ブラジリアン・ミュージックの楽曲で、ロックやポップス・フィールドのアーティストにカバーされた曲と言われて
即座に思い浮かぶのがジョルジュ・ベンの『TAJ MAHAL』だ。
ジョルジュ・ベンがこの曲を最初にリリースしたのは72年。その後75年にはジルベルト・ジルと共に吹き込んだ盤を
リリース。現状で一番入手が簡単なのは掲載写真右の76年にリリースされた「AFRICA BRASIL」だ。
1632年から20年の歳月をかけて建てられた霊廟タジ・マハール。『TAJ MAHAL』は、そのタジ・マハール
建設の元となった当時のインドの王と王妃を歌ったものだが、TAJ MAHALはミュージシャンの名前でもある。
タジの音楽を何かのジャンルで括るのは難しい。手っとり早くブルーズの枠に放り込めばいいのかもしれないが
レゲエやアフリカの音楽を取り込んだ音楽性は、そんな安易なジャンル分けを拒絶する。
そんなタジがジョルジュ・ベンの『TAJ MAHAL』をカバーしたのが、掲載写真左のライブ盤「LIVE AND DIRECT」。
ここで面白いのはタジが曲名を『JORGE BEN』と変更しているところだ。自分の名前の歌を歌ってくれたのだから、
それをカバーする時はオリジネイターの名前を冠して歌うというユーモアに痺れた。
さて楽曲『TAJ MAHAL』のメロディー・ラインを大胆に頂いちゃった(笑)のがロッド・スチュワートで78年に『DA YA
THINK I'M SEXY』を発表して大ヒットしたものの、その後の盗作裁判でロッドは負けてしまう。
タジ・マハールの「LIVE AND DIRECT」は79年5月のライブを収録してある。「今をときめくロッドの件の曲は
やっちゃってますよ。」的な意図があって収録したのかどうかは解からないが、素敵な楽しいカバーである。
で、私はロッドの『DA YA THINK I'M SEXY』も好きだ。ディスコと言われた四つ打ち、ストリングスにサックス、
そしてギターの細かいフレーズに至るまで、よく練られたアレンジだと思う。盗作騒動はブルーズの時代と違って
「音楽の伝承」というには70年代はタフな時代だったということになるが、オリジナル・アーティストである
ジョルジュ・ベンにしても何回も吹き込みなおしていることから、ロッドの曲もバリエーションとして大らかに
楽しむのが今となっては正解なのだろう。
つまり。
HE'S SO NERVOUS, AVOIDING ALL HER QUESTIONS....ということなので。
2008年7月の当ブログで、私自身が音楽を聴く上でのルーツになっている盤が何なのかを振りかえって
みた。あれから約3年が経ち、のんびりと続いているカバー・ソング100選の「お題」も、再び様々な
ジャンルの音楽を聴く上での自身の根底にあるものへ立ち返るべきだろうという思いに至った。
まずはレゲエだ。
今回はカバー・ソング、つまり楽曲単位なので、それならもうこの曲しかない。
映画『THE HARDER THEY COME』も当ブログで取り上げたし、ジミー・クリフも取り上げた。
ジミー・クリフは『THE HARDER THEY COME』以外にも、そのスムースな歌唱で名曲を多く残して
いるが、それでもかつてロックが持っていた世間や時代への反抗、主張というものを
数多あるロックの楽曲以上に明確に態度で示した『THE HARDER THEY COME』の魅力は何よりも
優先する。そして、それをカバーしたのがキース・リチャーズなのだから、出来過ぎな話である。
もともと、米国や欧州では78年12月にA面にチャック・ベリーの『RUN RUDOLPH RUN』、B面に
『THE HARDER THEY COME』というカップリングで、シングル盤が世に出た。
トロントでのドラッグに関連する裁判がストーンズとキースに対して、温情のある判決が出たことを
皆で喜びたいという思いも多分にあったであろう、クリスマス・シングルである。
ところが、日本ではB面の『THE HARDER THEY COME』がA面になった。これではクリスマス・
シングルの意味合いが薄れるのだが、クリスマスは一時の戯れに過ぎないのに対し、自身が
世の中を生き抜くための姿勢というのは永遠であるということを思えば、このA面が入れ替わった
日本盤の意味は大きい。サイドを入れ替えてリリースすることを決断した当時のディレクター氏は、
何を思ってそうしたのだろう。何れにしろ大英断である。
