rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

与党過半数割れは反グローバル化への流れか

2024-10-31 08:40:37 | 政治

石破総裁の自民は、前回2021年10月の衆議院選挙が自民党単独過半数であったものが、メディアの予想通りに自公連立でも過半数を下回る大敗となりました。メディアは自分達の力を示したいから「政治とカネ問題に鉄槌」的な原因論を提示しますが、庶民の肌感覚としては「相次ぐ値上げと相対的給与減(年金減)」が実生活に基づく政権評価だったと思います。

 

I.  立憲民主の支持は増えたのか?

今回の選挙では自民が247議席と単独過半数越えであったのが191議席と58議席減、一方で立憲民主党が98議席から50議席増の148議席、国民民主が7から21議席増の28議席、与党の公明が32議席から8議席減の24議席になったことが目立ちます。私の様なへそ曲がりは小選挙区と比例区で別の党を選びますが、比例区がその党を支持する基盤と考えると、毎日新聞がまとめた比例区の得票数比較では、自民党が500万票減は明らかですが、立憲民主は前回とほぼ同じ票数です。一方で国民民主は400万票明らかに伸びています。立民はしつこく「政治とカネ」を追求したのかも知れませんが、国民はそれに喝采を送った訳ではなく、自民と同じような政策を掲げて自民ではない穏当な国民民主に票が流れたと見るのが正しいのではないでしょうか。公明、維新、共産などの得票減は明らかに支持者減と見て良いでしょう。

 

II.  立候補者数からみたやる気度

今回の衆院選の総立候補者数は1,344名ですが、初めから政権を獲得する過半数に届く立候補者数を立てたのは自民、立民、共産の3党のみでした。共産党は特殊で実力に係わらず毎回各選挙区に候補を立ててくる点で、どこから金が出ているのかと思いますが、実力以上に候補を立てて来たのは維新(164)、参政党(95)、保守党(30)が目立ちます。比例区での得票数を見直すと立民1100万、維新510万で立民の半分、参政党180万、保守110万で維新の1/3程度となり、れいわは380万票得票していて共産を抜いています。国民民主は42人の候補者で28名当選ですからやる気度の割に棚ボタで当選したと言ってよいでしょう。立民は「国民が本気で支持した訳ではない事を肝に銘じて」国会対策をしないと次に大敗する事が確実です。

 

III.  西側諸国は与党過半数割れが趨勢

ドイツの州議会議員選挙とEU議会選挙の結果はショルツ首相の政策への明らかなノーが突きつけられた

2024年は多くの国で選挙が行われ、今までの結果を見ると、日本を含めて与党が過半数を取れなかった国が多いのが実情です。9月のドイツ州議会選挙では多くの州でショルツ首相が率いる中道左派、社会民主党(SPD)が右派ドイツのための選択肢(AfD)と接戦となり、野党保守派のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)にも支持率で負ける情勢となっています。6月のEU議会選挙はCDU/CSUが第一党で、AfDが第二党です。

7月に選挙があったフランスはルペン氏が率いる国民連合が88議席から143議席に急進、左派が連合を組んでやはり149議席から182議席に増えてマクロン率いる中道連合は250から168議席に減らしたものの中道連合は左派と組んだ事で政権を保持したという結果でした。結果マクロンの好き勝手がしにくいコアビタシオン(共存)状態となっています。

昨年2023年7月に行われたスペイン総選挙も与党であった社会労働党は122議席で右派の国民党136議席に敗れましたがどちらも過半数の176議席には届かない状況で他党との連立を余儀なくされました。

今年6月のインドの総選挙は、モディ首相率いるインド人民党(BJP)は過半数272議席に達せず、240議席であり、第二党の国民民主同盟(NDA)などと連立を組む結果になっています。他にもオーストリアなど与党が過半数に達しなかった諸国が多くなったのが2024年の世界情勢であり、コロナとそれ以降に取って来た政策(要はグレートリセット政策)に国民がノーを突きつけているのが現実です。

 

IV.  労働党大勝の英国はグローバリズムを牽引する結果に

 

英国は7月に総選挙でスターマー氏率いる労働党が下院650議席のうち400議席を超える大勝を収めました。これは保守党のコロナとそれ以降の国内外政策に国民が明確なノーを突きつけた結果ですが、結果として選ばれた労働党スターマー氏はダボス会議からもヤンググローバルリーダーに認定されている列記としたグローバリストです。彼が初めに首相として行った事は、米国を訪問してバイデン政権にウクライナへNATOが供与する長距離ミサイルをロシア領内に使用する許可を与えるよう説得することでした。幸いにも世界大戦への「火に油を注ぐ」軽率な行為に流石のバイデン氏も首を縦に振らなかった事が印象的でした。

所詮グローバリストの手先でしかないことが明白なスターマー首相

 

V.  米国は過半数割れの石破政権をコントロールしにくい

 

自民が単独過半数を制した岸田政権においては、米国は「ワクチンを打ち続けよ」「円の利上げは待て」「ロシアに経済制裁を続けよ」「防衛費増額」「ウクライナに資金援助しろ」といった命令を実行させやすい環境だったと言えるでしょう。内閣の閣議で決定したことがそのまま政策として実行される事態も多く見られました。今後は野党との「部分連合」といった形態をとる事は、元々自民党内に「反石破勢力」が多かった事に比べると石破氏得意の「謙虚に説得を続ける」事で真に日本国に有益な事は通りやすくなる可能性もあり、面倒な安倍チルドレンを一掃したことはむしろ「石破流」をやりやすくなった可能性もあります。今後連立がどのような展開になるか現在不明で、来年の参院選時に過半数を持つ野党側から内閣不信任案を突きつけられて再度総選挙の可能性もありますが、種々米国大統領選の結果がそれらに影響する事は間違いないと思います。私としては米国とは一線を画した石破流政策運営を見せて欲しい所です。

11/2の状況では立民の方が苦労していて石破総理の方が余裕の笑顔(思惑通り?)という報道が・・

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あからさまなmisinforming narrative (誤った物語を広める)

