rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

ゴルゴ13案件になったネタニヤフ暗殺

2024-04-15 09:57:46 | 政治

さいとうたかお氏の長編コミック「ゴルゴ13」は精巧な長距離射撃のみでなく、不可能と思われる条件で暗殺を遂行することでも評価を受けています。政治的な理由から、例えば「時間を指定して事故にみせかける」とか、「自然死に見せかける」といった暗殺を高額な報酬で政府組織から依頼されることもあります。

国際情勢理解の必読書「ゴルゴ13」

 

I.  紛争拡大に向かう中東情勢

 

2024年4月1日のシリア、ダマスカスにおけるイスラエルによる違法なイラン領事館爆撃で、イラン高官や軍人らが死亡した事件を受けて、4月14日イラン革命防衛隊はイスラエルに向けてイラン国内から100機以上の無人航空機爆弾、中距離ミサイル、極超音速ミサイルなど計350発以上を発射し、攻撃しました。攻撃目標は領事館爆撃の発射基地となった被占領パレスチナ南部のラモン空軍基地、ネバティム空軍基地、テルアビブの空軍司令部、ゴラン高原北部のイスラエル諜報基地と言われており、低速の無人航空機の到着に合わせて、より高速の巡航ミサイルや大気圏外から攻撃する弾道ミサイルを同時に目標に到着するよう発射したとされます。

イスラエルは西側が持つ最新のテクノロジーで対抗したが、左図の様に多数のミサイルは「地上に到達した」

 

この攻撃に対して、イスラエル側は現在西側が持つ最高のミサイル防衛システムで対抗しました。つまり、デビッド・スリング、アロー3、パトリオット、アイアン・ドームの重層防御で構成されたイスラエル自身だけでなく、現在地中海沿岸からSM-3ミサイルを発射している米国のアーレイ・バーク級駆逐艦も参画したと言われます。結果的にはかなりのドローンやミサイルを撃墜したと言われますが、100%ではなく、特に弾道ミサイルの撃墜はほぼ不可能だったようです(大気圏外で破壊しただろうと言われているビデオは単にミサイルの多段ロケットの切り離しが見えているだけで、撃墜したミサイルとされている画像も中段のロケットの破片に過ぎません)。つまりハマスなどが発射する低速のロケット弾はアイアンドームなどで撃墜可能でもイランの持つミサイル群には歯が立たないという結果でした。ウクライナにおいてもロシアの発射するミサイルに対して現在はほぼノーガードの状態で重要インフラが次々に破壊されていますが、準備万端のイスラエルにおいても本気で攻撃してくる相手には現在の西側ミサイル防衛システムは歯が立たないという結果が出た事は、米欧にとって非常にショックだったと思われ、今後軍事関連分野で多くの議論が巻き起こると思います。

ペペ・エスコバル氏の今回のイラン反撃についてのまとめ(引用)

これは非常に計算されたショーでした。イスラエルは、アメリカの諜報機関からの情報で、戦闘機や要員を避難させるのに十分な時間を得ていました。その後防衛戦略を調整する多数のアメリカ軍レーダーが当然の如くイスラエル防衛に参画しました。

185機のシャヘド-136無人偵察機の群れの大部分を、艦載防空から戦闘機まで、あらゆるものを使って粉砕したのは、アメリカの火力だった。残りはヨルダン上空で、小さな王様の軍隊によって撃墜され、その後、何十機ものイスラエルのジェット機によってこれら先発隊のドローンは撃された。

イスラエルの防衛は、自爆ドローンと弾道ミサイルのコンボによって事実上飽和状態にあった。弾道ミサイルの面では、イスラエルの防空網の密集した迷路を突破したものもあり、イスラエルは公式にイランの弾道弾9発が目標に達したと認めたが、興味深いことに、その全てが極めて重要な軍事目標に命中していた。