右はオリジナル・サウンド・トラック、左はそのジャケットを模したジョー・ストラマーの7インチ・ブートレグ。
ジョーのシングルはスタジオ録音とライブ・バージョンで『THE HARDER THEY COME』を楽しむことが
できる。
死んだらそれまでと解かっているが、欲しい物を得るために闘い続ける。
操り人形や奴隷のように生きるくらいなら、墓場で自由を得る方がましさ。
走らされる前に自分から歩きだすさ、と歌ったキースにはこの曲がよく似合う。
歳をとるとストライク・ゾーンが拡くなる、というか節操がなくなる。職場の後輩に
「『HARRY'S GIRLS COLLECTION BEST 10』を教えてください」なんていわれると、
根が真面目なので、真剣に答えてしまう。結果、「かなり、やばいですよ。」ということになる。
確かに45歳の爺が十代の女の子を選んでしまうと笑いの対象になるのだが、そこでは
「何を言っているのかね。女優としての伸びしろを鑑みての選考結果だ。」と解説を加えることが
必要になる。何をやっているのやら。
掲載写真はサラ・ダーリンが09年にリリースした「EVERY MONDAY MORNING」。
どんなジャンルでもいいのだが、ジャケ買いに美人はつきものだ。以前は丸顔の女性が興味の
対象になることが少なかったのだが、先のBEST 10に松村未央を挙げて「誰それ」と言われた
ここ最近の私の傾向からすれば、サラのルックスはストライクもいいところ。
いや、それよりも御御足に目がいったという事実は正直に書いておこう。(笑)
ジャンルはカントリーらしいが、どことなく中庸的でポップスのフィールドで十分通用しそうな
楽曲とアレンジでアルバムは統一されている。全曲自作で女性らしさが溢れているのだが、
爺の好きそうなスタンダードを2、3曲ちりばめればシェアも拡がりそうな気がするが、
それなりに下積みのある彼女にしてみれば、余計なお世話ということになろう。
今時のポップスやロックに欠けている歌心やメロディーが、カントリーという枠に残っているという
ことに気付いたのは思わぬ収穫なのだが、それはそれで何だか寂しい話でもある。
そのカントリーとて、私の最初の取捨選択は「見た目」である。
これも何だか寂しい話なのだが、プラス・マイナス・ゼロで、御意見無用(いいじゃないか)。(笑)
ロニー・スペクターという名前から想起するのは、まずはロネッツである。これは多分大筋の人が
そうだろう。レコード収集家の興味の対象からいくと、当然フィレスのコレクター、そしてアップルでも
シングルを出しているので、アップル・レーベルのコレクターの収集対象になる。
実は私が興味があるのは、それ以降だったりする。
掲載写真はロニー・スペクターが77年にE.ストリート・バンドをバックに吹き込んだ、『SAY GOODBYE
TO HOLLYWOOD』。オリジナルは勿論ビリー・ジョエルで、ビリーの録音は76年の「TURNSTILES
(ニューヨーク物語)」に収録。ビリーはフィル・スペクターへのオマージュとしてこの曲をつくったのだが、
果たして当時の日本で、どれくらいの人がこのことに関心を持ったのだろう。
ビリーの名前が全世界的に知られるのは翌年の「THE STRANGER」以降だろうし、我々の年代が
『SAY GOODBYE TO HOLLYWOOD』の魅力に気付いたのは、81年のライブ盤「SONGS IN THE
ATTIC』からシングル・カットされた盤を聴いてから以降というのが、大多数だと思うから。
明らかにロネッツの曲を下敷きにした部分があるこのオマージュに、いち早く応えたロニーというのは
それだけだと何となく美しい話のようにも思えるが、当時停滞していた自身を浮上させると言う計算も
あったのだと思う。ただ、グレイトなのはバックをE.ストリート・バンドが担当したということだ。
こちらは76年11月14日、パラディアム・シアターでの
ブルース・スプリングスティーンのライブを収録したブートレグ。ここでロニーはゲストで参加し「BABY I
LOVE YOU」「WALKING IN THE RAIN」「BE MY BABY」をボス達をバックに歌っている。
スプリングスティーンがロニーのファンであったこと、ライブで共演した実績があることが、このシングルに
結びついたということは重要だ。ビリーが、「そんなことなら、俺が演りたかった」と思ったとしても
不思議ではない、楽しい出来に仕上がったシングルで冒頭から鳴り響くクラレンスのサックスが、
