やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

バッハのオーボエ協奏曲を…

2006-12-25 | 音楽を
       
            

Xmasの夜は、色々なクリスマスソングでもなく、
バッハの「クリスマス・オラトリオ」でもなく、
バッハのオーボエ協奏曲集を聴いてゐました。

ナクソスレーベルのディスクで、小生の愛聴の一枚です。
クリスティアン・ホンメルのオーボエ、
ヘルムート・ミュラー=ブリュール指揮/ケルン室内管弦楽団の演奏。
共に、メジャーな演奏家ではありませんが、そんなことはどうでもよく、
バッハのオーボエ協奏曲4曲と、BWV1060の協奏曲で、
至福の70分を提供してくれます。

たゆたふやうに、BWV1055のオーボエ・ダ・モーレ協奏曲がが始まります。
云はれてゐるやうに、そのほとんどのオリジナルはチェンバロ協奏曲ですが、
ホンメルのオーボエとオーボエ・ダ・モーレの清楚な音色が、
小生の棚にもあるリヒター、ピノック、レオンハルト等のテェンバロ協奏曲ではかもしだせない幸福な時間を創ってくれます。
(特にリヒターの演奏は、正座して聴くやうな厳しさがありますからー)

以前、同じディスクを画廊のある珈琲屋さんにプレゼントしたら、
「店の雰囲気がよくなった、とてもよいBGMだ」と喜ばれたことがありましたが、確かに、ささくれのない演奏です。


この年は、公私ともに色々なことがらが起こり、そして、続き、
正直なところ、いつになく疲労困憊の年の瀬になってゐます。

年末年始の集まりに誘っていただける友人・知人のお声も嬉しいのですが、
今は、
いつ果てるともしれない、朗々と歌ひ続けるオーボエやダ・モーレの音色が、
残された幾ばくかの年月に対して、
こころを決め、覚悟を決めなければならない時だ、と
そして、分散してしまったものを再びまとめる時だ、と
静かに水先案内をするやうに、少し荒れた気持ちに染みこんできます。