ここのところ涼しい日が続いたのけれど、また暑さが戻ってきた。暑さには本当に弱くて
会社で残業をしないのは、私が優秀だからでは無く体力がないからである。
定時になると、カラー・タイマーが点滅するのだ。とりあえず上司には
「時間内で仕事を片付け、費用対効果を考えて考動する中堅社員」と認識してもらえるよう、
立ち回っておこう。(笑)
それで、休みの日はビールを飲んで横になっている。
「暑さを理由にダラけるのは駄目よ。たまには運動でもしたら。」
「じゃあ走ってみるか。」そう言って唐突に俺は走ってみることにした。
掲載写真はエドゥ・ロボが73年に発表した「MISSA BREVE」。束の間のミサというタイトルからも
伺えるように、全体(特にレコードでいうとB面)にどことなく宗教感漂うアルバム。この盤に明るいイメージは
無いが決して暗くは無い。単純なボッサではなく異様なコーラスや各楽曲のアレンジは、どことなく
サイケデリックであり、そこがロック者の琴線に触れる。最終曲は『LIBERA-NOS(我らに自由を)』という
タイトルがついているが、何故一際主張の際立つタイトル曲に、スキャットでなく意味のある言葉が
のらなかったのかに想いを巡らすも良し、立ち戻って『PORTO DO SOL(太陽の港)』の音に埋没し
キラキラと乱反射する海面を見つめるも良し。
駄目だ。もう疲れた。まだ15分も走っていないし、しかもそれほどスピードを出しているわけでもないのに。
やっぱり俺は俺でいいよ。
あっちで走っている人がいるが、俺はこうやって煙草を燻らせていよう。
こちらはオズマール・ミリートの「NEM PALETO , NEM GRAVATA」でやはり73年のアルバム。
ミリートのオリジナルは1曲しかないが、ピアニストでアレンジャーである彼の魅力が炸裂する1枚。
タイトル曲であるカエターノの曲や2曲あるジョルジュ・ベンの曲で聴けるエレピの躍動感が
ひたすら気持ちいい。職場ではスーパー・クール・ビズに対してはボスの権限で認めても認めなくても
よいというお達しがきたが、流石にアロハやサンダルで仕事をしてもいいとは誰も思わなかった。
ノー・スーツ、ノー・ネクタイで十分である。
さあ、帰ってビールでも飲むとするか。