世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

8/10 はじめての北海道

2012年08月14日 13時17分24秒 | Weblog
5時起き。
羽田空港を利用するのは12年ぶりぐらい。
8時00分羽田発→9時35分千歳着。ANA53便。2階席だった。
快適な空の旅。
着陸態勢に入り、窓からは曇天に包まれた雄大な北海道の大地が見えてきた。

到着後、客室乗務員に荷物を提げてもらう際、
「お仕事ですか?」
と訊かれた。
なんで!?

電車に乗り、小樽へ。

小樽は大林宣彦監督の映画「ふたり」で、主人公・実加の父親が転勤になる場所だ。
そこで父親は地元の女性と…。妻に別れて欲しいというために、尾道にある実加の家にこの小樽の女性は乗りこんでいく。想えばけっこう残酷なシーンである。

小樽…そんな予備知識しかない。

荷物をホテルに預け、まずは行きたかった喫茶店へ。
商店街の中にある静かな店だ。
小説のまんま。








散策開始。
北のウォール街と名をはせていただけあり、旧金融会社のビルが残っている。











北一ヴェネツィア美術館でコスプレ。
本格的なイタリア製のドレスに身を包み、記念撮影。
ちゃんとコルセットなどを装着してくれ、本格的だった。






上の階の喫茶店の半額券をいただいたので、シチリアソーダを堪能。
涼しかったので屋上で。
海風が気持ちいい。
どこからか海鳥の声が聞こえる。



小樽オルゴール堂。
観光客でいっぱい。


多種多様なオルゴールが販売されていた。
クマちゃんの壁掛けオルゴールも。


隣のお土産屋さん。
クマグッズを販売する店。



ポストと石の建物。


ちょっとした風景が様になるのは歴史があるからだろうか。


大通りを一本入ると更に歴史のある建物が。
尾道にもこんな建造物があったっけな。
和風ガウディハウスだっけ。似ている。







何かの会社。
張り巡らされた非常階段、見ていて飽きない。



海風を浴びながら、海を見る。
ひたすらぼんやり。









海猫屋。
ここも嶽本野ばら先生の小説に出てきた。


店先には紫陽花が咲いていた。







小説の主人公同様、パスタとワインを注文。
小樽ワインは少々クセがあったがフルーティなのでごくごくいただいた。
パスタは、近海で獲れたアサリとトマト。さっぱりとしていて美味しかった。



運河を散策。




水面に映る光が旅情を誘う。



駅前まで歩く。
20時。人影はまばら。


商店街を横にそれると素敵な飲み屋街が。



ホテルはシングルが空いていなくてツインに通された。広い!!


大浴場のミストサウナでひと汗流す。
温泉、最高に気持ちがよくて、2時間弱入浴してしまった。

吉熊は、既にオネム。疲れたんだね。



こうして旅行第一日目は終了した。
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8/11 白く神々しい生き物

2012年08月14日 13時16分28秒 | Weblog
8/11

寝坊をする。
朝食はホテルにて。和食と洋食バイキングを選べるのだが、迷わず和食を選ぶ辺り、自分も歳を取ったのだと思う。
でも和食にして正解だったかも。夕張メロンやいくら、ウニ、…けっこう豪華だった。


チェックアウトを済ませて小樽駅に向かう。
こうして観ると小樽は尾道に似ている。海、山、坂道。山の斜面に張り付くように家々が連なっている様子は、まるで尾道だ。


小樽駅。


まずは札幌を目指す。
前方向かって左側。来る時は気付かなかったのだが、海沿いを走っている。
隣の女性が「この先に大きな岩があるんです。そこがシャッターチャンスかも」と教えてくれた。良い人だ。




北の海は透き通っていて、見るだけでもその冷たさが伝わってくるかのようだ。



札幌で乗り換えて、スーパーカムイ号で旭川を目指す。
ひたすら畑と山々の風景が広がる。



旭川には私の従兄弟が住んでいる。医者を生業にしている彼と最後に会ったのは4年前の祖母の葬式だ。そんなに親しい間柄ではない彼のことを流れる車窓に合わせて、初めて深く考えてしまった。

旭川のホテルにチェックインし、バスで旭山動物園に向かう。

私の通う心療内科の本棚に旭山動物園の写真集がある。それを見て「行きたいなあ」と思っていた。
この動物園は「見せる」動物園だ。動物を様々な角度から、しかも間近に見せてくれる。サービス精神が豊かな動物園だった。



