HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

GENESIS / 1970 - 1975

2008-11-11 20:47:47 | ROCK
2年がかりの一大プロジェクトも今回の箱で完結と言うところか。
待ちに待ったピーター・ガブリエル時代のジェネシスの、
「創成期」を除くスタジオ盤5枚をSACDとDVD仕様で収録した
箱で、今までと同様に単体でも発売されるがボックスのみボーナス・ディスクが
付くので購入となったわけである。

本当の目当てはDVDに収録された映像にある。2007年に行なわれた
リイシューに関するインタビューはせめて英語の字幕でもあればいいのだが
それすら無いのでつらいところである。この部分を楽しめないのは勿体無い
のはわかっているが、リモコンを動かす手はさっさと70年代の映像を
選択する。(笑)

今回収録された映像は、ジェネシスのファンなら大概見たことがあるだろう。
何年か前に「FILM ARCHIVE」と銘打ったブートDVDーRが2種出回ったが
それを持っているだけで、「ほぼ過去に見たライヴ映像」と言うことが
できるのだが、さすがにブートレグのクオリティとはわけがちがう。
昔のテレビ放送をそのままDVDにしているような感じで、
画像補正とかされていないのだが、それでもブートレグよりはましだ。
「FILM ARCHIVE」を買った時は「こんな綺麗な状態で映像が残っているんだ」と
思ったのは一体何だったのだろう。(笑)

74年の「THE MELODY SHOW」はブートレグにあったタイム・カウンターが無い
だけで嬉しい。音声が一部不具合なところもあるが大きな障害ではない。
73年の「BATACLAN」や72年の「BELGUIM」での映像はとてもいい状態で
収録されていてブートレグの出る幕は無い。「月影の騎士」のDVDに
収録された73年の「SHEPPERTON STUDIOS」こそ私が初めて見た動くジェネシス
である。プログレに距離をとっていた学生時代に、「見聞を広げるか」くらいの
気持ちで、サークル仲間から画質の悪いブートビデオを借りて見たのだが、
当時は何がいいのかさっぱりわからなかったことを思い出した。
今でもよくわからないのだけど、楽しんでいるのは事実だ。

73年と74年の両方で「I KNOW WHAT I LIKE」を演奏していて、
ガブリエルの動きが細かい演出を含めてほとんど同じなのが笑える。
スティーヴ・ハケットの目立ったり目立たなかったりの両極端なギターも
面白い。余り声高に言ったことはないのだが、フィル・コリンズの
ドラムスの上手さも映像だとよくわかる。

ボーナス・ディスクにはシングル曲とレアなデモやライブが収録されている。
アルバム未収録曲の中では、ファンに人気があるという「TWILIGHT
ALEHOUSE」の出来が素晴らしい。私はこのディスクで初めて聴いたのだが
こんな曲がアルバム未収録とは、この当時のジェネシスの創作能力の
高さを思い知る次第。ちなみにマニア垂涎の日本盤シングルもあり、
「これが幸福さ」のB面で「たそがれの酒場」という邦題がついている。
デモ・レコーディングに関して、サウンドはいいがボーカルは酷いものだという
ガブリエルのコメントが興味深い。

相変わらずボーナス・ディスクに関しては一度取り出すと、収納がかったるい。
酔っ払っていると取り扱いが雑になり、収納する紙のトレイが破れたりする
ので(お、俺か)気をつけましょう。

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追憶のブートレグ61・ACT43 / TODD RUNDGREN

2008-11-10 21:52:25 | ROCK
1987年頃だろうか、トッド・ラングレンのアルバムがRHINOから再発された。
それまで苦労せずに手に入った70年代のアルバムは「SOMETHING / ANYTHING」
「A WIZARD A TRUE STAR」「HERMIT OF MINK HOLLOW」の3枚程度だったので
未入手だったアルバムを手元に置くことが出来たときは、「やっとだな。」
という思いが強かった。

