高校時代の担任だったクラタ先生から残暑見舞いが届いた。
卒業してもう16年になるのに、年賀状と残暑見舞いは続いている。
そうそう、この飄々とした文字。
この先生の文字を見ると自然と和んでしまう。
ポストの前で読んでいたら蚊に喰われてしまった。
痒い痒い。
ぼりぼりと膝を掻きながら、灯りをともす。
明るくなった瞬間、布団の上の吉熊と目が合ってしまった。
「良い子にしていたクマ!」
「はい!!」
よし。良い子だ。
そんな会話をし、再びクラタ先生の文字を追う。
先生は若い頃に私が住んでいる地域に下宿していたらしい。
「夜になっても熱が引かぬ東京のうだる暑さの中で過ごした日々を懐かしく思い出します」
とのこと。
窓を開ける。
なるほど。
この暑さを若い頃の先生もきっと感じていたのだろう。
窓を閉め、エアコンのスイッチを押し、
「あームヒ。どこだっけな」
一人ごちる。
膝をボリボリと掻きつつ、薬箱の中に潜んでいるであろうムヒを探す。
ムヒを塗りながら、ほっとしたのはムヒの効能のせいだけではない。
きっと先生の文字が何よりの安堵をもたらしたのだと思う。
卒業してもう16年になるのに、年賀状と残暑見舞いは続いている。
そうそう、この飄々とした文字。
この先生の文字を見ると自然と和んでしまう。
ポストの前で読んでいたら蚊に喰われてしまった。
痒い痒い。
ぼりぼりと膝を掻きながら、灯りをともす。
明るくなった瞬間、布団の上の吉熊と目が合ってしまった。
「良い子にしていたクマ!」
「はい!!」
よし。良い子だ。
そんな会話をし、再びクラタ先生の文字を追う。
先生は若い頃に私が住んでいる地域に下宿していたらしい。
「夜になっても熱が引かぬ東京のうだる暑さの中で過ごした日々を懐かしく思い出します」
とのこと。
窓を開ける。
なるほど。
この暑さを若い頃の先生もきっと感じていたのだろう。
窓を閉め、エアコンのスイッチを押し、
「あームヒ。どこだっけな」
一人ごちる。
膝をボリボリと掻きつつ、薬箱の中に潜んでいるであろうムヒを探す。
ムヒを塗りながら、ほっとしたのはムヒの効能のせいだけではない。
きっと先生の文字が何よりの安堵をもたらしたのだと思う。