トランプ政権が繰り出す関税処置に各国は戦々恐々としています。政権発足直後から隣国のメキシコ、カナダに対して関税をかけるとした大きな理由は両国から流入する違法薬剤の蔓延を問題視したことでした。以前はモルヒネ、大麻(マリファナ)、コカイン、覚せい剤などが米国における緊急事態であり、2015年時点で全米で4万人が麻薬の過量摂取で死亡しており、第一次トランプ政権においても「公衆衛生上の非常事態」を宣言しました。rakitarouもマリファナ、ヘロイン、コカイン、覚せい剤については、2012年に日本の人気タレントが逮捕された事をきっかけに纏めをブログにし、瞬間的にアクセス数1位になったこともあります。
トランプ政権にとって国家安全上の最大の脅威は違法薬物と報じるNPR
2025年現在、米国の違法薬剤問題のトップはフェンタニルであり、それらの原材料が中国産で、メキシコなど隣国で製剤化されて持ち込まれる事が問題になっています。フェンタニルは日本でも日常的に医療現場で使用される鎮痛剤で、手術や癌の疼痛緩和に用いています。フェンタニルも製剤化された純粋な形(フェンタニルクエン酸塩)で正しく用いている分には安全な薬剤ですが、問題は様々な合成フェンタニルが従来のフェンタニルの数倍から100倍の効果を持つようになり、それらが不正に製剤化されて市場に出回るようになった事です。
我々医師は癌の疼痛緩和のために、MSコンチン(モルヒネ)や半合成誘導体であるオキシコドン製剤をせいぜい10mg、多くても30mg程度を使用します。強い痛みのために痛みを緩和するモルヒネ様物質が脳内に不足している場合は、これらモルヒネ製剤を外から与えても中毒(欠乏症状)になることはありません。必要としていない時に多幸感を得るためにこれらを使うと切れた時に欠乏症状が出るのです。
フェンタニルはモルヒネの80~100倍の鎮痛作用があり、使用量は0.1mg単位になります。薬剤の調合をした経験があるヒトならば、精密秤を用いても10mg程度は結晶状の薬剤を分取できても0.1mgレベルの分取は不可能であることは理解できるでしょう。0.1mgを使用する場合は、可溶性であれば100倍の10mgを100mlの純水に溶解して1ml使用する形にします。
合成麻薬であるフェンタニルの融合体 左下のカルフェンタニルはモルヒネの1~10万倍強い
フェンタニルは1960年にポール・ヤンセンによって初めて合成され、クエン酸塩として使用されるようになりました。フェンタニルは、作用発現が速く、作用持続時間が短い強力なμオピオイド受容体作動薬であり、中等度から重度の慢性疼痛の治療に強力な合成オピオイド鎮痛剤として使用されています。1990年代に鎮痛用のパッチ剤が普及してフェンタニルは医療現場から市中に出回るようになります。1988年にはチャイナ・ホワイトと言われるフェンタニルの4倍の効果があるメチルフェンタニルが出回ります。2010年代にはヘロインの効果を強くするためにフェンタニルを混入した薬剤が出回り、過剰摂取による死亡例が増加します。そして2016年に何とモルヒネの1万倍から10万倍の効果がある(従来のフェンタニルの100倍)カルフェンタニルが合成される様になり、一粒飲んだだけで麻薬過量投与で頓死する若者の死亡が一機に増加します。
米国の人気TVドラマFBIのシーズン5、エピソード22では、良家の子女が遊び半分で仲間に渡された合成麻薬(カルフェンタニル)を1錠、笑いながら「冒険ね」と言って飲んでそのまま10名近く全員が森で死亡して見つかるという事件が描かれています。米国におけるフェンタニル・クライシスが日常的問題であることが解ります。
TVドラマFBIの1シーン 薬剤一粒でそのまま頓死する若者
今月発表された報告書によると、フェンタニルは米国で密輸される薬物の中で最も致死率の高い薬物の一つであり、この薬物を密輸する麻薬カルテルが合成オピオイドによる国内の5万2000人以上の死の原因の一つ(93%)と結論づけています。さらに、メキシコを拠点とするシナロア・カルテルなどの国際犯罪組織が違法薬物の主な生産者および供給者である一方、フェンタニルや錠剤圧縮装置を製造するための化学物質の主な供給国は依然として中国であり、インドがそれに続いていると指摘しています。トランプ政権は、2023年だけで違法オピオイド(主にフェンタニル)のコストが推定2.7兆ドルに達し、そのうち約1.1兆ドルが死亡に、2,770億ドルが医療費などのコストに起因していると概説しています。
