御年64歳のスージー・クアトロのデビュー50周年を記念した4枚組ボックス
「THE GIRL FROM DETROIT CITY」がリリースされた。デビュー50周年なんて
いうものだから、今一体幾つなんだよなんて一瞬思ったのだが、やはりデビューが
早かったのね。(笑)
個人的な興味はほとんど70年代で終わっている。『CAN THE CAN』や『DAYTONA
DAMON』でのズンドコ・ドラムに乗って力みながら歌うという印象が強いし、
何よりキュートなルックスとジャンプスーツが醸し出すビジュアル・イメージの威力が
有効なのは若い時期だろうし。
今回は今までほとんど聴いていなかった80年代から現在に至るまでの曲からも
多くが選ばれているので、サディスティックの女王がどのようにショー・ビズの世界を
生き抜いてきたかもわかるようになっている。
ミュージカル・ソングへトライしたり、時代にあわせたハード・ロック寄りの音へ
アプローチしたり。それでも、そこかしこにスージーらしいポップな側面が感じられるのが
組物の中の1曲としての鑑賞に堪えうる出来にはなっている。70年代のヒット曲に
あった勢いを求めるのは酷で無意味なことなのだろう。
アルバム未収録のシングルB面曲やスージーがソロになる前に参加していたバンド、
プレジャー・シーカーズの曲も聴くことが出来る。ある意味目玉になったであろう、
イーグルス・カバー『DESPERADO』でジェフ・ベックのギターを聴くことができる
のも、個人的には嬉しい。
4枚組であるが、ヒット曲が全て網羅されているわけではない。例えば『MAKE ME
SMILE』『ROXY ROLLER』なんてところがオミットされているが、まあそこらは
適当なベスト盤で聴いてね、なんてとこだろう。
4枚のCDには全てスージーの写真が印刷されているのだが、3枚には若いころの
写真が使われていて、4枚目だけは「いい歳」になってからの写真がそれも後姿で
使われているのが笑えたが、逆にジーパン越しにもわかる尻の引き締まり具合を
強調したかったのなら、納得。
全82曲全てにスージーが割と長めのコメントを寄せているので、それを読みながら
聴くのも一興。