HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

追憶のブートレグ61・ACT46 / BECK BOGERT & APPICE

2008-11-23 19:57:09 | ROCK
「クロスロード・ギター・フェスティバル2007」のDVDを見ていたら
台所から相方が話かけてきた。
「今、演っているのはベックやな。音に印が付いとる。そやけど
やっぱりライブ見たいとは思わんな。これはキツいやろ。」
なんだ、そういうことか。

私が知り合ったり、つきあった音楽好きの女性の中に唯の一人も
ジェフ・ベックのファンという人には出くわしたことが無い。
まあ、私もギター・フリークじゃないのでそういう輪の中に入ったことが
無いというのもあるのだが、それでも様々なバンドやミュージシャンのファン
であるという話を多く交わしたが、ジェフの名前はついぞ聞くことは無かった。
ECとかジミー・ペイジとなれば話は別なのだが。
いつか誰かが統計的な調査を学術的にやってくれれば面白いのだけど。

ギター・フリークではないが、私はジェフのファンである。
オフィシャル・アルバムは勿論全て揃えているし、各時代のいけないブツも
それなりに聴いてきた。好きなギタリストのベスト5にも入る。
それでも、私自身もジェフのコンサートを見に行くことは無いだろう。
ベック・ボガート&アピスが再編されるなら話は別だけど。

BB&Aは私にとって最高のトリオ・バンドである。(日本ならBJC)
後ノリとも言われるカーマイン・アピスの重量級のドラムスと
ヘビーなベースを弾きながら歌心に満ちた声を聞かせるティム・ボガートの
リズム・セクションは、ジョン・ボーナムでなくとも唸ってしまう。
そこに変幻自在のジェフが加わるのだ。トリオという人数上の限界を
逆手に取り、各人の自由度を優先させながらも風通しの良さはクリームの
比ではない。昔、渋谷陽一氏と山下達郎の対談で達郎は英国ロックに
贔屓目な渋谷氏に皮肉の意味もあったのだろうが「ジャック・ブルースと
ティム・ボガートの違いは、生まれ育った国の違いである」という
ニュアンスのことを言った。私は感覚的に捉えることしか出来ないのだが
言わんとする意味は何となくわかった気がして「なるほど。」と思ったものだ。

掲載写真は幻のBB&Aの2枚目のスタジオ・アルバムのセッション9曲が
収録されていると言うことで話題になった。ジミー・ペイジさんが
西新宿でお求めになったことも有名である。(笑)
91年に出たジェフの3枚組編集盤「BECKOLOGY」に「JIZZ WHIZZ」が
収録されていたが、それ以外の8曲はここでしか聴けない。
完成には遠い出来のトラックもあるが、たった1枚のスタジオ盤しか
残していないグループの未発表曲をなかなかの音質で大量に聴くことが
できるということでこのCDは人気があったし、私も楽しんでいる。
英国フォークやクラシックではなく、米国のソウルを意識した
ハード・ロックというのはメンバー構成にもよるのだろうが、当時としては
斬新だったと思うし、そのスタイルの格好良さは特筆すべきで
本当にスタジオ盤が1枚しか無いのが惜しまれる。
このブートレグが通過点であることを、願っているのだが
ファンの夢が幾分叶えられたという点で忘れられないブートレグでもある。
コメント (4)
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