2024-10-25 15:55:52 | 社会

米国大統領選がある年の10月は選挙前に結果に影響しそうな大事件が起きる事を称してOctober surprise があると言われています。現在米国が関与する世界的な事象としてはイスラエルが周り中の国と戦争を始めていよいよ大国イランとの戦争が始まる気配があることと、ウクライナがロシアに敗戦に至る事が考えられます。

 

I.  米軍機密漏洩事件

日本では報じられていませんが、1週間ほど前にMiddle East Spectator紙にイスラエルが10月中旬にイランの長距離レーダーと防空システムを攻撃する予定であるという米軍の機密情報がリークされました。内容から本物の書類と考えられていて、No FORN(同盟国five eyes含めて漏洩禁止)とされる内容でした。核開発施設や製油施設への攻撃が予想されていましたが、漏洩によって奇襲性がなくなり、計画は頓挫しました。漏洩された目的はこの時期に中東の戦争が拡大することを防ぐ(ことが米国の国益になると考えた愛国者がいた)ためと考えられます。

 

II.  北朝鮮軍ウクライナ参戦

わざとらしいウクライナからのしつこい情報リークとシベリアで撮影されたロシアと北朝鮮の旗

やはり1週間ほど前から不明確なのにしつこく報道されているのが北朝鮮軍がロシア軍に参戦する、三千名とか1万名とかクルスクに向かうとか東部戦線とか、ほぼ推測でしかないヨタ記事がウクライナ情報筋(英国MI6とCIA)の情報として出てきます。韓国情報院(これもCIA)からもダメ押しの様に情報が出されているのでよほど大事件にしたいのだろうという意図を感じます。ダグラス・マクレガー退役大佐によると、北朝鮮とロシアは定期的に共同訓練をしており、発表される衛星写真や北朝鮮の国旗が立てられた写真などは共同訓練時のものである、と言います。ロシアが圧倒的有利に戦線を拡大、前進しており、ロシア軍の予備部隊も十分控えている現在、異国軍である北朝鮮軍をロシア軍に加える必要性は皆無です。シベリア方面のアジア出身者からなる部隊はロシアの軍服を着た北朝鮮軍と人種的に区別が付きません。Putinは記者会見で面白がってあえて否定しませんでしたが、CIAが何故偽情報を故意に広めようとしているのか、今の所不明です。北は詳細不明ながら臨戦態勢に入っていると言われますが、10月24日の在韓米軍のサイトには通常の訓練風景が発表されているのみで、退役大佐ダニエル・デービス氏のyou tubeにても在米韓国駐在武官に新たな動きはないと述べていて、米国Defconに相当する韓国WATCHCONの動きもなさそうです。しかし南北朝鮮に新たな軍事衝突を起こそうとしている画策があるなら迷惑な話です。

在韓米軍のサイトは通常の訓練が報じられている  NHKまでも誰に命令されたか「しつこく報道する意図」は何であろうか?

 

III.  カザン(10/23-24)のBRICS首脳会議の要旨

 

日本では軽くしか報じられませんが、ロシアのカザンで開催されたBRICS首脳会議は、世界が多極化に向かう事を確証させる重要な会議であり、G7首脳会議以上の意義を持つものです。特に13か国のパートナー国を追加、30か国が経済体制に関心があると言われており、BRICS内の実体経済の拡大、グローバル経済体制とは別の貿易プラットフォーム構築についての具体的枠組みが合意された事は非常に重要と考えます。以下に今回の会議の主要な決定事項を記します。

 

〇 BRICS諸国は中東における核不拡散体制と非核地帯の強化を求めた。

〇 すべての当事者によるイラン核合意の再開の必要性を強調した。

〇 開発途上国の世界経済への貢献を増やすことでブレトンウッズ機関の改革を求めた。

〇 BRICSは、加盟国間の複合輸送を確保するために単一の輸送プラットフォームの構築を検討。

〇 中東情勢の激化を懸念し、イスラエルによるイラン大使館への攻撃とレバノンのポケベルの破壊を非難。

〇 新開発銀行のインフラを活用した新たな投資プラットフォームの創設を検討。

〇 シリアの主権と領土保全の保護に対する無条件の尊重を主張した。

〇 将来的に他の農業部門も対象とする穀物取引所を設立するというロシア連邦の取り組みを支持する。

〇 1967年の国境内でのパレスチナ国家の国連での採択を支持した。

〇 新開発銀行を新興市場国向けの多国間開発銀行に転換することに合意。

 

IV.  今更コロナ病名の死亡者が増加していると煽る日本メディア

2024年10月から5種類の新型コロナワクチンを揃えて有料定期接種が始まりましたが、一部高齢者以外は積極的に受けようと言う国民はいません。高齢者からも「子供たちから受けない方が良いと言われた。」という声も良く聞きます。コロナワクチンが感染予防に訳立たないという実経験がこれだけ積みあがればいかにテレビを妄信している情報に疎い老人も「もういいか?」と思うようになるのは当然でしょう。そこで考えられたmisinformationが「コロナ死亡がインフルの15倍だ」というもの。

以前から指摘している様に「コロナ陽性」で隔離された状態で入院死亡した場合は死因が明らかに進行癌などの他の原因でなければ、例えば誤嚥性肺炎で亡くなっても死因は「新型コロナ肺炎」になります。コロナ肺炎で亡くなったとされる高齢者のCTなどで確実にコロナ肺炎の所見があるのは4-5名に一人程度です。他にも老衰に近い施設入所者がコロナ陽性になって死亡するとコロナ死として診断書に記載されます。死亡診断書に何を書くか医師が考える時間はせいぜい5分です。現在はコロナ死亡でも遺体搬送に特別な処置は不要であり、「働き方改革」などで夜間時間外死亡は研修医などが書類記載をすることが多く、役所などでの事務処理に問題がなければ死因は「不明」や「心不全」よりは直近で「コロナ陽性」があれば新型コロナ感染症と記すのは当たり前です。インフルエンザはコロナほど流行しなかったので高齢者も罹っていません。「5類移行後インフルの15倍死亡」の理由はこれですが統計には反映されない事情です。あえて強調するのはワクチンを打たせたいという思惑からでしょう。

 

