rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

ワクチン接種率と超過死亡の統計学的検討

2023-04-17 13:28:03 | 医療

前回各国のワクチン接種と、コロナ感染症、超過死亡との関連について検討した際、1)コロナワクチン接種によって新型コロナ感染症の流行に伴う死亡者数が却って増強された事、2)国民のワクチン接種率で増強の程度が変わる事、を論考しました。

ワクチン接種と超過死亡の関係で推察されること  各国の超過死亡の累積を示す図

 

前回図示した様に世界全体、どの国でも超過死亡が増えている事は統計的にも明らかなのですが、増加には波があり、コロナ陽性の死亡(コロナ感染症が悪化して死亡とは限らない)者数増加と超過死亡の増加が連動している事はワクチン接種率に関わらず起きている事は確かです。しかしコロナ陽性による死亡者数よりも全ての原因による死亡者数の方が圧倒的に多数であり、超過死亡自体はコロナ感染症流行の波が収まった後も継続する傾向がある事も示しました。しかしワクチン接種者数、コロナ陽性の死亡者数、超過死亡の増減の図のみでは、統計的にワクチン接種率と超過死亡の多さが関係しているか否かを証明することはできませんでした。今回Unz Reviewの記事に私が参照しているデータと同じOur World in dataを用いてワクチン接種率と超過死亡の相関関係を統計的に検証した記事があったので抜粋して載せます。

 

著者(Eugene Kusmiak氏)は、正確にワクチン接種と死亡者が把握できる58か国を対象としています。地域毎に国名の色を変えて、人口一人当たりのワクチン接種回数を横軸に、2022年の超過死亡率(%)を縦軸にプロットし、相関係数を求めて回帰直線を青線で表した図を下に示します。

日本は韓国と同じ位の横軸で丁度線に乗ったあたり(他国で隠れている)

 

結果は回帰直線(Simple regression)で示すと

2022年の超過死亡率=2.43x(2021年の一人当たりワクチン接種回数)+5.38

となります。相関係数は0.4で、ぎりぎりながら±0.4から±0.7まではかなり相関があるに相当します。(0.7-0.9は高い相関、0.9-1.0極めて高い相関、0.2-0.4は低い相関)この際統計の有意差を示すp値は0.051で5%を有意限界とするとギリギリアウトです。

(統計的な検証は原文をあたって下さい。統計検証は私もいつも論文提出時に苦労する所で統計の教科書を読んでも意味を理解するのが大変です)

著者は、各国の人口には大小があるので、超過死亡数にも人口に比して重みづけをした方がより正確になると考えて、人口の平方根で重みづけをして計算しなおすと以下の様になり、

回帰直線は

2022年の超過死亡率=3.30x(2021年の一人当たりワクチン接種回数)+4.02

で相関係数は0.47にやや上昇し、p値は0.00877と1%を有意限界としても明らかに有意差があると検証できます。

この式が意味する所は、ワクチンを接種しなくても超過死亡が4%増加し(2%前後の増減は普通でも起こると言われる。)、ワクチンを1回全ての国民に接種すると4%に加えて3.3%超過死亡が増加する事を意味します。

統計というのは変数やデータのとり方によって、結果が大きく変わるものです。だから以前私のブログで「限られた帰納的結論を演繹的な科学データに変える魔法が統計学である」と説明したこともあります。上記の結果は著者も指摘するように、ワクチン接種と超過死亡の「因果関係」を示すものではなく、「相関関係」(まあまあ相関程度ですが)を示しているに過ぎないものです。

 

コロナの流行に合わせて、コロナ陽性死亡が増加すると超過死亡も増加する事は前回の私のブログに載せたグラフで示した通りですが、著者は感染から治癒した患者がlong covidによる血栓症などで死亡し、超過死亡増加に寄与している可能性を検討するため、「コロナ感染者数」(死亡者ではない)と「超過死亡者数」の相関についても同じ58か国で相関係数を求めた所、予想に反して2020年と2021年にコロナの感染例が多かった国は、少なかった国よりもどちらかと言えば2022年の超過死亡率は低いという結果だったそうです(図や式の掲載はありませんでした)。

