晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

岡崎琢磨 『珈琲店タレーランの事件簿2』

2018-05-12 | 日本人作家 あ
このシリーズの1作目を読んで「早く次作を読まないと」
と投稿したのが2015年の12月。

どうせ間をあけるならそんなこと書かなきゃいいのにと
考えなくもないですが、読み終わった後にそう思ってし
まったのですからしょうがありません。

ざっと簡単に説明しますと、アオヤマという京都に住む
大学生が「タレーラン」という名の喫茶店を見つけます。
この喫茶店はいまどき珍しく豆から挽いてドリップする
本格派。しかも若い女性(オーナーはおじさん)。

この若い女性、切間美星は謎解きが好きで、アオヤマは
美星が目当てなのか彼女のコーヒーが目当てなのかタレ
ーランに通い、ちょっとした不思議な出来事を話して、
それを状況説明だけで美星が解決していきます。

ちなみになぜアオヤマは青山と漢字ではなくカタカナな
のかは1作目にその理由があった、と思います。

さて、今作では、美星の妹で、東京で学生をしている、
「美空」が登場します。なにやら複雑な家庭の事情で、
ふたりの仲はあんまり良さそうではありません。

ところで美空は何をしに京都へ、というのはこの物語
の中心部分ですが、それよりも美空は京都観光という
ことでさっそく伏見稲荷へ。ですがアオヤマと美星と
は別行動。そこでちょっとした謎があったのですが、
ちょちょいと解決しまして、さて美空の話。

彼女は何者かに会いに京都に来たらしいのですが、文
中に、なにやら意味深な、男のつぶやきが・・・

美空はスマートフォンとガラケーの、いわゆる「2台
持ち」で、一般的に若い女性が2台持ちをする理由と
して、彼氏との通話はガラケーで、ネットはスマホで
というものなのですが、では美空は恋人に会いに京都
に来たのでしょうか。まあこの「2台持ち」が、ある
事件の解決のカギになったりします。

「携帯電話の普及で、それまでの舞台やドラマや映画
のセオリーが変わる」と、どなたかが言ったような、
じっさい、公衆電話を使ったトリックだのロマンスは
「携帯あんじゃん」の一発解決で、まったくもって、
トリッキーでもロマンチックでも無くなってしまいま
した。

そこでこの「2台持ち」という(文化)をミステリに
取り入れたのが、まるで「フィンチの嘴」のような
(進化)を見た、ような気がします。


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