追記 2024年10月26日

イスラエルがイラン、シリアなどにミサイル攻撃を開始

予想はされていたと思いますが、いよいよイスラエルはイラン本土に軍事攻撃を開始しました。目標の座標などは米国からの情報でしょうから米国にも通知済み(承諾した?)と思われます。大統領選前に開戦の既成事実を作ることがシオニスト・ネオコン側の思惑と考えますが、イラン首脳も出席したBRICS首脳会議終了直後に攻撃を始めたタイミングにもロシアがどう出るかを計る意図があるでしょう。

元CIA分析官のラリー・ジョンソン氏によると、攻撃はイラン領外の航空機から発射された巡航ミサイルによるもので、殆どロシアが供給した防空システムで破壊され、実際の被害は少ないだろうということです。いずれにしても戦火の拡大は世界に望ましくありません。政治能力皆無のハリスが大統領になることだけは避けたい。自民が過半数割れして野合の弱い日本政府などができることも避けたいです。

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Junkers Ju88A-4 Hasegawa 1/72

2024-10-21 18:19:18 | プラモデル

第二次大戦におけるドイツ空軍の代表的爆撃機ユンカースJu88を作りました。ドイツ空軍省は1935年の再軍備宣言後に爆弾1tを搭載して時速500kmで2,000kmの航続力を持つ高速爆撃機の試作を各メーカーに発注します。これに応じたのがBf162,ヘンシェルHs127、Ju85、88と言った機体でした。高速で、戦闘機が追随できないため武装は軽くて良いとされました。類似したコンセプトは英国のモスキート爆撃機、ソ連のペトリヤコフPe-2などに見られます。ドイツ空軍は爆撃機としての能力が最も高かったJu88を採用しますが、Ju87の急降下爆撃機としての電撃戦での活躍などから88にも急降下爆撃の機能を要求して重量が増加し、速度などのメリットをなくす結果になります。それでもJu88は各型総合して9,000機を製造する代表的爆撃機になります。その中でもA-4型は完成型に近く、1944年夏まで生産されました。重量8.5t、丸いエンジンナセルは一見空冷星形エンジンの様に見えますが、これは冷却器をエンジン前部に円形に配置した結果で、エンジンは伝統的な水冷倒立V型12気筒1,350馬力のJumo211エンジンを2機搭載していました。最大速度は473km、航続距離は2,730km、爆弾搭載量は最大2tに達し、魚雷2発を搭載する事も可能でした。武装は7.92mm機銃5問です。急降下爆撃のためのパイロットからの下方視界が良く確保されています。ドイツ軍の爆撃機全てに当てはまりますが、優れた性能ながら、戦略爆撃的な任務は困難であり、陸軍と協力した任務が主体で、戦争全体の趨勢を変えるまでの活躍をすることはできませんでした。

Junkers Ju88A-4実機  消炎排気カバーが装着されている。

モデルは安定のハセガワ製ですが、2006年製造でやや古めで、2007年に購入してから放置してあったものなので転写マークなどはかなり劣化していて苦労しました。第30爆撃航空団1941年ノルウェーで艦船攻撃に使用された機体を作りました。尾翼には多くの目立つ撃沈マークが書き加えられているのに国籍マークをあえて黒く汚して見えにくくしています。塗装は伝統的なダークグリーン(RLM71)とブラックグリーン(RLM70)、ライトブルー(RLM65)で、初めにダークグリーンをスプレーしてから図の様にマスキングテープとキッチンペーパーで覆ってブラックグリーンをスプレーしました。同じく大戦初期に活躍したハインケルHe111と並べてみました。ハインケルの流麗な円形翼とユンカースのやや無骨なデザインが対称的です。

500kg2発250kg2発の通常爆弾(Splitterbombe Cylindrisch)を搭載

直線的迷彩塗装はテープとキッチンペーパーが便利です。曲線には100円ショップの油粘土を使います。 He111との比較

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無条件降伏、無条件の支援≠主権の放棄?

2024-10-19 14:56:43 | 政治

1945年8月14日に日本政府は同年7月26日に公表されたポツダム宣言を受諾する決定を行い、同年9月2日に降伏文書に署名して太平洋戦争が終結しました。ポツダム宣言では、「日本軍」の無条件降伏が明記されてはいましたが、日本国民が無条件に連合国の全ての命令に従うことまでは書いてありません。しかし現実的にはポツダム宣言で明記された「日本に新秩序が確立され、戦争遂行能力が破砕された確証があるまで連合国(米国)が占領する。」とされた占領軍の命令は絶対であって、全国民が従うことになり、「無条件降伏とは国民がアメリカに無条件に従うこと」とほぼ同義に解釈されたまま現在に至ります。アメリカに盾突かず過ごす事で、一時はGDP世界2位の大国まで復活した成功体験から、日本には現在でも、特にエリート層には「アメリカに逆らわなければ良い目を見られる」と信じている人が沢山います。

 

I.  日本独立後の継続支配

1952年4月28日サンフランシスコ平和条約が発効して日本が独立すると、日米安全保障条約も同時に発効して米軍の日本駐留が継続されます。終戦以降、米国は日本の政財界、メディア、教育界に反米機運が生ずることの無いよう、情報部OSS後のCIAを配置してコントロールします。この日本社会のSocial engineeringは戦後70年以上経過した現在も続いています。1980年代の資料になりますが「秘密のファイル~CIAの対日工作」春名幹男著によると、CIA東京支局には100名を超える課員がいて、それぞれが5-6名の工作員を抱えていると言います。日本の国力が劣化した現在ここまでの勢力はないでしょうが、政界やメディアをコントロールする勢力は間違いなくいるでしょう。フジの報道番組で親グローバルぶりを発揮するP君やTBSのデーブ君などは有名ですが、東大名誉教授で戦争中に何故かウクライナに出張できるロバート・キャンベル氏なども局員ではなくエージェントの一人でしょう。ソ連崩壊前はKGBも朝日、読売、産経などの記者にコードネームを付けて買収工作を行っていた(ミトロヒン文書)とされ、東京にも30-40名のスパイを常駐させていました。中国に至っては、民間人とスパイの区別がつかないため、数は解らないといわれています。