2025年3月に公表された国家情報局による脅威の最初に違法薬剤が示された。
日本はやたらと自動車にかかる関税を問題視していますが、米国社会にとっての大きな問題はこちらであって、日本の自動車など大した問題ではない事をメディアはもっと強調するべきです。
日本は幸い薬物犯罪が大きな社会問題になる状態ではありませんが、海外からこれらの違法製剤が流入したり、若い人は海外旅行などで冒険心から一粒麻薬を試してみるといった事はおこり得ます。以前であれば大きな問題にならず、「良い経験」で終わった事も、「一粒で頓死」するカルフェンタニルが米国では日常的に出回っている事を肝に銘じて薬物には一切手を出さない覚悟が絶対に必要であることをメディアは強調するべきです。視点の圧倒的に狭いメディア諸兄はトランプの政策を闇雲に批判するのではなく、トランプ氏の持つ正常な危機感にもっと注目するべきだと私は思います。
実は、上院閣僚人事承認で最も難航した(民主党が必死で抵抗した筆頭格の)元ハワイ州選出の民主党下院議員トゥルシー・ギャバード国家情報長官の初外遊(極秘訪日)が、なんと我が日本国。
記事によると、米国の国家情報長官室は22日、ギャバード長官が日本、タイ、インド、フランスを訪問したと発表した。 日本では、両国関係強化のため情報当局の幹部や外交官と会談した。
とあるだけで、どこを探してもテレビや新聞などマスコミには一切の情報が無い(奇妙で不気味な)極秘訪日なのですから、ひょっとすると今回の危険極まる合成麻薬密輸出(麻薬戦争)と密接に関係しているのかも知れません。特にフィリピンのトランプと言われた前ドティルト大統領が突然略取(拉致)逮捕されオランダ・ハーグに連れ去られ大騒ぎに。米軍やCIAなどアメリカの全部の情報部などの上部機関のトゥルシー・ギャバード国家情報長官初外遊(極秘訪日)それなら余計にマスコミが忖度して報道しなかった可能性が高い
ギャバードは戒厳令布告で大騒動の韓国へは立ち寄らなかったことで、よけい「韓国外しだ」と逆に大きなニュースになっているとか
メキシコの麻薬カルテルについてアレコレ読んでいたのですが、とんでもないですね。
ドローンで爆撃したり、一万人動員の国軍を撃破する麻薬カルテルって何なのだろう?
ロス・セタスは元は国軍の特殊部隊が小隊ごと脱走してカルテル化したものだそうだし。
それで面倒な話が一つ。
問題のオピオイド系のドラッグですが……米国内で麻薬を売買してる組織に、ヘルズ・エンジェルスとか、モンゴルズとかアウトローズというモーターサイクルギャングがいるんですが、彼らが1枚噛んでいるらしいと。
この暴走族みたいな連中はEU各国とくに北欧に支部を沢山持っていて、中東系のギャングと西欧で抗争してるそうです。で、スウェーデンとかの麻薬は、黄金の三日月地帯と繋がりある中東系が優勢で、次の目玉として「その薬」を持ち込もうとしてるそうで。
そこで、テコ入れでシナロア・カルテルやCJNGと連携し始めてるらしいんですが。欧州に送り込む為のブツを増やす為に両者の間の抗争に加わりそうなんですって。
そこで中南米系と抗争になってしまうと、コレは下手すると「米国内戦ルート」になってしまうのでは?と冷や汗が……。実際フェンタニルの常用者って、テキサスやジョージア、アパラチア山脈沿いから五大湖の錆びついた工業地帯に多いですよね。
ヴァンス副大統領の故郷のヒルビリー達の地域てあり、
トランプ氏の支持層が多い地域でもある。この地域に圧をかけると、組織のフェンタニルに余剰が出るかと。
それを北欧に支部を持ったモーターギャングたちが西欧への密輸源にしようとすると、最初は同盟していても、
結局はメキシコのカルテルとの抗争に転じるのは時間の問題かと。話がさらにこじれると……。ミリシアと暴走族とカルテルがドンパチして内戦ルートにならないか?
考えたくもない話であります。
米ドルを中心にするグローバル陣営は大損して怒り狂ってますが、3億人の米国で最大動員して抗議集会が全米でたったの50万人という事が金で動員の限界を示しています。
>市場経済化は麻薬自由化だった... への返信
ポーランドの人が歴史的にロシアやドイツを警戒するのはわかります。ではウクライナに対しては、特に西寄りのウクライナ語を話す人達への感情はロシア系の人達へとは異なる感覚なのでしょうか?