やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

「座頭市物語」、を見る

2006-07-24 | 映画雑感


GYAOにて、「座頭市物語」を見ました。
とても面白かった。
GYAOさんは、鋭い切込みをすると、感心しきり


遙かに昔、新宿や池袋の映画館に入り浸ってゐた頃、
時にかかってゐたこのシリーズもずゐ分と見た覚えがありますが、
意外に、この第一作目は見てゐなかった、やうなー。

1962年の作品だとのことでしたが、
ストーリー自体は特に驚くほどのものではなかったのですが、
時代映画の”面白さ”を堪能したあと味のよさ、でした。

仕事場に立ち寄った若い知人も偶然に見てゐて、
「最高に面白かった」との感想でしたので、中年オジサンのひとりよがりでもない、やうなー。



何が面白かった、といへば、
やはり、リアリティといふことなのでせうか。

誰も、江戸時代を生きてなほ、現在に至るひとはゐないのですが、
”創られた”時代再現であることを承知の上で、やはり、リアリティを求めてしまふ。

先日でしたか、N○Kのテレビで放送されてゐる、清水の次郎長の話を少しばかり見ましたが、
最初は何の、誰の話なのか、かいもく見当がつかず、中村○敏演ずる人が清水の次郎長だと
理解した時には、仰天してしまひました。

何故って、侠客といへど、いはばヤクザです。
その侠客としての、凄みもなければ、哀しさもない。
長髪がちょんまげになり、ジーパンが尻はしょりの姿になっただけでは、ただの着せ替へ人形です。

そして、最近の時代劇や映画は、その手の”つまらなさ”が目に余るほどです。


そんな昨今でみた、くだんの「座頭市物語」は、役者の格や演技も勿論ですが、
時代劇の姿を借りて”何かを語る”といふ、きはめて本質的なところを見せて呉れてゐたやうな気がします。勿論、この映画で「人生とはー、愛とはー」の大命題を出してゐるわけでもありませんが、
少なくとも、つまらない道を歩かなければならない人の姿は見せてくれてゐたやうに思ひます。