エゾカエル。

その下には…
「ストレスで死んでしまいます」…。なんだか分かるぞう。


孔雀の羽って本当に美しいのな。


いきなり放尿し始めたオラウータン。



テナガザル。



おおかみが遠吠えを始めた。



上から視線を感じるなと思ったらレッサーパンダが私を見下ろしていた。



アシカ



ペンギン



昼食は園内レストランの「いくら丼」
うまー。




眺めが良い。


ちょうどペンギンの「もぐもぐタイム」の時間だったのだが、自分がもぐもぐしていた…。うっかり。



ホッキョクグマを間近で観られる設備の列に並ぶ。15分待ち。
ガラス製のカプセルに入り、散歩するホッキョクグマを至近距離で見ることができた。
快活に歩く白く神々しい生き物は、夏の日差しを一心に受け、私の前を通り過ぎて行った。




他のホッキョクグマ。
サツキというホッキョクグマらしい。
超絶美人だった。



お土産を買ってバス停へ。
バス停で30分ぐらい待機。
ここで私はミツバチに狙われた。
そう、私にだけ近づいてくるのである。
「んぎゃ~~~~~~~~~」
と逃げ回り、バス停を2周してしまった。
関西から来た女性二人組に
「お姉さん、狙われていますねえ」
と失笑された。




ホテルに到着。
駅前のやや古いホテル。
こうして観ると、やや牢獄っぽい。



明日は早いので早めに就寝。



8/12 クマ好きの聖地

2012年08月14日 13時02分31秒 | Weblog
8/12

7時起床。
ホテルのバイキングで朝食。


旭川駅を出て、またもやスーパーカムイ号で札幌を目指す。
もうね、「世界の車窓から」状態である。

窓の外には関東では見ることがない大きな屋根を持った家々が流れていく。
そしてその奥には淡い絵の具で一筆で描いたような山々が薄く見える。
これぞ北海道。


札幌でスーパー北斗号に乗り換え。
登別を目指す。ギュウギュウ詰め。ラッシュ時の山手線状態。そのまま1時間耐え忍ぶ。

登別に到着!!
登別ったらクマ牧場である。世界最大級のクマ牧場。泣く子も黙るクマ好きの聖地だ。

私はクマが好きだ。偶々手に入れたクマのぬいぐるみに突如愛着を持ち、9年が過ぎた。私の上司に似ていることから、彼から1文字を拝借し「吉熊」と名付けた。すぐに飽きるだろうと思っていた。かつて私の玩具欲を満たしていったぬいぐるみが部屋の隅で埃を被っているように。しかし、気付けば9年があっという間に過ぎ、私の吉熊への愛情もその分増した。子供が産まれるとそれまで興味がなかった子供視線のおもちゃや絵本に興味が湧くという事例に似て、私は吉熊以外のクマにも興味を持っていった。ぬいぐるみ、書籍、小物、動画、イラストのクマ、そして本物のクマにも。そんなクマ好きな私がこの「登別クマ牧場」に来たがるのは至極当然のことのように思う。しかし、高校時代の修学旅行でこのクマ牧場に来たことがある妹に言わせると「別にって感じ。臭いし」とつれない様子。

登別駅からバスで登別温泉中央を目指し、そこから10分ほど歩き、さらにロープウエイに乗車する。


降りるとそこは「登別クマ牧場」!!!!
き、来たよう。ついに来たよう!!!


売店でクマ用の餌を購入。


「こっち、こっち」


「ギブミー餌」


クマさん、いっぱい。
か、かわいい。




ワイルドな格好だなあ。





ガラス越しにヒグマとコミュニケーションを取れる施設へ。
入場した途端、一瞬、足がすくんだ。


よ、吉熊…。うしろっ!!


餌をあげないと、ガラスをガンガンと叩くクマ。
けっこう怖かった。

ツキノワグマのショー。
ジュンくん。12歳。人間でいうと私と同じ35歳ぐらい。
器用に箱を開けて中の餌を食していた。



AKB総選挙の真似。



レストランもいちいちクマ。



クマ山神社。参拝。



園内を徘徊するクマのぬいぐるみと吉熊。



「ヒグマ博物館はこちらです」



この絵、超可愛かった。




大勢のヒグマたちを見た瞬間、ほんの一瞬、「怖い」と思った。
そして、そう思えたことに安堵した。
人に害を与えるクマとぬいぐるみのクマを混同しない自分を知ることができた。
私の中に眠る本能が、唸るクマたちを見て「これは危険だ」という警鐘を僅かに鳴らした。


帰りのバス。
高い湿度とそこに降り注ぐ太陽の日を浴びて、山全体が光っているように見えた。
電柱の「登別クマ牧場」の看板が私の前に現れては後方へ消えていく。
気付いたら私は泣いていた。泣くほど帰りたくなかったらしい。

