HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

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TAJ MAHAL & JORGE BEN~カバー・ソング100選への道・その20

2011-06-13 18:28:31 | THIS SONG

                

ブラジリアン・ミュージックの楽曲で、ロックやポップス・フィールドのアーティストにカバーされた曲と言われて
即座に思い浮かぶのがジョルジュ・ベンの『TAJ MAHAL』だ。
ジョルジュ・ベンがこの曲を最初にリリースしたのは72年。その後75年にはジルベルト・ジルと共に吹き込んだ盤を
リリース。現状で一番入手が簡単なのは掲載写真右の76年にリリースされた「AFRICA BRASIL」だ。

1632年から20年の歳月をかけて建てられた霊廟タジ・マハール。『TAJ MAHAL』は、そのタジ・マハール
建設の元となった当時のインドの王と王妃を歌ったものだが、TAJ MAHALはミュージシャンの名前でもある。

タジの音楽を何かのジャンルで括るのは難しい。手っとり早くブルーズの枠に放り込めばいいのかもしれないが
レゲエやアフリカの音楽を取り込んだ音楽性は、そんな安易なジャンル分けを拒絶する。
そんなタジがジョルジュ・ベンの『TAJ MAHAL』をカバーしたのが、掲載写真左のライブ盤「LIVE AND DIRECT」。
ここで面白いのはタジが曲名を『JORGE BEN』と変更しているところだ。自分の名前の歌を歌ってくれたのだから、
それをカバーする時はオリジネイターの名前を冠して歌うというユーモアに痺れた。

さて楽曲『TAJ MAHAL』のメロディー・ラインを大胆に頂いちゃった(笑)のがロッド・スチュワートで78年に『DA YA
THINK I'M SEXY』を発表して大ヒットしたものの、その後の盗作裁判でロッドは負けてしまう。
タジ・マハールの「LIVE AND DIRECT」は79年5月のライブを収録してある。「今をときめくロッドの件の曲は
やっちゃってますよ。」的な意図があって収録したのかどうかは解からないが、素敵な楽しいカバーである。

で、私はロッドの『DA YA THINK I'M SEXY』も好きだ。ディスコと言われた四つ打ち、ストリングスにサックス、
そしてギターの細かいフレーズに至るまで、よく練られたアレンジだと思う。盗作騒動はブルーズの時代と違って
「音楽の伝承」というには70年代はタフな時代だったということになるが、オリジナル・アーティストである
ジョルジュ・ベンにしても何回も吹き込みなおしていることから、ロッドの曲もバリエーションとして大らかに
楽しむのが今となっては正解なのだろう。

つまり。

HE'S SO NERVOUS, AVOIDING ALL HER QUESTIONS....ということなので。

コメント (2)
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