政界への支配はほぼ完全に続いており、CIAは統一教会を通じて自民党代議士の秘書や後援会に浸透して議員の活動をコントロールしていたことは安倍氏暗殺事件でも明らかになりました。岸田総理は退任を決意してから公表する前にまず渡米して国務省経由で米国支配層に報告し、許可を得ています。副島隆彦氏によると米国は各議員に1億配るから後任は小泉進次郎にするよう手配した様ですが、余りに人望がなく、英国ロスチャイルド系は麻生副総理を通じて表面的に右派を演ずる松下政経塾出身で力のある人なら右左かまわず従う高市氏を推していましたが、最終的には独自の考えを持ち日本の国益を優先する米英的には扱いにくく望ましくない石破氏が総裁になりました。今衆院選で根拠なく「自民過半数割れか」とメディアは騒いでいますが、米工作員としては石破総理の下で自民党が圧勝してしまう事は都合が悪いから自民が負けると宣伝しているのです。

 

II.  米のイスラエルへの無条件の支援(Unconditional support)

米国が国益と無関係にイスラエルを支援する様はunconditional supportだと表現

イスラエルが現在どの様な一方的な暴虐、虐殺行為を行っても、米国は支援を続けると宣言しています。国際法に違反し続けるイスラエルを支援することは米国の国益に反する上、双方が望まないイランとの軍事衝突につながる畏れがある行為は、米国の中東におけるプレゼンスを失う事にもつながります。シカゴ大学のミアシャイマー教授は、共和党、民主党誰が政権をとってもイスラエルを制御できず、支援をつづけさせられる状態を「無条件の支援(Unconditional support)」と表現しました。日本の無条件降伏(Unconditional surrender)は誰も支配者に逆らえないという点で主権の放棄に近いものでしたが、本来は異なっていたはずです。主権国の国民が支援をコントロールできないUnconditional supportも主権の放棄に近い状態と言えます。何故世界最強の覇権を持つ米国が主権を放棄する状態になったのか、これを研究すればロシアや中国(日本も?)も戦わずして米国を征服することができると言えます。

以前から指摘している様に、州議会地方議会に至るまでイスラエルロビー(AIPAC)が各議員を取り込んでいる事が、米国政界がイスラエル・シオニストのコントロール下におかれている理由です。それは日本の政界が統一教会を通じてCIAに取り込まれていたのと同じ構図です。大半の米国民がイスラエルの虐殺を支援することは良くないと考えても、「シオニズムを批判することは反ユダヤ(人種差別)として取り締まりの対象になる」という法律を短期間に成立させて批判を封じ込めるほど強力なイスラエルによる米国社会支配が成立してしまっていることに唖然とします。

前ブログ911やケネディ暗殺もイスラエル・モサドが関与しているという説が有力視されていることを紹介しましたが、トランプ政権時にケネディ秘密文書の公開が期待されていたのに中途半端に終わった結果も実はイスラエルが絡んでいたからかも知れません。

 

III.  ハリス・ゼレンスキー(存在の耐えられない軽さ)

至上最多の得票数で大統領に当選したバイデン大統領とそのバイデン大統領のメンタル問題を始めに気づいたのはいつか?を聞かれるハリス氏

存在の耐えられない軽さとはチェコの社会主義時代を描いた恋愛小説ですが、民主党のカマラ・ハリス候補や、ウクライナの前大統領ゼレンスキー氏を見ていると、本来の置かれた立場の重さに比して、その軽薄さで良く存在している、と感心してしまいます。バイデン大統領は2020年の選挙で2008年のオバマ大統領の得票数6900万票を大きく上回る8100万票という米国史上最多の得票数で大統領に当選したことになっています。この絶大な支持で当選した大統領を強引に引きずりおろして自分が大統領になると宣言した重みは計り知れない物です。先日のFoxの番組に生出演したハリス候補は、司会者が「79%の国民が現在の米国政治が誤った方向に向かっていると考えているが現政権担当者としてどう思うか?」の問いに「トランプが立候補しているのです。」と答えています。(日本語訳があるので是非見てください)「バイデンが米大統領としての任に堪えられないメンタル問題があると気付いたのはいつですか?」の問いに「ジョー・バイデンは候補者ではありません。」と言う答え。

勝利計画を自信満々に発表するゼレンスキー氏とさえない表情で呆れて聞く閣僚たち

10月16日ゼレンスキー氏はウクライナ議会で、ロシアとの戦争を終結させる「勝利計画」を公表したのですが、5項目全てが既に欧米やNATOから拒否されているものばかりで閣僚たちも呆れて物が言えない状態だった様です。

  1. ウクライナを直ちにNATOに招待する。
  2. 防衛、自国の生産量を増やし、西側諸国からの援助を増やす必要。
  3. ウクライナは、ロシアからのあらゆる軍事的脅威からウクライナを守るのに十分で包括的な非核戦略抑止パッケージを自国領土に配備する。
  4. 経済「平和は経済力の強化とロシアへの圧力、特に石油価格と輸出の制限。
  5. 人材「戦争が終われば、我々は最も経験豊富な軍隊の一つを擁することになる。軍事経験、国際兵器の経験を持つ人材だ。これはヨーロッパの安全を保証するものだ。これは我々の英雄たちにとって価値ある任務だ」。

「勝利計画は、クレムリンの狂人が戦争を続ける能力を失うことを保証するものだ。ロシアはウクライナに対する支配力を永久に失わなければならない」

題目を並べる事は戦略ではありません。毎日多くのウクライナの若者、国民が戦場で命を失っている時に事態の重大さを全くわきまえない「軽さ」だけで勝負する人達が舞台の中央にいることが現在の世界情勢の異常さと言えるでしょう。

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イスラエルの重症新型コロナ的対応とイランの飽和攻撃

2024-10-13 13:59:55 | 社会

良く参考にするアンズ・レビューというサイトのロン・アンズ編集長が、2024年の10月7日の論考でイスラエルのハマスによる2023年10月7日のアル・アクサ攻撃は、攻撃された主体が過剰すぎる反応を起こして自滅しそうになっているという点で、重症新型コロナ感染症に類似していると指摘しました。新型コロナ感染症が重症化するメカニズムはウイルスが増殖した肺実質への自己の免疫過剰反応によるサイトカインストームで肺組織が破壊され、呼吸不全に陥ることであることは以前のブログでも度々説明してきました。