以前、後輩が日本盤というそれだけで足元見られて9800円払って
「THE BALLAD OF TODD RUNDGREN」を買った時は「男前やな~」
とおだててダビングしてもらったが、好きで買ったにもかかわらず何だか
可愛そうな気もしたし、人事なのになんだか虚しいような気がしたことを
思い出してしまった。hopperさんの家でゴロゴロしていたら、先輩が入って
きて「○○に『BACK TO THE BARS』の日本盤が2800円で売っていたぞ」と
言った瞬間に私とhopperさんが同時に立ち上がったのは、今思い出しても
笑える。たまたま私の財布に金があったからか、私の方が出口の近くに
いたからかは忘れたが、10分後にその盤は私の手中にあった。

さて、オフィシャル盤が揃うと後はお決まりのパターンである。(笑)
雑誌の広告にいかにも「良さげ」に書いてあったのが掲載写真のブートレグ。
確かに音質は良い。しかしながらクレジットに疑問があった。
「TODD RUNDGREN / HELLO PEOPLE」とあるが、「HELLO PEOPLE」って
何だ?。録音クレジットに「ULTRA SONIC 1974」とあるがこれって
正しいのか?。

当時の私はまだ「HELLO PEOPLE」というバンドを知らなかったのである。
このブートレグを聴いて幾つかの曲が耳馴染みないのと、トッドじゃない
声がボーカルをとる曲があるので、「なんで全部トッドじゃないの」と
不満を抱いたりもした。後々、HELLO PEOPLEは72年頃のトッドの
バック・バンドを勤めたロック・バンドで、後にトッドがプロデュースした
アルバムを出していることを知り、尚且つ74年というクレジットなのに
演奏曲目が72年3月発表の「SOMETHING / ANYTHING」収録曲中心の
レパートリーであることから、クレジットも間違いであることに気付く。
今では軽く検索をかければ、この日の音源は72年5月2日のものである
ことがすぐにわかるのだけど。(笑)

HELLO PEOPLEとトッドがどうやって繋がったかも、今ならなんとなくわかる。
このバンドのほとんど唯一私が知っているメンバーはN.D.スマート2世
なのだが、彼はグレイト・スペックルド・バードのメンバーでもある。
そうすると、後は想像の域だとしても何となく見えてくるはずだ。
今となってはトッドの歴史の中でも貴重なワン・シーンが高音質で残っていた
ことを感謝するだけである。


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追憶のブートレグ61・ACT42 / FRANK ZAPPA

2008-11-09 12:14:13 | ROCK
今年もザッパのアルバムがリリースされた。嬉しいのだけど半年おきに
出されたのでは、買うのに難儀する。国内に入ってきた盤を買うと割高だし
ザッパのHPから購入するにしても、1枚だけ買うと送料が無駄な気がして
結局最新リリース「JOE'S MENAGE」はまだ未購入。
前に出た「ONE SHOT DEAL」とDVD「TORTURE NEVER STOPS」は、まとめ買い
できたので、よかったのだけど。
そういった意味ではグレイトフル・デッドは未入手の「PICKS」シリーズが
まだまだあるので、新作が出るたびに抱き合わせるブツがあって
あまり躊躇せず買っている。(笑)

全てのアルバムを買ったら70枚になろうかというFZである。なかなか
全部揃えるのは大変なのだが、ブートレグはその数を軽く超えているのは
言うまでも無い。FZは生前に有名ブートレグをジャケットを含めて
コピーして「BEAT THE BOOT」と題した箱物を2種リリースした。
そこに収録されたブートレグのほとんどは今では流通していないのだが
それはオフィシャル化した「BEAT THE BOOT」によって駆逐されたのではなく
単に限定枚数分が消化されただけで、今でも手を変え品を変え様々なブツが
溢れかえっている。

