日本盤CDが極端に安く値下げされることはそれほど無いが、日本盤DVDは時どき大幅に値下げ
されることがある。掲載写真のDVDもHMVで3枚3000円という値段で売られていたので
買ってしまった。常にこの値段で売られているわけでは無いので、機会を逃すなというわけだ。
何を今更の「A FILM ABOUT JIMI HENDRIX」である。ジミ没後73年に制作された映画で
関係者やミュージシャン達のインタビューを挟みながら、ジミの生涯を振り返るという内容。
収録されたライブ映像も、2011年の今となっては既に全て何らかのDVDで所持しているのだが
やはり基本アイティムということと、安価な値段に釣られて買った。いや、このジャケットに
惹かれ続けていたので、いつか手にしたいとは思っていたのだ。
ジミの映像を集める上で、私的には今のところ最新の、つまり最も遅く購入したことになるのだが
映画公開時や、初めて2000年にジャケット違い(これが興味を削ぐジャケットだった)でDVD化された時は
まだ「EXPERIENCE」は商品化されていなかったので、ここで見ることができる12弦アコースティック・
ギターでの『HERE MY TRAIN A COMIN'』は貴重だったろう。
ディック・キャベット・ショーでの演奏は無いものの、有名な「金持ちになればなるほど、ブルーズは
歌えるのさ」というジミの発言も収録されている。
映画の中でピート・タウンゼンドやクラプトン、ミック・ジャガーのコメントがあることは知っていたが、
ルー・リードがコメントしていることは知らなかった。何故ルー・リードにインタビューをすることになったのだろう。
スティーヴ・ウィンウッドとかなら、何となく理解できるのだが。
ピートやクラプトンに比べて適当な感じのミックが如何にもな感じなのが、面白い。
現行DVDは2枚組で、2枚目には映画で使われなかったインタビュー映像が1時間ほどと、
「DOLLY DAGGER」のスタジオ・ミックス・シーンが収録されている。追加のインタビューには
ルーとミックは収録されていない。映画では使われなかったもののピートの発言が如何にも
ピート・タウンゼンドで、私はまたまた自分自身がピートのファンであることに嬉しくなってしまった。
ジミはピートに酔った席であったがこういう内容のことを言った。
「俺達(ジミとクラプトンとピート)は、お互いの足りないところを補完し合っている関係だ。」と。
ピートはそれを嬉しく思いつつも、自分の役割が3人の中で一番低い位置にあるのではと思い、
ジミに挑んだ。結局ジミには勝てなかったが、ジミもザ・フーには勝てなかった。
そして、それこそがお互いの役割や目指すところの違いなのだ。
通常は3980円で販売されている、このDVD。興味のある方は今のうちにどうぞ。