コロナ肺炎の重症化とは自己を護ろうとする免疫の過剰反応(サイトカインストーム)が原因

10月7日に約1,200人のイスラエル人がハマスの攻撃で亡くなったとされますが、実際には襲撃したハマスに殺されたイスラエル民間人は少なく、慌てて飛び立ったイスラエル国防軍のアパッチヘリコプターに、「動く物全てを攻撃せよ、一人も生きてガザに返すな」という命令が下されていた結果であることはその後の取材で明確になっています。イスラエル政府が、自国民の犠牲を厭わない(ハンニバル指令)対応をせず、ガザに連行された200人余りの人質の釈放とイスラエルがテロリストとして裁判もせず捕えたままでいるガザ・ヨルダン川西岸地区のアラブ系住民数千人のうち、証拠不十分な者全ての釈放を渋々でも受け入れていれば、イスラエルの国家としての被害はこれほど悲惨なものにはならなかった事は間違いありません。

イスラエルの自滅的行動はアラブ世界の絆を強める結果になっている

アンズ氏が指摘する様に、当時のイスラエルはサウジアラビアとの国交正常化を控えており(逆転した現在、10月2日イラン大統領はサウジ外相と会談し関係改善した)、世界におけるITや先端産業をリードする国でもあり、トランプ氏が大統領になれば一層米国におけるイスラエルの地位が揺るぎないものになっていたはずでした。しかし事件から1年経過した現在、イスラエルは無抵抗のガザの市民4万人を虐殺した言語を絶する戦争犯罪国家であり、戦争の目的であったハマス撃退は達成しておらず、人質も交渉で帰還された人以外ほとんど戻っていません。イスラエルから国外脱出した住民は既に数十万人とも言われ、経済は停滞、既に米国以外で見方になる国はなく、米国内でもネオコン・シオニストの有力者以外は反イスラエルです。おまけに現在レバノンへの侵攻、ヒズボラへの攻撃を開始し、イランとも全面戦争に向かおうとしています。イスラエルはアメリカからの軍事支援でやっと戦争を継続している、病態で言えば重症化した肺炎のために集中治療室でECMOにつながれてやっと呼吸と循環が維持されている状態であるのに、更なる免疫反応で宿主破壊を進めようとしている状態と言えます。

 

イランが今までに行った限定的攻撃の軍事的意味

 

イランはシリアのダマスカスにあるイラン大使館がイスラエルにより攻撃した報復に2024年4月13日、ヒズボラに対する軍事攻撃への報復として同10月1日にミサイル攻撃を行いました。これらの攻撃の軍事的意味合いについて、つまりイランとイスラエルが本格的衝突に至った場合にどうつながるか日本で解説したメディアがないので以下に示したいと思います。

 

イスラエルの重層防空体制

1985年以降イスラエルは米国と共同で狭いイスラエル国土(約2万平方キロ)をハリネズミの様に護る防衛システムの開発に着手し、現在図の様な重層的ミサイル防空システムが完成しています。上図の如く、低層のアイアンドーム(最近はレーザー兵器も使用)、ダビデの投石と言われる中層ミサイル、日本にもあるパトリオット、その高層はアロー2,大気圏外を対象としたアロー3も実用化されています。これらは軍艦の防空システムの様な長距離から近距離へ重層的な防護を統一した指揮系統で可能にしたシステム統合的な内容です。この一見水も漏らさぬ完璧な防護態勢の唯一の弱点は一度に対応できる標的の数が限られている、つまり飽和点がある事です。逆に飽和点が解れば金がかかった割には極めて脆弱なシステムと言えます。

 

イランのミサイル飽和攻撃

イランは4月13日の夕方、イスラエルに対して神風ドローン170機、巡航ミサイル30発以上、弾道ミサイル120発以上の集中攻撃を開始し、攻撃は5時間続きました。イスラエルはそれらの99%は多層防空システムと同盟国の迎撃で撃墜したと発表しましたが、弾道ミサイル10発程度は目標に到達したことが確認されています。イランは安価で速度が遅いドローンと中等度の速度で到達する巡航ミサイル、そして超音速で飛翔する弾道ミサイルを同時期にイスラエルに到達する様に時間差で発射しました。ドローンと巡航ミサイルは低空から数千メートルの高度を飛翔し、弾道ミサイルは一度大気圏ギリギリか外まで上昇してから目標に到達するので、イスラエル側の統合的レーダーシステムがどこまで対応できるか試した内容でもあります。弾道ミサイルが目標に到達したという事は、ここに防空システムの飽和点(弾道ミサイル100発)があるとイランは確信しました。

イランによる10月1日の約180発ミサイル攻撃は、防空システムの飽和点が既に解っていたため、それに対応する形で行われました。前回程度の数の自爆ドローンや巡航ミサイルは迎撃可能と解ったため使用せず、今回は弾道ミサイルのみで行われました。イランは、精度があまり高くなくコストも安い、低レベルの旧式ミサイルを大量に空域に発射して飽和させ、その飽和した「雲」に乗って目標に到達する、誘導能力に優れた、より先進的な極超音速ミサイルを少数発射する方式を採用しました。しかも多弾頭化やロシアのミサイルにも付いているデコイを発射して目標を複数化するなど、飽和に早期に達する方法を使用したと思われ、目標の3-4か所の空軍基地とモサドの司令部などの各目標に30発以上の命中(到達)があったと見られます。イスラエルは1か所を除いて目標とされる基地の衛星写真を撮らせないようにしていますが、目に見える結果は、広いフィールドにランダムに命中した多数のミサイルと、数発の格納庫などへの正確な命中弾が含まれます。180発のうち、多弾頭化やデコイで300発位に目標数が増やされると、飽和数の100発は撃ち落とされてもミサイルとして有効な150発位が目標に達したと考えられ、計算が合います。正確なミサイルとは主兵器 (エマドやファッタ 2 など) によるものと考えられました。これは同様の方法でその気になればイランは主要なイスラエル内の目標を正確に攻撃できるというメッセージに他なりません。

ネバティム空軍基地に多数着弾したミサイル跡(他にも重要目標の格納庫に着弾)

 

瀕死のイスラエルは健康体のイランと全面戦争をするか?

