動した。
襖一枚隔てた隣は両親の寝室である。TVはあったものの、さすがに見ることはできず、でもたまにイヤホンで鑑賞していると、さっきまでイビキをかいでいた母に怒られた。

そんな思い出のあるあの実家だが、建て替えに伴い、今日から取り壊されている。
雨漏りはするし、漏電はするし、ネズミは出るし、もう限界だったあの家。
新しい家は、和風テイスト溢れる家になるらしい。今から出来上がりがとても楽しみだ。

でも、なんだろう。この寂しさ。
壁の落書き、子供の頃散々遊んだ池、絶妙な角度で入りこむ日差しが陰影を作る茶の間、柱につけた染み、そんなものがなくなってしまうのは、やはり寂しい。

もし壊される瞬間に立ち会ったら、胸の奥がひりひりすると思う。
正直、直視できる自信がない。


まあ、あれだ。
未来永劫、続くものなんてないのだから仕方がない。
新しい家を見たら、その快適さ美しさに、古い家のことなんて思い出さなくなるに違いない。

春の日差しを浴びて、今を咲くバラを見て、ため息をついた。