やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

カインド・オヴ・ブルー/マイルス・ディビス

2006-12-16 | 書棚のジャズアルバムから

         


先日、FMで「So What」の出だしが流れてゐて、久しぶりに聴きたくなりました。

今さら、何も云ふこともない、名盤です。
マイルス・ディビスのディスクは、そう多くは持ち合はせてゐないのですが、
それでも1960年代の半ばまでは、どれも完成度の高い演奏ばかりです。

このころ、マイルスの1950年代末期の録音には、
”出来の悪いコルトレーン”が沢山セッションに参加してゐて、
師匠のマイルスに、「お前は、バカだ! ○○だ!」と云はれながら、
(それは、演奏技術に関しても、麻薬の常習に関してもー)
必死に乗り越へやうとする、歯を食ひしばったコルトレーンの音が聴けます。

確かに、このディスクでも、マイルスの水が流れるやうなミュートに対して、
まったく、無骨なまでのコルトレーンの音です。
キャノンボール・アダレイより、ゴツゴツとした演奏です。

以前、この頃のマイルスの映像をNHKで見たときに、
自分のソロが終り、コルトレーンのソロに代はった時に、
まるで興味がなさそうに煙草に火をつけてゐました。
(元々、マイルスは、さういふところがあったさうですがー)

この数年後には、コルトレーンは自らのバンドで破竹の演奏を展開してゆくわけですが、グループからのクビや再参加を繰り返しながら、それでも決してコルトレーンを棄てなかったマイルスの、許容度の大きさがすでに演奏にも現はれてゐるかのやうに、破綻のない緻密な演奏の連続のディスクです。


(写真は、ジャケット)



ちょっと早めに第9を…

2006-12-14 | 音楽を
    
      

年末は、何かと忙しくなるので、
ちょっと早めに第9のディスクを聴きました。

師走に第9を聴く習慣は持ち合はせてゐませんが、
(ずゐぶんと以前、NHKホールにてN響で聴きましたが、
 その、もわ~んとした音響が嫌で、二度とあのホールには行きませんがー)
先日、ブロムシュテットのベートーヴェンの7番を聴きなほしての、
続きのやうな第9、です。

ヘルベルト・ブロムシュテット指揮/シュタツカペレ・ドレスデンで、
ベートーヴェン録音の最後の録音。
1979年と1980年。一年間の隔たりがある。
どの楽章がさうなのか不明ですが、全体としての推進力に微妙な結果がでてゐるかー。

終楽章を意識したセッティングのせゐか、音がもやついた感じ。
それでも、7番同様、ティンパニがとてもよい。
9番では、かなり出番も多く、連打の部分も音が素晴しく生きてゐる。

ソリストでは、やはり、テオ・アダムの声がすばらしく、
深々と伸びる声で、見事に終楽章が始まる。
合唱団も、ラストに向かって声が抜けきってゆく。


さて、第9も聴いたことだし、
いろいろとあったこの年も、あと二週間余。
日々の時間を大切に過ごして行きたいものです。


冬の陽射しが…

2006-12-13 | やまがた抄

時をりお茶を飲みに伺ふ友人宅のリビングは、日当たりがとてもよくて、
友人も、花や植物の手入れが上手なので、いつも窓際は華やいでゐます。

先日伺った時も、
冬の陽射しが、花をゆっくりと射し、緑の葉を浮かばせてゐました。







小さな公園で…

2006-12-12 | やまがた抄

村山市の東沢公園。

夏には、バラで有名なこの公園も、
この時期、哀しいほどに少ないイルミネーションが雪の中に光ります。
でも、まあ、これはこれで一興です。

写真を撮ってゐると、
何故か、♪星に願ひを♪のメロディが浮かんできます。
以前幾度も行ったTDLに刷り込まれてゐるのでせう。

(ほとんど、ブレてゐました(汗))








     








日曜日は…

2006-12-11 | やまがた抄

友人から声がかかり、創作ミュージカルを見にゆきました。
友人の知人が出演してゐるとのことでした。








最初は、都会で暮らす若い女性の故郷への思ひと、恋の行方なのかな、と思ってゐたのですが、いつの間にか、”佐藤錦”のPRみたいな話になってしまって、
ストーリー展開は、ちょっと(いや、かなり)残念だったのですが、
ほとんど地元の人ばかりの出演だったさうですが、
声や歌もなかなか素晴しく、楽しいひと時を過ごしました。


ブロムシュテットのベートーヴェン

2006-12-09 | 音楽を
     
         