10月9日ネタニヤフはバイデン大統領と電話で会談し、イラン石油精製施設と核施設への攻撃の許可を求めたと言われます。しかしバイデン大統領は拒否したと伝えられています。トランプ前大統領は、イランの核施設攻撃(石油ではなく)には賛成しており、本音では米国が関与しない形でイランの核施設が破壊されれば良いと考えているでしょう。表面的にイスラエルに反対しているカマラ・ハリスが大統領になった場合、イスラエル得意の偽旗作戦(1946年のアラブ人に扮したシオニストによるエルサレムキングデビッドホテル爆破とか1954年アラブ団体によるテロをみせかけたイスラエルによるラボン事件、1967年USSリバティ号へのイスラエルによる攻撃イスラエルの核保有を妨害したケネディ暗殺(疑惑)やイラク侵攻を決定づけた911もモサドの関与が疑われている)で、イランを悪者にした米国内のテロ事件(大統領暗殺とか)を起こして、瞬間湯沸かし器の米国人を直接イランへの戦争に駆り立てる計画を考えているでしょう。陰謀好きでイスラエル人でもある駐日米大使ラーム・エマニュエル氏がハリス氏の補佐役に就くために帰国する位ですから。

私は表面的にイスラエル支援のトランプが大統領になって、イスラエルはイランと戦争させて見殺しにし、歴史の舞台から消えてもらうのが世界のためだろうと思っています。

(補足)

モサドが関与したかもという911の直後、アルカイダの犯人たちの母国サウジアラビアでなく、関係ないイラクへの侵攻が決定された理由について、エクソンモービルのイラク担当責任者からペンタゴンに移籍し、イラクに6年以上駐在したゲイリー・フォーグラー氏の著作「イラク石油戦争の勝者イスラエル」が話題になっています。2003年から2011年の間に、4,489人が戦死し、32,223人が負傷し、2兆ドル以上が米国によりイラクに投下されたにもかかわらず、米国は2024年現在何の利益も得ていない。米国のイラク侵攻はイスラエルの石油確保がその目的であったと解説しています。米国政治がイスラエルによりコントロールされている実態が現在の矛盾に満ちた米国政府の対応から次々に明らかになってきています。

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裏金批判で政権交代目指す野党、「政治とカネ」が争点?

2024-10-10 13:48:53 | 政治

2024年10月9日、石破首相は記者会見で今回の衆院解散を「日本創生解散」と命名、「地方創生の再起動、大改革を思い切って実行する」と強調しました。それに対して野党はこの半年、国民の生活と直結しない裏金問題の追及をこれからも行う事を争点にして「政権交代」まで目指すとか。呆れて物が言えません。円安にともなう物価上昇が街頭インタビューでも国民の関心事であることは明らかなのですから、具体的な目標「1ドル120円を目指す」とか「物価上昇を1%以内にして賃金上昇を2%以上にする。」と言った解りやすい目標を掲げた上でその具体的な実現方法を演説で示す位の気合がなければ国民は振り向いてもくれないでしょう。地方創生の具体的政策は石破本を読んでみようと思いますが、円安解消などについては必死で勉強して政策立案をしないと解決策は出てこない難物です。しかし野党はこれをやらねば存在意義がありません。

野党は国民生活と関係ない問題では選挙に勝てない位の知能は持て!

 

I.  円安の原因は「新時代の貿易赤字」(弱い円の正体 唐鎌大輔 著)

 

燃料や穀物などの輸入品が値上がりして、日本の物価は上昇を続けています。年度単位では日本の貿易経常収支は2023年+21兆3810億円の黒字であり、前年の2022年における世界黒字国比較ではスイスを抜いて9位(845億ドル)で、一位の中国4019億ドル、2位ロシア2380億ドルには遠く及ばないものの、決して大幅な円安局面に落ちる必要性はない様に見えます。購買力平価(purchasing power parity)からみたドル/円相場は、特に消費者物価ベースで2023年は30%以上円安に振れていて、実際の円相場は120円台で良いはずです。みずほ銀行勤務で経済関係の著作が豊富な唐鎌大輔氏の近著「弱い円の正体・仮面の黒字国 日本」(2024年7月刊 日経BP)は、分かりやすく国際通貨の強弱を解説した良書でお勧めです。この本によると円安の原因は日常生活に深く浸透したIT関係の莫大なサービス収支赤字が原因であり、経常収支の黒字は過去に行った投資の「あがり」である一次所得収支の大きな黒字が反映した結果に過ぎず、一次所得の黒字は毎年円に買い戻される事がなく、ドル円取引に影響されないから莫大なサービス赤字を支払うためにドルが買われて円安になっていると説明されます。

日本の経常収支推移、    購買力平価(PPP)とドル円相場の乖離(1973年起点)この2-3年(赤まる)の日本の相対的物価安感が良く分かる(弱い円の正体から引用)

日常生活におけるIT決済を始めとする全てのやり取りのコンピューター化で、それらのソフトウエアはほぼ外国製であり、ドル建て使用料を必要とします。企業もグローバル化、集約化して本社が外国にあり、日本における取引の多くがライセンス料などで外国へドル建て送金されます。GDPの10%を占める医療介護製品も、労賃以外はメガファーマなどの高額薬剤・商品を使用していて多くはドル建て輸入に頼っています。これらサービス収支の変遷は、2014年円が1ドル100-120円で推移していた時代に3兆円の赤字であったものが、2023年には7兆円に倍増しています。2023年は外国人の旅行が増加してインバウンド景気が期待されましたが、それを大きく上回る赤字増大です。日本は対外的な特許など知的財産権の使用量増加が僅かであるのに、外国に払う使用量は増加し続けています。日本の企業が円安のためにドル建てで売り上げを伸ばした黒字は、円に換える事無くドルのまま海外で貯蓄されます。貿易収支で円を買う必要性(キャッシュフロー)が増えなければ、円が安くなるのは当然と言えます。