今回の反撃をショーとして眺めると、破格の予算がかかったショーだと言えます。イスラエルにとっては、アメリカ、イギリス、イスラエルのジェット機の価格は考慮しなくても、多層的な迎撃ミサイルシステムだけで、少なくとも13億5000万ドルを消費させたと、イスラエル当局者は暴露しました。イランの軍事筋は、無人機とミサイルの一斉射撃の費用を、イスラエル側支出の2.5%にあたるわずか3500万ドルと計算している。

(引用終了)

地中海に展開する米アーレイ・バーク級の最新型ミサイル駆逐艦 6か月経っても虐殺以外目標を一つも達していないイスラエルは「完敗」という声も内部で出ている。

これ以上の紛争拡大を米国は望んでいない

 

II.  米国防省のさる高官からゴルゴ13への依頼

 

高官「さすがに時間通りですね。」

ゴルゴ「私は一時間以上前から来ている。そのまま後ろを振り向かずに話してもらおう。」

高官「最近のイスラエルの情勢についてはよくご存じかと思います。我が国としても今後の成り行きに大変憂慮しています。」「つまり我が国としてはこれ以上の拡大は望んでいないのです。」

ゴルゴ「取り除く対象はビビ(ネタニヤフ)ということか?」

高官「その通りです。」

ゴルゴ「お前たちの組織(CIAとか)を使えばさほど難しい事ではないだろう。」

高官「確かに現在紛争拡大の中心になっているのはネタニヤフ首相ですが、・・」

ゴルゴ「奴一人を始末しても、国民の70%が戦争を支持し、アメリカ国内にも紛争拡大を望む勢力があるということか。」

高官「ご存じの様に強力な資金力のあるAIPAC(イスラエルロビー)にバイデン政権の民主党のみならず、共和党も逆らうことができません。しかも国務省を中心とするグローバリズム陣営は米国の国益よりも現在の資本主義支配体制の継続のために第三次大戦への拡大をウクライナ戦争以来目標として、わが米軍を戦地に送ることを画策し続けています。」

ゴルゴ「国防省としては、従えない。」

高官「我々の分析では、現在の米軍の戦力では通常戦力でウクライナ開戦時より130%強力になり、実戦を積んだロシア軍にはかないません。しかも海軍の戦力は紅海のフーシ派が持つ無人システムを無力化できませんでした。そしてイスラエルではイランとミサイル戦になっても基地を守り切れないことが明確になりました。後は核ミサイルを打ち合うしかなく、そんな戦争に国益はありませんが、わが軍の無力を政権側が理解できていない。正しい情報が伝わらないのです。」

ゴルゴ「では俺にどうしろというのだ?」

高官「ネタニヤフを排除していただきたいのですが、政権内部の犯行、つまりリクードの強硬派が内部分裂をした形でこの紛争を終わらせて欲しいのです。ここにネタニヤフの行動予定があります。クネセト(イスラエル国会)を離れて地方部隊に行くときがチャンスかと思われます。困難な任務であることは承知ですが、これはあなたにしか頼めない。どうか、お引き受けいただきたい。」

ゴルゴ「承知した。やってみよう。」

高官「おおっ!お引き受けいただけるか、これで米国は助かる。報酬はただちにいつもの口座に。」

2-3年後には劇画化されているかも?

 

追記:2024年4月19日

米国時間18日イスラエルはイラン中部イスファハンにミサイル攻撃?による報復を行った模様です。バイデン政権には事前通告があったらしいという報道もあり、今後の展開、紛争拡大が危惧されます。米国はイランへの報復をあきらめる代わりにパレスチナ・ラファへの攻撃を容認したのではという疑惑が記者会見でも問題になっていましたが、イスラエルに押し切られた形でしょうか。

イスファハン近郊にはイランの核施設(ナタンツ)があると言われる。

金や原油価格は反応して高騰したが、落ち着きを取り戻したという報道も。

コメント (4)
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