晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

垣根涼介 『サウダージ』

2012-04-09 | 日本人作家 か
この作品は「ヒートアイランド」の続編で、渋谷のストリート
ギャングと、プロの現金強奪団と、そこにヤクザも絡んでの
一大バトルが終結し、チーム「雅」のリーダー、アキは、その
現金強奪団、柿沢と桃井の一味に加わります。

物語は、ある男が、旅行代理店の売上げ金を強奪するところから
はじまります。しかしこの男、かつては柿沢、桃井からプロの現金
強奪トレーニングを受けますが、いまいち信用ができないといって
クビに。

耕一は、ブラジル移民の子で、日本に帰国したものの、そこから辛酸
をなめさせられ、“ある事件”をきっかけに家族と離れて東京へ逃げて
きて、そこで柿沢に拾われるのです。

そこから、裏カジノや麻薬の取引、地下銀行などの裏金を強奪して生計
をたてていますが、出会ったコロンビア人娼婦のDDに入れあげてしまい
ます。
このDD,ちょっとオツムの弱いところがあり、わがままで耕一も困り
ますが、それでもDDと別れようとしません。
そんなDDの貯めていたなけなしの貯金をアパートの違う室に住むヤクザに
取られて、それを知った耕一はそのヤクザを殺してしまいます。

殺す前に、近々大量のコカイン取引があると聞きます。しかし単独でそこ
に踏み込むわけにはいきません。大金をせしめて、DDといっしょに南米
に帰ろう・・・そう思った耕一は、かつての“仲間”に連絡を・・・

柿沢、桃井、そしてアキは、耕一の「儲け話」を受け入れるのか。

ブラジル移民の過酷な状況は「ワイルド・ソウル」でも描かれていますが、
政府に騙され、それでも懸命に働き、故郷に戻ってきても、同胞として
迎え入れてはもらえません。
そんな心の荒んだ彼らの行き着く先は・・・

残酷な描写があると思ったらギャグも出てきたり、アクションのスピード感
、スリリングな展開、ちょっとしたロマンスも入れの、といってゴチャゴチャ
にはならずに読みやすいですね。


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