サービス収支から旅行などの収支を抜いた「その他のサービス収支」推移 「弱い円の正体」から引用

 

II.  円キャリートレードの影響より大切なもの

 

借りるほど、返す金は少なくて済むマイナス金利の円で、金利の高いFRBからドルを買う事で円が益々安くなる状態が続き、FRBが金利を引き下げ、日銀が金利を上げた事で一機に円高に振れた事がありました。しかし上記の様に金利差のみが円安の原因ではないので、影響は一時的なものでした。政策金利が国内の設備投資やインフレに影響し、景気を変化させる一つの因子になることは確かです。しかし大きな産業構造の基本設計、ITを生かして人口の少ない地方を活性化するとか、食料自給率を50%に引き上げる農業政策を推進するとか、実益に偏らない基礎研究を行う教育研究機関に国家規模で資金を出すといった10年先を見据えた政策こそが、現在膨らみ続けている新時代の赤字、サービス収支の黒字化につながるものと思います。また現在のグローバリズム一辺倒の政策は結局日本人の労働成果を外資に吸収され続ける結果を産むものであり、BRICS諸国がグローバリズム経済から独立した経済圏を作り、多極化を進めている中で、日本がどちらともうまく付き合う「良い所取り」をしてゆくしたたかさを身に着ける必要があります。日本国のユーラシア大陸の東端という地勢は西端の英国が欧州と米国を手玉に取る様に、中ロと米国両方とうまく付き合う必要性があり、その機会(チャンス)を生かす事が日本を今までの二千年と同様、今後千年自立した文化と繁栄を持つ独立国であり続ける原動力になると確信します。

貿易収支が2013年以降顕著に赤字に転じてから円の価値が下がっている。(弱い円の正体から引用)

上図の様に経常収支は黒字を続けても、モノの移動、サービスの移動では日本は赤字続きであり、日本の国力自体が衰えてきている事が明白です。80年代に日本が米国経済を席捲した時から、米国は日本の官僚、政治家に年次要望書を突きつけ、規制を排して米国を中心とするグローバル経済に飲み込まれる様策謀。日本は先進国だと思い込んで油断している間に、20年かけて日本の国力は着実に低下してきました。グローバル化から多極化への大きな波を利用して日本の国力を復活させる野望を今の30-40歳台の若者が持たなければ日本の将来はありません。米中ロが戦争経済に現(うつつ)を抜かす現在が実は日本のチャンスなのです。一緒に戦争に加わるとか、米英の鉄砲玉になって中朝と戦争するなど阿呆の極致、今こそ真の賢さを日本は持たなければいけません。

野党はこれくらいの大きな視野で政権奪取に挑まなければ、石破氏の地方創生案に対抗する事は不可能だと思います。

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トランプ氏、大統領退任後もプーチン氏と親密米名物記者が近く新著で暴露

2024-10-09 15:46:25 | 社会

この記事は「米ロの首脳が親密であるのは怪しからん!」がデフォルトの正義であり日本人全てが同意する既成概念として書かれているようだ。

gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/sankei-_world_america_6K64HKJ2IZL2FCUTS4PPXK7NZA

人類を20回以上絶滅させる核兵器を持つ超大国の首脳が対立し、代理戦争を続ける状態である事を寿ぐ阿呆、無知性に世界はいつからなったのであろうか?

ウクライナやガザの惨状は他人事であり、西側の先進国は返済する予定のない国債から戦争している国に金をくれてやる事で、自分達が悲惨な目に遭う事などない!とタカを括っているようだ。

1980年代までは、世界が核戦争に見舞われれば、全ての文明、文化的生活が終わりを告げて、まずは激しい飢饉と水不足を生き残りをかけて生存競争をせねばならず、家族や友人の多くを失った上で、生き残った人間達で戦後復興の様な焼野原からの1からの生活立て直しを始めなければならないと覚悟していた。「米ロ首脳の親密さは怪しからん」と言っている人達にその覚悟があるとはとても思えない。

    祝!ノーベル平和賞受賞(2024年10月12日追記)

欧州の市民達が核戦争の脅威を本気で感じている証でしょう。日本人が身をもって核爆弾の悲惨さを示してきた事が評価されたものと思います。

米ロの首脳は親密である必要があるのです。

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NHK BS世界のドキュメンタリー 「アメリカ揺れるユダヤ系新世代」感想

2024-10-03 09:26:38 | その他

米国では政治家達がAIPAC(米イスラエル公共問題委員会)から買収されて悪逆非道イスラエルを支持し続けるとする一方で、真にイスラエルの未来を考えるユダヤ系市民や若者が、イスラエル政府が行う戦争への批難を強めています。それは今年5月に渡米した際にも実際にハーバード大学等でイスラエルを批判する学生達の活動を確かめ確認できました。一方で同じハーバード構内では頭にユダヤ教のシンボルであるキッパーを被った学生が「親イスラエル」の集会を開いている様も見かけました。

2024年5月ハーバード大学構内でピケを張る反イスラエルの学生達  抗議が行われているキャンパスに入るには学生証の提示が求められる(rakitarou撮影)。

 

NHK BS世界のドキュメンタリー 「アメリカ揺れるユダヤ系新世代」

このドキュメンタリーは2023年に10月7日より前に制作され、批評家から絶賛された長編ドキュメンタリー映画『イスラエル主義』を基にしています。世界中の若いユダヤ人にイスラエルへの無料旅行を手配するバースライト・イスラエル財団が主催したエルサレムでの歌と踊りの メガイベントから始まり、米国の親イスラエル・プロパガンダ機構と、一部の若いユダヤ系アメリカ人がそこから得ている道を探ります。中心人物は、ロサンゼルスで育ち、ユダヤ人学校に通い、交換留学プログラムでイスラエルに住んだシモーヌ・ジマーマンと、高校卒業後にイスラエル軍に入隊した同じアメリカ人のエイタンです。

