ロック史上数あるライブ盤の中でも、ザ・フーの「LIVE AT LEEDS」は群を抜いて
有名な1枚だがブートレグを模した装丁や、12点の「おまけ」が
収録されたオリジナル盤をリアル・タイムで体験した人は、そうは
多く無いだろう。大物と言われても日本ではそれほど人気がなかったと言うし
ましてこの装丁の輸入盤が数多く日本に入ってきたとは思えないからだ。
今では広く知れ渡った「アイティム」であり、おまけを含んだLPや
紙ジャケCDの再発で、後追いの私もありがたく疑似体験できたわけだが。
実はオリジナル盤を所持していたことがあったが、「おまけ」が2点
欠けていることに気がついた時に手放した。購入した20年前は
「おまけ」が何点でどんなものが含まれているかなんて、なかなか知ることが
できなかったものだ。
70年2月14日という、このライブが録音された日付は最早ファンには
刷り込まれた日付であるが、発売が同年5月3日という早業だったのには
驚かされる。昔から思っていることは、このアルバムが最初から
2枚組ライブで発売されれば物凄く画期的だったのに、ということだ。
2枚組のアルバムというのは、レコード会社からしてみれば単価が
高くなるので売りにくく、1枚物でリリースするのは営業戦略上は正しかった
であろう。1枚に収めるためにたった6曲しか収録されていないのだが
今思えば選りすぐりの6曲ではある。だが、私が初めてこのLPを
聴いた時はなんだか極端に物足りなさを感じたものだ。
2枚組のアルバムということ自体がスペシャルなことであるのは、
60年代に2枚組のアルバムが何枚あったかを思い出せば、その少なさに
気がつく。しかも2枚組ライブとなれば尚更である。
70年はトミーのプロモーションの為のライブでもあったので、
コンサートの中盤で丸々トミーが演奏される。今では「リーズ」の
DXエディションでその様子は簡単に聴くことが出来るし、ワイト島での
演奏をDVDで見ることも出来るが、ブートレグでリーズの全演奏を
聴いた時は衝撃だった。そしてこれは絶対当初から2枚組で出すべきだった
という思いを尚更強く持ったのだ。
2枚組のライブ盤というのはそれまでも幾つかあるが、アルバムを曲順通りに
演奏して収録したライブ盤というのは無かったからだ。
アルバム「トミー」が意外とアコースティック色が強いのは、ピートの
デモにバンドが個性を加えながらも忠実に演奏したからで、ライブでは
スタジオ録音ほど正確で無いにしろ、そこでは捉えきれない熱気と勢いがあり
これをレコードでリアル・タイムで発表していれば、レッド・ツェッペリンに
あれほど大きな顔をさせずに済んだし、ストーンズに「THE WORLD GREATEST
ROCK AND ROLL BAND」を名乗らせることは無かったかもしれない。
リーズ収録の「MY GENERATION」ではアルバム「トミー」を丸々演奏している
にも関わらず曲中にトミーのパートが登場する。もともとライブ盤
発売を前提としてのレコーディングで、「どうせ1枚もので、トミーを
収録することは出来ない。それならここで美味しいところを聞かせよう」
という考えが何となく透けて見えるのは気のせいか。
70年6月以降の演奏の未ブート化テープ(音質が劣悪なのでブート化は
無理なのでしょう)を幾つか聴いたが、そこではそういうアレンジでの
演奏はない。
アルバム1枚で約45分。2枚組で発表してレコードの2枚目を全て
「トミー」の楽曲で占めたらその衝撃は相当だったのにと思う。
ライブでの「トミー」のパートは50分を超えるので、何曲か省いての
収録になったとしても、当時ならその価値は高かったはずだ。
続いて。このライブ盤からは「サマータイム・ブルース」がシングル・
カットされた。実は私はこのバージョンがそれほど好きではない。
どちらかというと、いや積極的に「ヤングマン・ブルース」の方が好きだ。
ここでのピートとキース・ムーンの絡みは、他のどんなブートレグや
オフィシャル盤で聴くことが出来るバージョンよりも、バッチリきまっている。
この曲の決定的バージョンと言っても過言で無いとすら思っている。
歴史に「たら、れば」は無いが、もし70年の「リーズ」が2枚組で発売され
シングルが「ヤングマン・ブルース」だったら・・・なんて夢想するのも
