晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

宮部みゆき 『模倣犯』

2009-05-17 | 日本人作家 ま
なんでも、『模倣犯』の映画はけっこう不評だったそうで、
まああれだけの大作を2時間で編集すると、え、ここカット
したの?とか架空の登場人物を出したりとか、賛否両論
あるでしょうが(どちらかというと「否」のほうが多いかな)、
読書という極めてアナログ的作業ではありますが、実際には
まだまだそれを望んでいる人も大勢いるし、また、表現方法
においてもアナログを選択するのは、多少の困難を乗り越え
た先にある幸せというか快感みたいなものがDNAに刷りこま
れているからなんでしょうね。

あらすじを書こうとすると、登場人物が多すぎて、それぞれが
重要なファクターを握っているので、それこそ長編になってし
まいかねません(汗
とにかく、タイトルの『模倣犯』とは何なのか、何をさしている
のか。最終的に、ああそういうわけだったのねと合点がいき
ますが、最終的に推理小説でいうところの大団円つまり犯人
逮捕となるわけですが、ここでおしまいという方法はとらず、
これは作者の作品をたくさん読んで思うことなのですが、どん
なに絶望的なテーマに取り組んでも、最後には希望的観測で
締めくくる、つまり「それでも未来は明るい。そうでなくてはなら
ない」というメッセージ。

犯人側にも被害者的側面があって、ここに関しては、さらりと
書くにとどめたのは、他にもっと重要なテーマがあって、それを
強調させるためなのか、それとも犯人の動機の一端は別に重要
ではないのかがちょっと気になりました。

コメント
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