函館へ向かう電車待ち。
1時間半。登別駅でビールとつまみを買って、本を読んで過ごす。




スーパー北斗号。


函館に着くころには、もうクマ牧場のことは忘れていて、函館山の夜景に想いを馳せていた。
20時過ぎ、ホテルにチェックインし、函館山を目指す。夜の函館はにぎやかだった。

ロープウエイで山頂に到着し、そこに広がっていたのは濃霧。「あなたの知らない世界」的雰囲気とでもいおうか。新倉イワオ先生が出てきちゃうような世界が広がっていたのである。何も見えない…。
しかし、ここで引き返すような私ではない。他の観光客と一緒に粘りに粘って、霧が切れるのを待った。
25分後、風が吹いて来て、半島の形をしたネオンの群れが浮き立ってきた。
「うぉぉぉぉ~」
一気に湧き起る歓声。皆、吉田栄作みたいな雄叫びを上げていた。私も吉田栄作になり、隣の人と喜んだ。


どよ~ん。


うぉぉぉぉ~



ニューヨークのエンパイアステートビル、香港のビクトリアピーク、新宿のワインバーからの眺め…様々な場所で夜景を堪能してきたが、こんなに見て喜びを感じる夜景はいまだかつて体験したことがなかった。

深夜、ホテルに到着し、晩酌をしてオネム。
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8/13 さようなら、2012年私の夏

2012年08月14日 13時00分29秒 | Weblog
ホテルのカーテンを開いてびっくり。なんと雨である。そう、私は雨女なのである。そういえば。今までの3日間の曇りや晴れは奇跡だったのだ。

ホテルでチェックアウトをし、駅に荷物を預けて、路面電車に乗車。十字街へ。


八幡坂という坂を目指す。吉川ひなのが出ていたポッキーのCMでここがロケ地に成っていた。あれを見てからずっと行きたいと思っていた。






旧函館区公会堂へ。
洋館。
ここでは「ハイカラ衣裳館」といってドレスのレンタルができる。
小樽でもしたじゃないか、と思いながらも、ついやってしまう。
ドレスと洋館、このフィット感は普遍の真理、究極のコンビネーションなのだから仕方がない。

店員さんおススメのピンクのドレスに身を包む。
つい、顔がにやけてしまう。
どっかの令嬢になった気満々。
吉熊は男爵。

ドレスは重かった…。
引きずるようにして洋館内を徘徊。



ココは写真撮影は自分たちでしなければならない。
私のようなソロ活動者は誰かに撮ってもらわないとならない。

カップルさんにそっと近付き、
「写真撮りましょうか」
と撮って差し上げる。
「わ~。二人とも良い感じです」
など言いながら。

で、
「あの、私も撮ってもらってもいいですかぁ」
と己も撮ってっもらう作戦で乗り切った。
ウエディングドレスをこの先も着ることがないので許してけろ。








イギリス領事館へ。
ここも洋館。

領事吉熊、仕事中。



坂を下る。



赤レンガ倉庫へ。


女子好みの物品が多数販売されていたが、私は迷わずテディベアミュージアムに向かった。
クラシカルなテディベア、ユニークなテディベアなどもりだくさん。
どのベアも長年愛されていた空気を身に纏っていた。

でもうちの吉熊が一番可愛いと思ってしまう。










シュタイフのテディベアは本当によくできているよな。



市電に乗り五稜郭を目指す。
五稜郭タワーからの眺め。
ちゃんと星型に成っている。





細部はこんな感じ。



タワーには透明の床があり、そこから下を眺めると、かなり怖い。


反対側の窓からは津軽海峡がうっすらと見えた。
途端に石川さゆりが「津軽海峡・冬景色」を爆音で熱唱@脳内。


途中、立ち寄ったラーメン店にて函館ラーメンを食した。もう少し塩っぽい方が美味しい気がする。


駅で一服。
北海道限定のコーヒー。甘い…。



函館駅からバスで空港へ。



家族や会社の人にお土産を買う。
自分には小さな木彫りのクマを購入。かわいいなあ。


北海道に来てまだスイーツを食していなかった。
空港1階の美鈴という喫茶店でケーキを食した。


函館19時30分発、羽田20時55分 ANA866便で北海道を去る。

飛行機内での吉熊。ちゃんとシートベルトをしてる。



羽田に到着した途端、熱気むんむんで嫌になってしまう…。
一気に現実に引き戻された…。




初めての北海道。
地図を見て、移動距離が半端なかったことを実感。
やっぱり広いんだな、北海道。

多忙だったが、多くのクマに会えて、とても幸福だった。
そして自らを解き放つコスプレも体験でき、感無量。
吉熊とも仲良くできた。

2012年夏。
北の大地に包まれた夢のような4日間は終わった。

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