 

ワクチン接種と超過死亡の増加は1:1の直接的な関係ではなく、複雑な関係であろうことは前回のブログで検証した通りです。また統計的に有意というだけでは「だから超過死亡増加はワクチンのせい」と結論づけることは不可能です。そこは慎重に扱わないと「いい加減な陰謀論」とか「反ワクチンの結論ありきの言論」というレッテルを貼られるのがオチです。しかし明らかに普通おこり得ない「あらゆる原因の死亡者増加」が起こっている事は「ワクチン接種を始めてから」世界中で起きている事は否定しようがない事実なのですから、今後明らかになる死因別の死亡者数の変化など検証を続け、「遺伝子ワクチン」という世界中の人類に行われた人体実験の結末を分析し、教訓として後世に残す義務が我々にはあると確信しています。


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3 コメント

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Unknown (山童、謝罪を)
2023-04-25 12:51:16
お久しぶりです。結局、先生が全て正しかった。謝罪します。
いま週に2日ほど大学施設管理のアルバイトしてるのですが、資産管理課から窓口のシールドを外すよう指示されてるのに、職員は未だマスクしてるんです。意味解ってるのだろうか?
ウクライナにしても、ロシアを完全に潰すと、プーチンが追い払った中国企業や労務者が再び沿海州に押し寄せる事になる。そしてロシアが崩壊したり、完全に力を削がれると、中国がハバロフスクなどの港を軍事利用する事となり、日本海から北陸、東北、北海道が中国原潜の脅威に晒されるはずですが。沿海州のロシアの存在が、中国の北への勢力拡張の落し蓋、置石になってるの解ってるんですかね??
ロシア殺せば日本海が中国の庭場になってしまうと想うですが。
ディープステートに関しては、一枚岩の秘密結社めいた話は妄想と思いますが、今の西側報道を見ていて、特定の集団が情報をねじまげて利益誘導しているのは間違いないと想うんですね。
結局は先生が正しかった。お詫びいたします。ごめんなさい。
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久しぶりです (rakitarou)
2023-04-25 17:54:28
山童さんお帰りなさい
謝罪の必要などありません。違う視点からまたコメントをしてください。DS(巨大資本)のやっている事は、近未来的には力があるのでその通りになるのですが、深慮遠謀はなく、所詮自分たちへの利益誘導なので大衆も神も味方しないから長期的には失敗の連続の様に見えます。コロナ、ワクチン、ウクライナも今回のスーダンも。
返信する
PCR検査の是非以外はほぼすべての意見が一致していた (宗純)
2023-04-26 09:36:52
人類がWW1時のスペイン風邪以来100年ぶりに経験するパンデミックというよりも、
これは、勝てないベトナム戦争をアポロ計画のサーカスで終わらせたニクソン失脚で一度も大統領選挙で勝利していない異色のアメリカ大統領フォード時代の
アメリカ陸軍基地から流出した1976年幻のパンデミック(H1N1)豚インフル(ポリティカル・コネクトネスで、現在の名称は新型インフルエンザに変更)の、全米でのワクチン接種での副反応ギランバレー症候群の二番煎じを、世界規模でやっちゃった。
しかも半世紀前の豚インフルワクチンとは違い、今回は接種直後に高熱を出したり腕が痛くて上がらない。死人も沢山出る等丸っきりの「罰ゲーム」に近い恐ろしい文字どうりの致命的欠陥を持っていたのですから無茶苦茶。
しかも、今回人類が初めて経験するmRNAワクチンを打つと免疫システムが抑えられ帯状疱疹などが多発することは分かっているが、
免疫システムが抑えられる現象によって、起こることが多岐にわたりすぎるためワクチン接種との因果関係の証明はほぼ不可能。疫学的な統計数字でしか実態が分らない悪魔的な仕組み。
半世紀前のパンデミック(豚インフルワクチン)騒動の原因はベトナム戦争終結で間違いないと思うが、それなら今回のパンデミックの原因が?1950年から今も続く朝鮮戦争の終結を画策したドナルド・トランプ大統領失脚が目的だったのか??
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