ドキュメンタリーはこれらユダヤ系の若者達が実際にイスラエルやパレスチナを訪れて今まで米国内でユダヤ人として教育されてきた内容と現実の違いをいかに認識し、「真のイスラエル国の平和と安定に必要な事」に目覚めるかを扱った内容で見ごたえがありました。

 

偏向教育のもたらす分断と誤解

紹介される米国生まれのユダヤの若者は小中高とユダヤ人の学校に通います。全米で350校あるとされるユダヤ人学校では12歳までにモーゼ5書は暗記し、中高は全寮制の教育環境が整った環境で高度な教育を受けます。その中でイスラエルがいかにユダヤ人の繁栄に欠かせない場所かを教えられて、実際に現地教育なども受け、中には大学に行かずにイスラエル軍に志願する若者もいます。現在2万人以上の米国籍の若者がイスラエル国防軍(IDF)に所属し、ガザ侵攻に参加していると言われ、米国議員では二重国籍でIDFを除隊した人もいます。在日米大使で10月には帰国し、カマラ・ハリスの指導者となる予定のラーム・イマニュエル氏は米・イスラエル二重国籍でイスラエルの国益のためにも活動している事は有名です。

このユダヤ学校で教えられる教育が、広い視野で公平なものであれば問題ないのですが、ドキュメンタリーで紹介される若者は、それがシオニズムに基づいた一方的な正義の教育であり、アラブやパレスチナの問題を相手の視点から考えさせる内容は一切なかったと顧みます。

イスラエル軍の制服を着て議会に出る米議員    AIPACに同調しないと選挙で落選させられる現実

 

ユダヤ教の教えよりも教育洗脳

大学に進学したユダヤ人女性は、ヒレルというユダヤ系大学内組織でイスラエルを擁護する活動をして過ごしますが、同じ大学で学ぶパレスチナ人達の問いかけに答えられず、自らパレスチナを訪れて答えを見つけます。18歳でIDFに入隊した男性は、ユダヤ人入植地で正当な理由なくパレスチナ人をIDF兵士が虐待する場に居合わせ、自分もそれに加担した事に罪の意識を覚え、除隊後勇気を持って声を挙げます。米国内で反イスラエル・反シオニズムを訴えるユダヤ人達は若者が多く、それはホロコーストのトラウマに囚われ続けて排他的なイスラエルの存立を目指す「シオニズム思想」に疑問を持つことから始まると説明されます。それは神話からなる宗教物語よりもホロコースト・トラウマからの解放、洗脳的思い込みからの解放だと解釈されます。

 

イスラエルの未来は米国系ユダヤ人の若者に託されるか?

現在のイスラエル国内にも停戦と平和を訴える人達が多くいますが、日々周辺アラブ諸国からの攻撃にさらされている状況で、政府は戦争拡大に走っており、状況を変える事は困難であるように見えます。イスラエルの現状を我が事として俯瞰して見ることができる米国やイスラエル国外にいるユダヤ人の若者こそが、将来の望ましいユダヤ国家を創造する源になってゆく可能性があるように思います。米・イスラエル・パレスチナ共同制作のこのドキュメンタリーの主題もそこにあったように見えました。

シオニズムに疑問を持つユダヤ系若者が増加している

 

挑発を続けるイスラエル・自制を続けるイラン

10月1日イランのイスラエル国内へのミサイル攻撃     中東に配備されている米海軍の布陣

2024年10月1日イランはイスラエルに180発の極超音速ミサイルを発射し、イスラエルの防衛網を圧倒しました。この「真の約束2」と名付けられた作戦は、発射の約1時間前に米国に空軍施設が標的になることを通告され、イスラエルはF35戦闘機や空中給油機などの高額兵器を緊急発進して退避させる余裕を与えられた様です。また住宅地などの民間施設も目標とされず、レバノン民間人を巻き込んだポケベル爆弾テロ攻撃、ヒズボラの指導者ナスララの殺害やレバノン南部へのIDF侵攻への対応として「いい加減やめなさい!」と言わんばかりのかなり慈悲深い内容であったと思われます。イスラエルは盛んにイランを「テロ国家」と宣伝していますが、いくらメディアを支配して偏向報道をしかけても現実との乖離が大きすぎて却って滑稽に映ってしまいます。

金で世の中を支配していれば、いかなる「悪」も許される、とするのが現在の米国ユダヤ富裕層がシオニズムを支持し、米国政界を資金豊富なAIPACを通じて操る構図です。しかしアンパンマンや水戸黄門を始め、世界中の童話や寓話は「金で正義を変える事はできない」という「現実社会はその傾向があるがそれは誤りであり、ヒトの心を変えることまではできない」事を繰り返し語ってきました。現在のユダヤ富裕層は「金で正義は買える」が信条であり、それを世界に押し付け通すつもりですが、現在の金満の基になっている「グローバリズム経済が行き詰まっている現実」があるからこそ狂った様に慌ててシオニズムの正義を通そうとしているのだと思われます。

 

中東情勢はアラブ人特有のエトスで理解しがたい

イスラエルとエジプトを旅行した経験から、イスラエル人は西洋人的な思考が理解できればその行動や論理は理解できますが(賛同するかどうかは別)、アラブ人は独特の思考があって理解しがたいと感ずることが多いと思いました。勿論ヒトとして基本的な感情や理屈は同じなのですが、アラブ人同士全く一枚岩ではないし、損得の感覚も異なる。親イスラエルの人もいる。殉教や報復の概念も西洋社会とは少し異なる様で、戦争の勝ち負けの感覚も異なる。多分これは自然が厳しい砂漠での部族社会同士の長い抗争を生き抜いてきた文化によるものだと思われ、文化圏外の我々が安易に介入すべき問題ではない様に感じます。日本人に理解しがたいものは、単純なアメリカ人には猶更理解しがたいと思われ、アメリカの中東政策がアラブに翻弄されるだけでうまく行かない理由でしょう。イスラエル建国は米英権力層が西欧の理屈が通る暴力装置として中東に根付かせる目的があったのでしょうが、アラブの原油の重さが低下してきた現在、イスラエル共々店じまいの時期に来ているのかも知れません。

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