生前FZは一度だけ来日し、4回の公演を行なっている。ザッパのライブと
言えば多くのホーンやパーカッシヨンに複数のキーボードやギターが
ウニャウニャと音を奏でるイメージが私にはあるのだが、それは80年代以降の
アルバムやビデオを見聴きして刷り込まれたイメージである。
日本公演はFZを含む5人編成で、ザッパ史上最もシンプルな構成である。
この編成は75年9月から76年3月までの短期間のものなので、
なかなかレアな面子であるといえる。オリジナル・マザーズのロイ・
エストラーダが参加していることで、当時のマザーズ・ファンは喜んだのでは
ないだろうか。テリー・ボジオ、ナポレオン・マーフィー・ブロックの参加は
他の時期に比べても遜色ないし、少人数だけにFZのギターが活躍する
場面も多かったと解釈することもできる。

日本公演は全てブートレグ化されている。一番有名なのは大阪公演で
4公演のブートレグの中では一番音が良いし、オフィシャル盤「ZOOT ALLURES」や「ON STAGE VOL.3」に部分的に収録されていることから、日本のファンには
特別な公演だろう。掲載写真は大阪の翌日の京大西部講堂でのステージを
捉えたもの。私の手元にある90年発売の日本盤CD「ZOOT ALLURES」には
ザッパ京都公演に向けて仕掛けられたイベントの模様が記されていて、
招聘する側の熱気が伝わってくる。そんな熱気が後押ししたのか京都公演は
他の3公演に比べると演奏時間が20分程長い。
残念ながらこのブートレグは120分ほど(他の日と同じ長さ)しか
収録していないのだが、それでも歴史的一夜を追体験できるという意味で
ありがたいものである。ちなみにオミットされているのはアンコール以降の
曲で「CAMARILLO BRILLO」「 MUFFIN MAN」「 I'M THE SLIME」「SAN BER'DINO」と強力すぎる4曲であることを思えば、ちょっと残念なのだけど。(笑)

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PAUL WELLER / AT THE BBC

2008-11-06 22:47:57 | ROCK
今年のポール・ウェラーは、グレイトフル・デッドに負けず劣らずの
大量のアイテムを発表した。ニュー・アルバムにシングル3枚(7インチ
だと6枚)、アーカイブ物では4枚組ライブ盤に、もうすぐ発売される
DVDと、ファンは嬉しい悲鳴をあげているだろう。

掲載写真は92年から今年までのBBCライブの中から選りすぐった
バージョンで編まれたライブ盤。後期のジャムからではあるが
長い付き合いになったもので、ソロ名義の92年と言うとつい最近のようだが
それでも15年以上前になるのかと思うと、感慨深い。

ギター1本でのソロもあれば、スタイル・カウンシル時代を彷彿させる
大掛かりな編成でのライブもある。どんなスタイルをとっても
ポール・ウェラー以外の何者でもないのが、柔軟でありながら
一つ筋の通った頑固さを感じさせ、そこがまた嬉しいところだ。
先日、スタイル・カウンシルのDVDを見たのだが、その後にこの
ライブを聴くとジャム解散後の気負いと気取りが無い分、スタイル・
カウンシル時代の曲も素直に聴けたし、当時の曲の良さを改めて
見直すことも出来た。

アルバム「スタジオ150」を出すまでもなく、ジャム時代から
ウェラーは多くのカバー・バージョンを残してきた。今回のライブ集にも
お楽しみはあって、ディスク1の最後を飾るのが97年録音の「THE
POACHER」、ディスク2の最後が今年の演奏で「PRETTY FLAMINGO」。
ロニー・レインとマンフレッド・マンというだけで嬉しくなるのは
私だけではないだろう。ディスク3ではスタイル・カウンシル時代を懐かしく
思うも良し、見直すも良し。
ディスク4は個人的に一番熱心に聴いていた時期でもあるのだが、
立て続けに傑作をモノにしていった96年と98年の演奏を聴くことができる。

