rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

原発事故はFukushima Incidentとして独自に歴史に残るだろう

2011-03-24 22:18:58 | 社会

本日3月23日の段階では、福島第一原発事故の収束の見通しが全くつかない状態です。専門家と称する人達も核燃料の再溶融(メルトダウン)はおきないとか言いながら、燃料は1000度位には発熱して火災は起きる(核分裂反応は続いているから)と言っています。放射線被害も大量の急性被爆が一般住民におこることがない位のことは私にも解りますが、建物が崩壊して数千本の燃料棒が露出して発熱していて、それを閉じこめる手段がないのですから、そこから空気中に出されて拡散してしまった放射性物質によって、少量の慢性被爆がかなり広範囲の国民に長期間、間違いなく起こると思います。しかも「この原発は急性期を運良く脱しても放射能汚染を年単位で今後も出し続ける」ということを大前健一氏位しか明言していないのも問題です。

 

東京でも水道から放射能が既定値以上検出されて、乳児のミルクには使用しない方が良いと言われはじめました。空中線量が少なくても確実に放射性物質が大量に空中に放出され続けている(海中にも撒かれ続けているのですが)し、今後も年単位で空中に放出され続けることが明らかなのですから、その事実を前提に今後関東以北の国民はどう対応するべきかをそろそろ議論してゆくべきではないかと思います。

 

私は、まず妊婦さん、乳幼児、未成年者は少量であっても放射線被爆には成人よりも障害が出やすいことから、集団疎開をこの先1−2ヶ月かかって行なう準備をしてはどうでしょうか。期間は半年から一年として中京地区以西にしてはどうかと思います。贅沢をする必要はないのですから、子供手当の予算を使えば可能な額と思われます。小中学生は保護者も同伴しないと難しいでしょうが、父親が単身赴任をしていることの逆を行なうと思えばそのような家庭は珍しくもないでしょう。疎開先はこの際なので過疎が進む田舎が良いのではないでしょうか。気に入ればそのままそこに住んでもらって第二の故郷になっても良いでしょうし。

 

国立がんセンターではすでに福島市などに放射線量サーベイのため医師団を派遣しており、その結果原発に直接近づかなくても現在十分汚染が進んでいるという結果が報告されています。

 

(以下sonet m3医療維新からの引用)

国立がん研究センターが、3月17日に派遣した福島県への「スクリーニング支援団」が3月20日に帰京、担当医師らが持参したモニター線量計による派遣期間の被ばく量は、60μSv(マイクロシーベルト)だったことを明らかにした。同日程で宮城県仙台市に派遣した「医療支援団」の場合は、26μSv。

 現在、他の地域より高い放射線量が観測されているのが福島市。後述のように、同市および近郊に約2日間滞在しており、このレベルが1年間続いたとすると、その線量は約10mSvと推計される。例えば、国際放射線防護委員会(ICRP)の基準では、放射線作業者の線量限度は5年間で計100mSv、かつ1年間では50mSvが上限値として設定されている。

 また、3月20日の朝における、福島県庁前の駐車場でのGMサーベイメータによる測定では、地面から1cmの場所で2万4300cpm、空間線量(地上から高さ1mで測定)は5000cpmだった。サーベイメータの場合、検出できる核種が分からないことなどから、シーベルト換算は難しいという。

 「スクリーニング支援団」のメンバー、国立がん研究センター中央病院放射線治療科科長の伊丹純氏は、同日の記者会見で、スクリーニング結果なども踏まえ、「行く前の想定よりも高い値だった」と語った。

 「スクリーニング支援団」は、福島第一原子力発電所の事故を受け、避難所の被災者などの放射線物質の汚染の有無をスクリーニング検査することを目的に派遣された。(中略) スクリーニング検査は、1130人を対象に実施。GMサーベイメータによる測定で、1万3000cpm以上10万cpm未満は24人、全身除染対象の10万cpm以上は4人だった。「4人はいずれもふき取り除染が可能だった」(伊丹氏)。福島県は当初、「県緊急被ばく用活動マニュアル」に基づき、1万3000cpm以上を全身除染対象としていたが、3月13日に専門家を交えた検討の結果、3月14日から10万cpm以上に変更している。「基準の変更は、除染対象者が多くなるためだと思われる。ただし、他県では、1万3000cpm以上を全身除染の対象としており、整合性は取れていない」(伊丹氏)。

(引用終わり)

 

成人については避難地域を除いて現地で頑張って日本の復興に努めるのがよいと思います。少量放射線の慢性被爆は政府が言うように「ただちに健康被害が出る事はありません」。今後健康なまま天寿を全うする人もいるでしょうし、被爆と関係なく病気になる人もいる。ただし長期的に統計を取ってゆけば被爆を受けていない地域と何らかの疾病発生に違いが出てくるだろうとは思います。我々日本人はその壮大な人体実験の被験者として少量放射線の慢性被爆の結果の真実を世界に発信してゆけばよいのだと思います。

 

第二次大戦後、世界であれだけ核兵器が作られたのに核戦争が起こらなかったのは我々日本人が身をもって「広島・長崎の核の悲惨さ」を世界に示したからです。世界の人はその意味でもっと日本人に感謝すべきだし、日本人はもっとそのことを世界にアピールすべきだとかねがね思っています。それは被害者意識からアメリカに補償を求めるといったものではなく、世界平和に対する日本人の貢献ということをもっと強調するべきだという意味です。

 

同じように日本人は核汚染の少量慢性被爆について、これから身をもって世界に示すべきです。関東東北の水道や土壌、海産物の核汚染の状態を細かく発表し、それを摂取する数千万の国民がどのような健康被害を今後数十年にわたって起こしてゆくかを良く観察して欲しいと訴えればよいのです。幸いにして全く統計的に何も起きないかも知れません。それならそれで良いではないですか。未来の人類にとって大変貴重な資料になるはずです。これは不幸にして福島原発の事故を経験してしまった日本国民が、原爆の被害を受けた広島・長崎の時と同様に未来の人類に対して貢献できる機会であると思います。

 

ただたとえ少量であっても汚染が多いであろう事故直後の時期には子供たちや妊婦さんは避難させて被爆を少なくしてあげるというのが私は人道的に正しい選択だと思うのですね。だから疎開を勧めているのです。

 

今回の事故をスリーマイルやチェルノブイリの事故と比較してどうこう話す傾向が見られますが、私は今回の事故はそのどちらとも異なるFukushima Incidentとして扱われるべきだと思います。住民の大量被爆による急性放射線障害はなかったものの、数千万に及ぶ国民が少量慢性被爆を長期に受けた事例として歴史に残ってゆくのではないかと現在考えています。

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