HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

THE HARDER THEY COME~カバー・ソング100選への道・その19

2011-06-12 08:46:44 | THIS SONG

2008年7月の当ブログで、私自身が音楽を聴く上でのルーツになっている盤が何なのかを振りかえって
みた。あれから約3年が経ち、のんびりと続いているカバー・ソング100選の「お題」も、再び様々な
ジャンルの音楽を聴く上での自身の根底にあるものへ立ち返るべきだろうという思いに至った。
まずはレゲエだ。

今回はカバー・ソング、つまり楽曲単位なので、それならもうこの曲しかない。
映画『THE HARDER THEY COME』も当ブログで取り上げたし、ジミー・クリフも取り上げた。
ジミー・クリフは『THE HARDER THEY COME』以外にも、そのスムースな歌唱で名曲を多く残して
いるが、それでもかつてロックが持っていた世間や時代への反抗、主張というものを
数多あるロックの楽曲以上に明確に態度で示した『THE HARDER THEY COME』の魅力は何よりも
優先する。そして、それをカバーしたのがキース・リチャーズなのだから、出来過ぎな話である。

もともと、米国や欧州では78年12月にA面にチャック・ベリーの『RUN RUDOLPH RUN』、B面に
『THE HARDER THEY COME』というカップリングで、シングル盤が世に出た。
トロントでのドラッグに関連する裁判がストーンズとキースに対して、温情のある判決が出たことを
皆で喜びたいという思いも多分にあったであろう、クリスマス・シングルである。

ところが、日本ではB面の『THE HARDER THEY COME』がA面になった。これではクリスマス・
シングルの意味合いが薄れるのだが、クリスマスは一時の戯れに過ぎないのに対し、自身が
世の中を生き抜くための姿勢というのは永遠であるということを思えば、このA面が入れ替わった
日本盤の意味は大きい。サイドを入れ替えてリリースすることを決断した当時のディレクター氏は、
何を思ってそうしたのだろう。何れにしろ大英断である。

      

右はオリジナル・サウンド・トラック、左はそのジャケットを模したジョー・ストラマーの7インチ・ブートレグ。
ジョーのシングルはスタジオ録音とライブ・バージョンで『THE HARDER THEY COME』を楽しむことが
できる。

死んだらそれまでと解かっているが、欲しい物を得るために闘い続ける。
操り人形や奴隷のように生きるくらいなら、墓場で自由を得る方がましさ。

走らされる前に自分から歩きだすさ、と歌ったキースにはこの曲がよく似合う。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする