やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

モーツァルトへ…2

2006-12-05 | 音楽を



モーツァルトが亡くなった日です。

1791年12月5日の午前1時頃といひますから、
時差的にも今日でよいのでせう。

本当でしたら、偲ぶ意味で、
彼が、最後まで「まう一度観たい!」と云ってゐたといふ『魔笛』あたりを聴くべきなのかもしれませんが、オペラを聴き通す時間もないし、マリア・ジョア・ピリシュのピアノを聴きました。


          

彼女は、若い頃に一度ピアノ・ソナタの全集を録音してゐますが、
(その録音の、水滴が跳ねるやうな演奏も好きですが)
これは、病で活動を中止したあとの、15年後の録音でした。
力がぬけて、でも、音と演奏に深みが加はって、好きなディスクです。

短調の8番からディスクは始まりますが、
その切羽詰った心情の、でも直前で踏みとどまったやうな緩やかな出だしがとても素敵です。
続く13番や15番の演奏も、澄んだ音色と、決して軽くはない、かろやかな演奏でモーツァルトが終始愛した楽器のために奏でてゐます。