昼過ぎの便で、母と妹はアメリカへと旅立った。
私も負けじと。
明日から箱根へ。
湯治。
ええ。
心も体も、どっぷりと治してくるつもりだ。
♪箱根の山は天下の剣
「箱根八里」という歌を覚えたのは小学6年生の1学期。
東京の小学生の修学旅行先が日光だというように、宇都宮の小学生の修学旅行先は鎌倉&箱根だった。
修学旅行の前、箱根にちなんだ歌を、と音楽の時間に覚えさせられたんである。
作曲者は滝廉太郎。麗しき眼鏡男子。むっは~!
ちなみに先日亡くなられた筑紫哲也は、滝廉太郎の妹の孫に当たるそうだ。
滝廉太郎の半生を描いた映画「我が愛の譜 滝廉太郎物語」が密かに好きだ。
嫉妬、憧れ、切なさ、美しさといった女性のギスギスしたものをあの映画ほどクールに、そしてコンパクトに表現したものはないと思っている。
大分県出身のボンボン廉太郎は東京芸大に入学する。
体を壊して帰省した彼に密かに憧れているのは女中フミ。
素朴な女である。
一方、芸大の同級生であるお嬢様ユキ。ピアノが上手だが、廉太郎の出現により、自信喪失。
廉太郎へのライバル心が、いつしか恋心にメラメラと発展。
フミは新潟へ妾奉公に出されることになった。
その前に一度、廉太郎に会いに行く。
「ちょっと待っててください」
と廉太郎に言われるがまま、校門で待つフミ。
門から出てくる女学生たちの姿は羽織袴でTRENDY。
しかしフミは絣の着物で、なんとなく恥ずかしい。
笑いさざめく女学生から隠れるようにしていると、現れたのはお嬢ユキ。
ユキはフミの前を通りすぎていくとき、軽く黙礼をする。
フミは「やっぱ私なんかが廉太郎さまを慕うなんて身分違いなんだわ」と思ったのか、その場を走り去る。
このシーン好き!
たまらん!
今こうして回想するだけでムラムラしてしまう。
残酷なまでの、勝者と敗者の明確化!
ユキ役は鷲尾いさ子だったんだが、もうこのときの鷲尾いさ子の堂々たる美ったら、その後の私の美意識に深く影響を及ぼしたほどである。
顔に「勝利」の刻印があったもんなー。いさ子…鉄骨娘。
うちにビデオがあったんだが、あまりにも何度も観たからか、あのシーンだけ雑音が入るようになってしまった。
美というものは、その主の自信と比例するのかもしれない。
そう、箱根の山みたく天下の剣と称えられるような強烈な自信。
私も負けじと。
明日から箱根へ。
湯治。
ええ。
心も体も、どっぷりと治してくるつもりだ。
♪箱根の山は天下の剣
「箱根八里」という歌を覚えたのは小学6年生の1学期。
東京の小学生の修学旅行先が日光だというように、宇都宮の小学生の修学旅行先は鎌倉&箱根だった。
修学旅行の前、箱根にちなんだ歌を、と音楽の時間に覚えさせられたんである。
作曲者は滝廉太郎。麗しき眼鏡男子。むっは~!
ちなみに先日亡くなられた筑紫哲也は、滝廉太郎の妹の孫に当たるそうだ。
滝廉太郎の半生を描いた映画「我が愛の譜 滝廉太郎物語」が密かに好きだ。
嫉妬、憧れ、切なさ、美しさといった女性のギスギスしたものをあの映画ほどクールに、そしてコンパクトに表現したものはないと思っている。
大分県出身のボンボン廉太郎は東京芸大に入学する。
体を壊して帰省した彼に密かに憧れているのは女中フミ。
素朴な女である。
一方、芸大の同級生であるお嬢様ユキ。ピアノが上手だが、廉太郎の出現により、自信喪失。
廉太郎へのライバル心が、いつしか恋心にメラメラと発展。
フミは新潟へ妾奉公に出されることになった。
その前に一度、廉太郎に会いに行く。
「ちょっと待っててください」
と廉太郎に言われるがまま、校門で待つフミ。
門から出てくる女学生たちの姿は羽織袴でTRENDY。
しかしフミは絣の着物で、なんとなく恥ずかしい。
笑いさざめく女学生から隠れるようにしていると、現れたのはお嬢ユキ。
ユキはフミの前を通りすぎていくとき、軽く黙礼をする。
フミは「やっぱ私なんかが廉太郎さまを慕うなんて身分違いなんだわ」と思ったのか、その場を走り去る。
このシーン好き!
たまらん!
今こうして回想するだけでムラムラしてしまう。
残酷なまでの、勝者と敗者の明確化!
ユキ役は鷲尾いさ子だったんだが、もうこのときの鷲尾いさ子の堂々たる美ったら、その後の私の美意識に深く影響を及ぼしたほどである。
顔に「勝利」の刻印があったもんなー。いさ子…鉄骨娘。
うちにビデオがあったんだが、あまりにも何度も観たからか、あのシーンだけ雑音が入るようになってしまった。
美というものは、その主の自信と比例するのかもしれない。
そう、箱根の山みたく天下の剣と称えられるような強烈な自信。