少し前に出たベスト盤と同じような装丁なので、ベスト盤を所持している
人は隣に並べると、気持ちよく充実感を感じるだろう。
勿論、私のようにベスト盤を所持していない人も楽しめるのはいうまでもない。
これから先もポール・ウェラーを追いかけるのだが、今年はひとつの
区切りという意味だとすれば、過去を振り返りつつ次の展開に思いを
馳せながら楽しむことも出来るライブ集である。
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藤井一彦 / LAZY FELLOW

2008-11-04 21:20:58 | 日本のロック・ポップス

アコースティックならフォークでエレキならロック、なんて阿呆なことを
言うつもりは毛頭無い。ロック者なら当然の解釈だ。しかしながら旧態依然の
フォーク好きの人にとって、先のような解釈はなかなか難しいだろう。
アコースティック・ギターの音色が好きなのは人の好みであろうが、
エレキ・ギターに拒絶反応を起こす人種が今もいるのは事実である。
そして、そんな人たちは「フォーク」という言葉に安住してしまう。
意地悪く言えば、日本のフォークはニューミュージック(死語)や演歌に
シフトダウンして、演奏する側も聞く側も都合よく歳をとってしまった。

そもそもフォークとは民謡とか古来の伝承歌を基盤にしたプロテスト・ソング
だったはずなのに、いつのまにか日本ではしみったれた身の回りの
取るに足らない事象を歌うようになっていったのではないか。
たまたま使った楽器がアコースティック・ギターであったということである。
それでも優れた演奏者は、自分なりのリズムを模索したり、フォークという
ジャンルを超越して自分自身をジャンル化したりしたのだけど、
聴き手の多くはノスタルジーに浸っている。

それではエレキを持てばロックかと言えばそういう訳でもない。
わが国で最大の売り上げをあげるユニットはエレキギターでどちらかと
いうと、ハードな音を売りにしているが歌詞は悲しくなるほど
小さな世界に収束している。こんなものはロックの末席にも置くべきでは無い。

掲載写真はグルーヴァーズの藤井一彦の初ソロ・アルバムで、
全編アコースティック・ギターでの録音である。非常にシンプルなアレンジで
あるが、見事にロックである。言葉は有機的にギターの音に絡み、
視点は限りなく広い。私がグルーヴァーズのファンになるきっかけとなった
「ウェイティング・マン」の再録が個人的に嬉しかったのはさておき、
ヘンリー・マンシーニの「MOON RIVER」というおよそ単純なロック好きの
発想からはほど遠い曲をここまで郷愁とリアルさを込めて2008年に
再現できたことは奇跡ですらある。今のわが国の閉塞を憂うかのような
「憂国の口笛」は傑作だ。アシッド・フォークなんて言葉は嫌いなのだが
そんな言葉をを軽く吹き飛ばす言葉と音がある。先の言葉から想像される
音と違うのは、これは現実逃避ではないということだ。
「確信犯的ストレイシープ」のスリルと「clover」の美しさと醒めた
問いかけに背筋が伸びる。最終曲はあまりにファンに対して優しい曲で
これだけちょっと私の趣味で無いのだけど、こういう解りやすい曲も
必要ということなのだろう。
巷に溢れる、誰かと解り合いたいとか解って欲しいとかいう甘えたような
歌にはもう、うんざりだ。死ぬまで「自分探し」やってろよ。
このアルバムで聞ける言葉はそんなものとは違うと思いたい。

「昔は友部正人とか聴いていたけど、最近は忙しくて音楽を聴いてないな。」
そんな人に是非とも聴いて欲しい1枚。
「例のディランのブートレグ・シリーズ第八弾、高かったけど3枚組
買っちまったよ。まだ封をきってないけど。」
そんな人の棚には収まって欲しくない1枚。

もう今年もあと2ヶ月。
「年末恒例のロック大賞はポール・ウェラーとスティーヴ・ウインウッドの
1-2フィニッシュか」と思っていた半年前。事態は大きく変わった。


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追憶のブートレグ61・ACT41 / THE RUTLES