楽しいことだ。
有名な1枚だがブートレグを模した装丁や、12点の「おまけ」が
収録されたオリジナル盤をリアル・タイムで体験した人は、そうは
多く無いだろう。大物と言われても日本ではそれほど人気がなかったと言うし
ましてこの装丁の輸入盤が数多く日本に入ってきたとは思えないからだ。
今では広く知れ渡った「アイティム」であり、おまけを含んだLPや
紙ジャケCDの再発で、後追いの私もありがたく疑似体験できたわけだが。
実はオリジナル盤を所持していたことがあったが、「おまけ」が2点
欠けていることに気がついた時に手放した。購入した20年前は
「おまけ」が何点でどんなものが含まれているかなんて、なかなか知ることが
できなかったものだ。
70年2月14日という、このライブが録音された日付は最早ファンには
刷り込まれた日付であるが、発売が同年5月3日という早業だったのには
驚かされる。昔から思っていることは、このアルバムが最初から
2枚組ライブで発売されれば物凄く画期的だったのに、ということだ。
2枚組のアルバムというのは、レコード会社からしてみれば単価が
高くなるので売りにくく、1枚物でリリースするのは営業戦略上は正しかった
であろう。1枚に収めるためにたった6曲しか収録されていないのだが
今思えば選りすぐりの6曲ではある。だが、私が初めてこのLPを
聴いた時はなんだか極端に物足りなさを感じたものだ。
2枚組のアルバムということ自体がスペシャルなことであるのは、
60年代に2枚組のアルバムが何枚あったかを思い出せば、その少なさに
気がつく。しかも2枚組ライブとなれば尚更である。
70年はトミーのプロモーションの為のライブでもあったので、
コンサートの中盤で丸々トミーが演奏される。今では「リーズ」の
DXエディションでその様子は簡単に聴くことが出来るし、ワイト島での
演奏をDVDで見ることも出来るが、ブートレグでリーズの全演奏を
聴いた時は衝撃だった。そしてこれは絶対当初から2枚組で出すべきだった
という思いを尚更強く持ったのだ。
2枚組のライブ盤というのはそれまでも幾つかあるが、アルバムを曲順通りに
演奏して収録したライブ盤というのは無かったからだ。
アルバム「トミー」が意外とアコースティック色が強いのは、ピートの
デモにバンドが個性を加えながらも忠実に演奏したからで、ライブでは
スタジオ録音ほど正確で無いにしろ、そこでは捉えきれない熱気と勢いがあり
これをレコードでリアル・タイムで発表していれば、レッド・ツェッペリンに
あれほど大きな顔をさせずに済んだし、ストーンズに「THE WORLD GREATEST
ROCK AND ROLL BAND」を名乗らせることは無かったかもしれない。
リーズ収録の「MY GENERATION」ではアルバム「トミー」を丸々演奏している
にも関わらず曲中にトミーのパートが登場する。もともとライブ盤
発売を前提としてのレコーディングで、「どうせ1枚もので、トミーを
収録することは出来ない。それならここで美味しいところを聞かせよう」
という考えが何となく透けて見えるのは気のせいか。
70年6月以降の演奏の未ブート化テープ(音質が劣悪なのでブート化は
無理なのでしょう)を幾つか聴いたが、そこではそういうアレンジでの
演奏はない。
アルバム1枚で約45分。2枚組で発表してレコードの2枚目を全て
「トミー」の楽曲で占めたらその衝撃は相当だったのにと思う。
ライブでの「トミー」のパートは50分を超えるので、何曲か省いての
収録になったとしても、当時ならその価値は高かったはずだ。
続いて。このライブ盤からは「サマータイム・ブルース」がシングル・
カットされた。実は私はこのバージョンがそれほど好きではない。
どちらかというと、いや積極的に「ヤングマン・ブルース」の方が好きだ。
ここでのピートとキース・ムーンの絡みは、他のどんなブートレグや
オフィシャル盤で聴くことが出来るバージョンよりも、バッチリきまっている。
この曲の決定的バージョンと言っても過言で無いとすら思っている。
歴史に「たら、れば」は無いが、もし70年の「リーズ」が2枚組で発売され
シングルが「ヤングマン・ブルース」だったら・・・なんて夢想するのも
楽しいことだ。