殊更印象的だ。
件のシングルは現行CDだと、95年にリリースされた「DANGEROUS」(掲載写真左)で聴くことができる。
サウスサイド・ジョニー&ジ・アズベリー・ジュークスと録音した『YOU MEAN SO MUCH TO ME』も
格好良い。
ロック者の溜飲を下げたのが、掲載写真右の「THE LAST OF THE ROCK STARS」。06年発表の
このアルバムでは新旧のカバー曲をとりあげているのだが、アイク&ティナ・ターナーやジョニー・サンダースの
曲を取り上げたのが目を惹く。録音の年代が明記されていないのだが、生前のジョーイ・ラモーンや、
パティ・スミスがボーカルで参加している。キース・リチャーズさんは2曲でギターを弾いていて
更に特筆すべきは、アイク&ティナ・ターナーの『WORK OUT FINE』で、キースさんはアイク・ターナーに
なりきってオリジナル通りにロニーと掛け合いの喋りを聞かせるところか。
フィレスやアップルのコレクターがスルーするであろう、このアルバムが心あるロック者の耳に届きますように。
昨日のジェシカ・シンプスンのジャケットの雰囲気に近しい感じで思い出したのが、掲載写真の1枚。
リンダ・ルイスが75年にリリースした「NOT A LITTLE GIRL(愛の妖精)」。このアルバムは英米で
ジャケットが違い、私は掲載写真の米国盤のジャケットが好きだ。
リプリーズからアリスタに移籍し、アメリカ市場をより強く意識させられた(当然、クライヴ・デイヴィスの
意向)アレンジが施されたアルバムは、リプリーズの諸作と比べると、どうにも分が悪いように感じる。
それでもタイトル曲のバラッドや、マックス・ミドルトン人脈が洗練された音を聞かせる、個人的に本作の
ベスト・トラックである『I DO MYBEST TO IMPRESS』といった聴き物もある。フェイド・アウトがなんだか
早いような気がして、もう少し長くマックスのキーボードを聴いていたいという後ろ髪を引かれる感じがする
のも事実だが。
レコードでいうとB面の流れはリプリーズ時代のアルバムに負けない充実ぶり。『MAY YOU NEVER』では、
ローウェル・ジョージのスライドを聴くことができるので、フィート・ファンは聴き逃しなく。
アルバム最後を締め括る力強い『LOVE LOVE LOVE』も傑作。リンダの歌唱は全体的に好調なので、
アリスタ時代をスルーした方にも是非聴いていただきたい。バックの面子もほとんど「FATHOMS DEEP」と
変わらないし。
現行CDはボーナス・トラックが8曲も追加されて、こんなに贅沢でいいのだろうか。(笑)
こちらは、英国盤ジャケット。
ベッドで煙草は吸わないで・・・。(笑)
掲載写真はジェシカ・シンプスンが08年にリリースした5枚目のアルバム「DO YOU KNOW」。
それまで、ジェシカに興味があったわけではない。興味を持ったのは映画自体は未見なのだが
映画「THE DUKES OF HAZZARD」で、ナンシー・シナトラの『THESE BOOTS ARE MADE FOR
WALKING』を歌ったプロモを見たのがきっかけだった。
カントリー調にアレンジされ、ウイリーー・ネルスンも参加したバージョンで、曲自体はナンシーの
オリジナルのほぼ最後で聴くことが出来るメロディー・ラインを取っ払っているものの、実に勢いに
溢れている。ミス・アメリカの称号を捧げたくなるようなブロンドとボディー、そして意外に太い声。
「これに夢中になるのなら、アブリルでもブリトニーでもいいんじゃないの。」なんて言われかねないが、
それは違うのだ。(笑)
プロモは映画の内容を踏襲しているようで(そのため、ウイリーも登場)、後半は水着姿になって
洗車するシーンがある。このシーン、特に水着になることに意味があるのか私にはわからないが、
オレンジのダッジ・チャレンジャーを洗うジェシカに、本来は笑う処にも関わらず見入ってしまった。
(このジャケも好きだ。♡)
で、アルバム「DO YOU KNOW」は完全なジャケ買い。以前よりもカントリー路線であるという情報も
購買意欲を高めた一因だが、何より素足にブーツを履いてX字に組んだポーズに負けた。(笑)
売上的にはピーク時の数分の一に減ったとも言われるが、構うものか。マーケットを意識し過ぎた
ポップス路線より、こちらの方が自然体のようにも思えるし、彼女が望んだことなのだろうから。