「のだめカンタービレ」の影響でもありませんが(いや、さうかな?)
ベートーヴェンの7番を聴きたくなりました。

ヘルベルト・ブロムシュテット指揮/シュターツカペレ・ドレスデンによる演奏を久しぶりに聴く。
1975年2月の録音。

50歳前のブロムシュテットが、この世界屈指の名門オーケストラに迎へ入れられてすぐに始まった交響曲全曲録音の第一弾の録音。
そのための緊張といふものが、演奏にひしひしと伝はってくる。
やや遅めのテンポを設定し、細部の造形を彫り上げやうとしてゐる。
その、指揮者の演奏といふよりも、
これは、明らかにシュターツカペレ・ドレスデンのベートーヴェン演奏です。

特に、聖ルカ教会でレコーディングされた、まったく、素晴しい音色。
弦も深みがあり、特に改めて思ったのが、ティンパニの音色の渋さ。
妙に乾いた音ではなく、しっとりとした皮の音色。
特に、後半の連打では、その音色が心地よい。

演奏自体も、きはめて正統なもので、安心していつまでも聴けます。
後半の演奏も、駆け抜けるやうなものではなく、
早足で踏みしめるやうなそれで、先走ってゐないところがよい。


あかり

2006-12-07 | やまがた抄


先日、メンテナンスで伺った個人医院の照明が、とても暖かさうでした。
(小生がプラン、施工させて頂いたもので、恐縮ですがー)
いつも、きちんと手入をされてをられるためでせう。

院長先生のお考へで、ホールから待合部分は、ほんのりとした明るさ、です。
外は、はや、雪催ひの低い空でしたが、
やはり、白熱の暖かさ、はよいものです。


      





      


クリスマス・ヴァージョンにしました (*'-'*)エヘヘ



再び、冬桜を…

2006-12-06 | やまがた抄

お客さんへの帰路、冬桜を見てきました。

長井市の、樹齢1000年の有名な桜の横、学校の敷地の縁に植ゑてあります。
あたりは、すでに幾度かの降雪があったやうで、
その雪にやられたのか、寒風に抗しきれないのか、
いかにもこころ細く咲いてゐました。












モーツァルトへ…2

2006-12-05 | 音楽を



モーツァルトが亡くなった日です。

1791年12月5日の午前1時頃といひますから、
時差的にも今日でよいのでせう。

本当でしたら、偲ぶ意味で、
彼が、最後まで「まう一度観たい!」と云ってゐたといふ『魔笛』あたりを聴くべきなのかもしれませんが、オペラを聴き通す時間もないし、マリア・ジョア・ピリシュのピアノを聴きました。


          

彼女は、若い頃に一度ピアノ・ソナタの全集を録音してゐますが、
(その録音の、水滴が跳ねるやうな演奏も好きですが)
これは、病で活動を中止したあとの、15年後の録音でした。
力がぬけて、でも、音と演奏に深みが加はって、好きなディスクです。

短調の8番からディスクは始まりますが、
その切羽詰った心情の、でも直前で踏みとどまったやうな緩やかな出だしがとても素敵です。
続く13番や15番の演奏も、澄んだ音色と、決して軽くはない、かろやかな演奏でモーツァルトが終始愛した楽器のために奏でてゐます。


モーツァルトへ…1

2006-12-04 | 音楽を




15年以上前、仕事も住まいも山形へ移し、
(別に、トラブルがあった訳でもないのにー)
まだ、誰ひとりとして知人も友人もゐない街で、
そして、カーテンすらない部屋で無性に聴きたくなった音は、
ブルノ・ヴァルターのモーツァルトでした。

コロンビア交響楽団との、40番と41番。
そして、ヴィーン・フィルを指揮した25番。
3月も下旬に近かったのですが、関東に生まれ落ちた小生にはまだうすら寒く、
そのヴァルターの、時代的な、でも、やはらかな演奏にひと時救はれました。

モーツァルトの音楽に、余計な解釈は不要だ、といつも思ってゐます。
演奏会であれ、ディスクであれ、CMであれ、流れた途端に
楽しければ、それでよし。
踊りたくなったら、それもよし。
笑ひたくなったら、
哭きたくなったら、
その音楽と共に、そのまま感情に身をまかすがいい。

時代が落とした、一介の、
きっと、小生意気な音楽家(コック長より席は下なのに)の音は、
何といふ幸せな巡り合はせなのだらう、
東の果ての雪国で暮らす小生の、
毛細血管の末端まで生き存へる力を与へ続けてくれてゐます。
そしてまた、
モーツァルトの音楽と共に、山形にきてこそめぐり会へた多くの方々に、
感謝をささげなければなりません。