晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

藤原伊織 『テロリストのパラソル』

2009-05-26 | 日本人作家 は
ハードボイルド、ミステリーにお誂えの人物として、寡黙、
後ろ暗い過去を持つ、フットワークが軽い等々挙げられま
すが、『テロリストのパラソル』の主人公、アル中でバーの
マスター島村はそういう意味においては人物設定として、
非常にマッチしています。

朝の新宿中央公園で、ウイスキーを飲んでいた島村は、突然
爆発音を耳にします。その爆発で死傷者が出て、その中には
かつてともに学生運動を闘った友人、その当時同棲していた
女性も含まれていました。
学生運動をしていた時に爆弾を作り、爆発させて死者を出した
ことのある島村と友人は現在も逃亡中であり、友人は海外に逃
亡、島村は国内を転々と逃げ回り、警察には当時の証拠品から
島村と友人の指紋を持っていて、今回の爆破事件で島村が飲ん
でいたウイスキーのビンから同じ指紋が出て、警察は島村を疑い、
一方島村は、爆発現場でちらりと見たサングラスの男が気になり、
調べようとしますが、夜に突然襲われ、何も見なかったことにしろ
と脅され・・・

学生運動、暴力団、ホームレス、ニューヨーク、俳句といった、
一見関連性の薄そうなこれらを繋げて、最終的には、ちょっと
無理やり感は否めませんでしたが、意外性のある人物が真
犯人として出てきまして、事件はなんとか解決。

島村の働いているバーでは、食べる物はホットドッグのみ。
物語のキーマンで暴力団の男がこれを食べて絶賛するのですが、
こういった辺りがハードボイルド小説好きにはウケ良さそう。

コメント
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