近年のジェシカは太ってしまったようだが、もう一度スリムになってくれないかなあ。
あっ、関係無いですが、私は女性のブーツ姿が好きなのですが、ニーソも好きです。(笑)
丈別に、それぞれ名前があるようですが、膝下くらい(ハイからスリー・クォーターあたり)でよろしく。
問1 : 次の文中の間違った表記を訂正しなさい。
1982年スペインW杯において、ブラジル代表の4人のMFは「黄金のカルテット」と呼ばれましたが、
その4人とは、「ジーコ」「ファルカン」「トッキーニョ・セレーゾ」「ソクラテス」の4人である。
ああ・・・。(笑)
いや、どうでもいい話を枕に使いました。掲載写真はトッキーニョが自身の名前を冠して70年に出した
アルバム。今のところ日本のみでCD化されていて、つまり世界初CD化。親がイタリア移民ということで、
なかなか顔つきも女性受けしそうな感じなのだが、それほど時を経ずに、このジャケット写真で見られる
風体とは様変わりしてしまうのが、求道さんといった感じで男の私にはかえって好感がもてる。(笑)
ギターの名手の側面が強いのだが、このアルバムは、ヴォーカル・アルバムとしても楽しめる。
なんといってもジョルジュ・ベンの参加が強力で、彼とのデュオは聴いているだけで楽しくなる。
トッキーニョのボーカルも素直な感じで良く、クラシック・ギターの腕前を存分に発揮した
インストもあるので、ジャケットの格好良さと相まってアルバムにカラフルな印象を残す。
近い将来の「ブラジル音楽100選」を見据えて、こちら方面の探索も、静かに進行中なのである。
さて、冒頭の「問い」の答えは、もうわかりましたね。
勿論答えは『トッキーニョ・セレーゾ』が間違い。正しくは『トニーニョ・セレーゾ』。
トニーニョ・セレーゾは鹿島アントラーズの監督を6年ほど務めたのだが、こんな笑い話がある。
とあるアントラーズの選手へのインタビューでの話。
「今、アントラーズで一番上手いのは誰ですか?。」
「えぇ~と・・・。トニーニョ・セレーゾ。」
ああ・・・。(笑)
牛心&雑葉なんて書くと、ありもしない焼肉屋のメニューのように見えてきて、なんだか腹が減ってきた。(笑)
といっても、私は誘われても滅多に焼肉屋には行かないけれど。自分から行くことはまず無い。
キャプテン・ビーフハートのトリビュート盤「FAST 'N' BULBOUS」がリリースされたのは88年。当時の
私にはあまり耳馴染みの無い面子がほとんどのカバー集だったのだが、数少なく名前を知っていた
バンドであることを差し引いてもXTCの演奏する『ELLA GURU』を聴いた時は、流石だなと思ったものだ。
「TROUT MASK REPLICA」のレコーディングはビーフハートが即興で弾くピアノ演奏を譜面に起こし、それを更に
膨らませた後に最終の譜面を決定し、ビーフハートのパート以外は全てリズムもフレーズも即興が許されなかった
という。そんなアルバム収録曲をカバーするなら、完コピでやってやろうじゃないのというXTCの演奏能力と
男気に痺れたのだ。曲中で聞かれる変な掛け声も余すところなくコピー。(笑)
初期のXTCのスタジオ録音を集めたブートレグではレッド・ツェッペリンの『COMMUNICATION BREAKDOWN』
のカバーを聴くことができるが、後期のXTCには無い風通しの良さを感じることが出来る。
私にとってのXTCは後期の偏執狂的なイメージが強いのだが、こういったカバーを聴くとバンドとしての
違った一面を知ることができて面白い。
さて、ザッパの曲をカバーしたもので個人的に最強なのが、ジューシー・ルーシーが演奏する『WILLIE THE
PIMP』。ザッパのアルバム「HOT RATS」収録曲で、偶然だがここでのボーカルもキャプテン・ビーフハート。
ジューシー・ルーシーは70年のアルバム「LIE BACK AND ENJOY IT」でこの曲を取り上げた。
ジュシー・ルーシーは元々ブルーズ色の強い英国のバンドで、この時期のメンバーには後にテンペストに
行くポール・ウィリアムスがボーカルで参加、同じく後にホワイトスネイク結成時の中心人物となる、
ミッキー・ムーディーがいる。今ではジャケット写真に写るジューシー・ルーシーの中心人物であるグレン・ロス・
キャンベルよりも、先の二人のことが大きく取り上げられるのは、何とも気の毒な感じがする。
オリジナルはビーフハートに合わせたためか、どちらかというと一本調子のブルーズが9分続き単調に感じる