2008-11-03 20:24:05 | ROCK
たった1枚のアルバムと映像を残しただけで、伝説となったラトルズが
ビートルズの「アンソロジー」に触発されて「アーキオロジー」を
出した時の驚きというか、興奮は今でも覚えている。
しかしながら、掲載写真のブートレグの発売が「アーキオロジー」より
先だったか後だったかが思い出せないのだ。
アーキオロジーは96年の発売だから、多分ブートレグのほうが先だろう。
ただ、私がブートレグを手にしたのはアーキオロジーの後だった筈だ。

何故ならこのブートレグに収録されている冒頭の「WE'VE ARRIVED」(ブートでは
「WE'VE ARRNED」と誤表記されている)や次の「NOW SHE'S LEFT HOME」は
アルバム「THE RUTLES」には収録されていなくて、「アーキオロジー」で
初めて聴けたはずだから、滅茶苦茶喜んだはずなのだが、その記憶が無い。
う~む。(笑)

こもった感じの音質が今ひとつだが、スタジオ・リハーサルを聴いている
ような感じの楽しいブートレグである。
実際にアルバムに収録されたのと同じテイクもあるが、冒頭のカウントとかが
聴けるだけで違った印象を与えるから不思議だ。
最後の「PLENTY OF TIME」はラトルズとしてのレコーディングは正式に
発表されず、ニール・イネスの別バンドであるグリムスのアルバムに収録
された。この曲のラトルズ・バージョンが聴けるだけでも価値があるという
ものだ。何故か途中で切れちゃうけど。

ラトルズは単体で楽しむより、ニール・イネスの一連のアルバムを含めて
聴いたほうがより楽しめるのは以前も書いた。「ラトランド・ウイークエンド・
ソングブック」が廃盤なのは残念だ。ラトルズの原型はそこに収録された
「I MUST BE IN LOVE」にあるのに。
久しぶりに「アーキオロジー」を引っ張り出して聴いてみて、今更ながら
シングル・カットした「シャングリ・ラ」が、あのオアシスをネタの
一部にしていたことに気がついた。
えっ、なんで私がオアシスの曲を知ってるのかって?。
ネタ元の曲は日本でもCMで使われていたから耳に覚えがあっただけの話。

ビートルズに夢があったように、ラトルズが見せてくれた幻想は
今も有効で、これからも多くのファンを増やし続けていくのだろう。

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Rock Honors 2008

2008-11-02 21:07:50 | ROCK
11月である。いよいよザ・フー単独公演へのカウント・ダウンが
自分の中で始まった。皆も心の準備を整えている頃だろう。
ところで、私はおそらく来日公演で演奏されるであろう曲のドラムスを
全てマスターした。所謂シャドウ・ドラミング(笑)である。
もし、コンサート中にザック・スターキーに不測の事態があったとしても
演奏が中止にならないように、全てのドラマーは備えておくべきなのだ。
ベーシストも然り。ギタリストとボーカリストはその限りで無い。
ロジャーとピートの代役は要らないし。
半分冗談で半分マジなのだが、ともかくあと2週間ちょっとなのだなぁ。

昨日テレビで「ROCK HONORS 2008」を見た。今年で3回目となる今回の
イベントではザ・フーを讃えるコンサートということで、本家の演奏は勿論
様々なコメンテーターや司会者、バンドが華を添えた。
7月に行われたコンサートなので、既にブートレグで出回っているのだが
私は未見であったので、今回のテレビ放映で初めて見たわけである。

出演したバンドは皆、気合が入っていた。フー・ファイターズの
デイヴ・グローバルの「フーのメンバーになりたい」というコメント、
フレイミング・リップスのウェイン・コインの「メンバーに近づけた気が
する」というコメントが泣かせる。
フレイミング・リップスはトミー・メドレーを、パール・ジャムは
四重人格から重厚な2曲を演奏して、サポート・バンドの選曲の
バランスがとれているのが良かった。
テネイシャスDの「スクイーズ・ボックス」は軽妙洒脱だ。
流石はジャック・ブラックである。

