人間としては、結構、劇的な巣立ちの姿が見られるのかと思ってゐたのですが、
飛び立った燕たちは、きっと、早くも彼らの生活を確立したのでせう、
暫らくの間楽しませてくれた巣は、ただの乾燥した土と草の固まりとなってゐます。
雨露をしのぎ、えさを得る。
そんな単純な、けれど必死な毎日に組み込まれていったのでせう。
燕の生態をよくと知らないので、
このままなのか、秋の旅立ちのときに挨拶にくる、なんて話も聞いたことがありますが、いずれにしても、また来年の初夏、お互ひが元気で一年ぶりの挨拶が出来ればよいと、残された巣を見ながら彼らの無事を祈るばかりです。