きらいがあるが、カバーは緩急自在の高性能仕様。最初はオリジナル通りのテンポだが途中で急加速し、
またテンポ・ダウン後、再加速。スライドが鋭くうなり、ごく短いドラムスの見せ場もある。
生前のザッパも、このアレンジでのカバーなら文句は無かったのではないだろうか、という出来だと思う。
この2曲はカバー・ソング100選には欠かせない。CDRに収録する時は、勿論この2曲を繋げるつもりだ。
なんだか、いつもと違う雰囲気のジャケットを掲載すると、自分のブログじゃないような気が
してくるが、それも御愛嬌。
セルジュ・ゲンスブールが映画のために録音した7インチが、数種再発された。全てに手が回る程の
潤沢な資金が無いのは相も変わらないのだが、それでも気に入ったジャケットや内容の物は
どうしても欲しくなる。昨年出たボックスは玉石混交の様相を呈していたのと高額だったので
スルーしたが、今回は一本釣り。とりあえず5枚押さえた。
セルジュとチャーリー・ブラウンというのは何となく相容れないような気がするが、このミス・マッチ?を
楽しむのが、また一興。セルジュが音楽を担当していなければ、この一般受けする可愛らしいジャケットの
7インチも我が家に来ることはなかっただろう。歌入りバージョンは、セルジュの映画音楽を集めた3枚組CD
「LE CINEMA DE SERGE GAINSBOURG」で聴くことができたが、B面のインストはCD未収録。
他に購入したのが、この4枚。映画「ANNA」のサントラは日本でも紙ジャケでCD化されたが、やはり7インチの
魅力には抗えない。いつか太陽の真下で聴いてみたいものだ。数年前に「LA HORSE」と「MISTER FREEDOM」の
7インチが出た時も喜んだものだが、今回も然り。
今後も何枚かリリース予定があるようなので、予算計上しておく必要がある。
以降のリリース予定リストに掲載されていないのが気掛かりだが、コレが出たら速攻で買います。
出ないかなあ。
昨年の12月に行われた、ブリジット・セント・ジョンの来日公演がCD化された。CDには
コンサート実現に尽力した林拓の演奏が4曲、ブリジットの演奏が10曲(林との共演を含む)の計14曲が
収録され、帯には「日本独自編集盤」「完全限定販売」の文字が・・・。こういった盤が発売され、
聴くことができるのだから日本に住むのも悪くない、と思った人がいてもおかしくない。
日本公演各地のライブから編集されているようで、どの曲が何処での演奏かの明確な
クレジットはないが、アルバム・タイトルになった『JOLIE MADAME』は曲前のMCから、
京都でのライブのようだ。相方が、このライブを体験しているかと思うと羨ましくて仕方無い。
『JOLIE MADAME』は70年11月にアビー・ロード・スタジオでケヴィン・エアーズがブリジットと
レコーディングした曲で、当時は未発表だったが76年のアルバム「ODD DITTIES(不思議のヒット・パレード)」
で初めて世に出た曲。まるでブリジットのことを歌ったような歌詞が素敵で、今回のアルバムの
タイトルにぴったりだ。
ここには、一般的に誰もが思い浮かべるであろう、ロック・コンサートでの高揚感というものは無い。
だが、何千人もの人間の誰もが同じように手を挙げ首を振り、ヒット・ソングを一緒に口ずさむのが
コンサートの絶対的な理想形というわけであろうはずもなく、音数が少ないが故の適度な緊張感と安堵感を
楽しむというのも、また一つの理想形だ。このライブ盤には後者の望みうる最高の瞬間が記録されている
と思うのは、ライブを見ることが出来なかった私の過剰な思い入れかもしれないが・・・。
ライブを2回見て、終演後にブリジットと話をした相方は、歌の良さは当然ながらブリジットの人柄の良さに
心底感動したと何度も言っていたのだが、林拓の歌唱も含めてアルバムを聴いた後には、
私の心も私の部屋も多幸感で満たされた。
今回のライブ盤はポスター・ジャケットで、限定50枚にはジャケットに使われたのと同じデザインの
ポスターにブリジットと林のサインが入っている。手書きのナンバリングもブリジットによるもので
私も運よく50枚のうちの1枚を入手できた。配信では味わえないパッケージ商品の有り難い恩恵に
預かったというわけである。
これは京都公演後に相方がサインを貰ったCD。
最高のジャケットに絶妙な位置に書かれたサイン。全てが美しい。
現在のブリジットは、スタジオ録音の新作にとりかかっているという。
期待して待ちたい。