ザ・フーの登場を導いたのは俳優のアダム・サンドラーであった。
「再開の街で」という映画の原題が「Reign Over Me」であるのは
何かの縁か?(笑)自身でレスポールを弾きながらマジック・バスの
替え歌を歌うのだが、歌詞が素晴らしかった。
ジョンの死を悼み、死後30年経ってもキース・ムーンを慈しみ、
ロジャーのマッチョぶりに感嘆しつつ、ピートの歌には情熱と痛みが
宿ると歌うのだから。
確かにこの情熱と痛みこそが、私にとってピート・タウンゼンドを
『ロックの指針』とさせる理由なのだ。
ザ・フーの演奏も充実していた。マイ・ジェネレーションでは
ロジャーが歌いだすタイミングがずれたので、ドキっとしたけれど。
最後の曲「Tea & Theatre」に入る前にピートとロジャーの間で
ちょっとした漫才(笑)があるが、昔ならこういうやりとりは
ピートとキースの間で行なわれていたのだなあと思うと、ちょっと
泣けてきた。

もしかすると、ロジャーの声にベスト・パフォーマンスを期待するのは
難しいかもしれない。間にインターバルがあれば別だろうが、連日の
公演だと声が荒れて出なくなるのは、残酷ではあるが過去のCDやDVDで
明白である。しかし11月に我々の目の前にいるのはザ・フーである。
今から神経が高ぶっているのだが、心からコンサートを楽しみたいものだ。
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THE MOVE / ANTHOLOGY 1966 - 1972

2008-11-01 20:24:28 | ROCK
掲載写真は先日リリースされた、ムーヴの4枚組アンソロジー。
ムーヴは昨年に「MOVE」と「SHAZAM」がEXPANDED EDITIONとして
多くのボーナス・トラックつきでリリースされたばかりなのだが、
今回の「箱」は更に気合が入っている。

時系列で収録された3枚のCDの収録曲中、7曲が初CD化で
それとは別に18曲が初登場というわけで、巷に溢れるベスト盤の
様相を呈した多くの箱物の水増し感とは程遠い貴重度を誇る。
残る1枚は全曲未発表の68年はマーキーでのライブというのだから
これだけでも購入価値はある。

このライブが楽しい。おなじみ「FLOWERS IN THE RAIN」「FIRE
BRIGADE」は勿論、必殺カバー「SOMETHIN'ELSE」「SO YOU WANT TO BE A
ROCK'N'ROLL STAR」の演奏を聴けば、ポップ・グループでありながら
見事にドライブするバンドの実力を思い知ることになる。
ライブになると、ボーカルが荒くなりギターが時に無駄とも思える
長尺のソロを弾くバッドフィンガーとの違いもよくわかるというものだ。
ちなみにライブEP「SOMETHIN'ELSE」は録音日が68年5月5日で、
このボックスに収録のマーキーでの録音日は68年2月27日。
聞き比べも一興だ。

ムーヴのファンにはお馴染みのシングルの数々もエディット・バージョンや
プロモ・バージョンが収録されている。未発表バージョンも多彩で
「FIRE BRIGADE」のピアノ・バージョンや、「FLOWERS IN THE RAIN」の
アコースティック・バージョン、「I CAN HERE THE GRASS GROW」の
フル・レングス・バージョンは全て初登場。69年にフィルモアで
演奏したナッズ・カバー「OPEN MY EYES」というお宝もある。

ほぼ1曲ごと、もしくはセッションごとに詳細な解説のあるブックレットは
資料として貴重だし、97年に3枚組で出た「MOVEMENTS」のブックレットに
使われたメンバーの5枚の写真がそれぞれポストカードのようになって
添付されているのも、オマケとして嬉しい。
安いところを探せば4000円弱で購入できるので、ファンの方は
「また、ムーヴの編集盤か」と二の足を踏むことなく購入していただきたい。
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