晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

ジョン・グリシャム 『大統領特赦』

2008-12-11 | 海外作家 カ
相変わらず、グリシャムの本は、読む人に「これ映画化したらいいのに」
と思わせてくれます。
じっさい数多くの作品が映画化されているのですが、まず展開がスピーディー
である、物語の中心的人物(主役)がカッコいい、そして、読み終わった後に
スッとする、ということ。
このような条件を満たしていても、じゃあ映画化しましょうといってその映像
作品を観たら、あれ、と肩すかしをくらうのもありますけどね。

内容は、かつてホワイトハウスのロビイストとして活躍していた辣腕弁護士が
ある重要な軍事機密情報を手に入れます。それを高値で売るために関係各方面
に交渉を持ち掛けるのですが、周りの人は次々と暗殺されてゆくのです。
恐れをなした弁護士は、ある罪を白状して、刑に服します。
歴史的大敗で再選できなかった大統領が、その任期の切れる数時間前になって
弁護士を特赦で刑期途中でありながら釈放します。
CIAの計らいで、弁護士は名前も素性も変えて、イタリアに移住することに
なるのですが、CIAは、彼が持っていた機密情報というものが何であるのか、
また、かつて彼の近辺の暗殺を実行した組織とはどこの国の何なのか、を知り
たいのです。

まあ、ざっとこんな感じですが、弁護士の潜伏していたのは、イタリアの
ボローニャという小都市。この街の描写は、読者をボローニャへと誘って
くれているようです。ハラハラドキドキのスリル溢れる展開もいいですが、
美しい情景描写をおざなりにしないのがいいですね。

この本を読んで良かったなあ、と思わせるのが、心に残る文章と、豆知識。
イタリアでは(全土ではないと思うけど)、カプチーノは午前十時を過ぎると
飲まないそうです。飲むのは観光客だけだそうな。
ご飯を食べ終わって、なんで牛乳を飲まなければならないのだ、というのが、
イタリア人たちの言い分。

コメント
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