晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

アイリス・ジョハンセン 『女王の娘』

2012-02-15 | 海外作家 サ
たまに行く古本屋さんで、小説コーナーにダンボールの中に
無雑作に入れられた本が「3冊105円」で売られていまして、
選り好みさえしなければけっこう掘り出し物があったりします。

この『女王の娘』の裏表紙にあるあらすじを見てみると、ヨー
ロッパの歴史ミステリっぽい内容で、こりゃ面白そうだと買って
みて、作者を知らなかったものでネットで調べてみたら、なんと
ロマンス小説作家さんでした。

ということでロマンス小説なるものを初めて読むことに。
時代は十六世紀のイギリス。イングランドとスコットランドのふた
つの国に分かれていて、イングランドの国王にエリザベス女王が即位
したのですが、その経緯は複雑で、彼女のお父さんが再婚したいため
にカトリックから新しい宗派の「国教会」を作って、それで生まれた
のがエリザベス。しかし国内にはカトリック派の勢力も強く、暗殺だの
戦争だのが、頻繁に起こっていました。

物語は、そんなエリザベスの仇敵、スコットランド女王メアリの(隠し子)
として生まれたケイトが牧師の家に預けられ、そこでの暮らしからはじ
まります。

ケイトは「邪悪な性根を持った女の娘」と牧師から罵られ、時に折檻も
されるような酷い暮らしぶり。ある日、ケイトが大事にしていた老馬を
牧師が処分すると聞き、夜中に馬を連れて家出します。

一方、エリザベス女王の密偵が捕らえたスコットランドの小島の領主、
ロバート・マクダレンに女王が命じたのは、このケイトと1年間、結婚
させるというもの。

牧師の猛反対などがありつつもロバートはケイトを連れ出すことに。
しかし、いきなり現れた謎の男と結婚しろといわれてもケイトは戸惑い
ますが、どうやら牧師に虐待されるよりはましな生活ができそうという
ことで、彼の領地であるクレイドーに向かいます。

ところが、ケイトが女王メアリの隠し子であると、ロバートと敵対して
いるマルコムは、スコットランド王ジェームスに近づき、この娘を利用
しようとなにやら企んでいます。

はじめこそ愛のない契約結婚でしたが、しだいにふたりの間に愛情が
芽生えはじめます。ところがロバートの親友がマルコムの娘を連れ去って
しまい、人質としてケイトはマルコムのもとへ・・・

はじめは、ロマンスのシーンをフィーチャーしまくった話なんだろうな、
と思っていたのですが、風景人物の感情の描写がすばらしく、スリリング
な展開にぐいぐいと引き込まれます。

正直「ロマンス小説」を侮ってました。ごめんなさい、すごく面白かったです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする