HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

FLO & EDDIE / ILLEGAL,IMMORAL,AND FATTENING

2005-07-03 14:45:49 | ROCK
75年発表のフロ&エディの3枚目。とんでもない邦題が
ついている。「ワルイ、キタナイその上デブ」。
まんまである。

フロ&エディは60年代にタートルズのメンバーとして
活動し、脱退後フランク・ザッパ率いるマザーズに加入。
70年から72年の間に4枚のアルバムを残す。驚くべきは
この次期にマーク・ボランのT.REXの有名曲のコーラスにも
参加しているということだ。マークのヴィヴラート・ボイスに
負けず劣らずのコーラス・ワークが楽しめる。

で、このアルバム。
全編をザッパのところで学習したかのような、エロ・ネタと
他のミュージシャンをからかうネタが満載で、ロック者はムッと
したり、笑い転げたり。
「KAMA SUTRA TIME」はタイトルからお察しのつく内容。
デブのくせに「俺のことをマーク・ボランと思ってくれ」と
のたまい、曲中で「GET IT ON 」を演奏。ウッドストック、ひいては
フリー・セックスの時代への憧憬(笑)か、ジョニ・ミッチェルを
称え、軽くジョンとヨーコをからかって(フィルモアで何かあったのか?)
返す刀でエルトン・ジョンも餌食に・・・。

「EDDIE,ARE YOU KIDDING?」はマザーズでの演奏で先に発表された
ものだが、ここでは曲中、ドゥー・ワップ風のコーラスにのせて
更に毒舌炸裂。「俺はふざけてなんかない。ポップ・スターの人工
ペニスを作ったんだ。お奨めはジミ・ヘンモデルなんだけど、肖像権は
アラン・ダグラスに握られている。」(大笑)続けて
「ミック・ジャガー・モデルもある。あんたの両足の間でミックが
ジャンピン・ジャック・フラッシュを歌うよ。」ここで
JJFのカバーを少々演奏。電池が切れたかのように引っかかって
演奏が終わる。こいつらはバカである。

「今年の大ヒットはジョージ・ハリスン・モデル。」
で、マイ・スイート・ロードを少々演奏するが、これが洒落ている。
演奏はジョージの声が余りに変だということで中断される。
このアルバムは75年発表。前年の74年のジョージの北米ツアーは
ジョージの声が余りにもかすれてひどく、評判が悪かったことを
ふまえてのものだ。そして、すぐにビリー・プレストンの「アウタ・スペース」
のイントロ・フレーズが奏でられる。
これも、前年のジョージのツアーはジョージの声の負担を軽減するために
2,3曲歌うごとに他のサポート・メンバーの持ち歌が演奏されたことを
再現している。こいつらはロック・マニアである。

ただふざけているわけではない。
「LET MAKE LOVE TO YOU」という優れたポップスが収録されているのは
見逃せない。イアン・アンダーウッド、エインズレー・ダンバーといった
フロ&エディ人脈に混じってダニー・クーチがギターを弾いている。
そして、全体のアレンジはニック・デカロだ。
こいつらは絶対に冴えている。

というわけで、ロック史に残るような名盤ではないが、興味を
持った方は聴いてみるといいでしょう。怒らずに笑って、笑って。
ちなみにスプリングスティーンの「ハングリー・ハート」の
バック・コーラスを担当したのも彼らであることを付け加えておこう。

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PINK FLOYD / EARLY SINGLES

2005-07-03 00:53:33 | DAY BY DAY
20世紀の最後に聴いたアルバムはブライアン・ジョーンズの
「ジュジュカ」。21世紀最初に聴いたアルバムはピンク・
フロイドの「夜明けの口笛吹き」。ストーンズとフロイドという
私の音楽変遷の中でも欠かせないバンドの歴史の中で
個人的に「軽視」していた(それでも他のアーティストに比べれば
段違いで聴いていた)ことへの反省と、これからも多くの
素晴らしい音楽に出会えるようにとの願いを込めての所作。
もちろん新年、新世紀を迎えるに際し、祝杯の度が過ぎていての
戯れ事ではある。

ピンク・フロイドの「POINT ME AT THE SKY」を収録した盤が
どうしても欲しかった。あれほどイマジネーション溢れる傑作なのに
何故簡単に聞けないのだろうといつも思っていたものだ。
オリジナル・シングルなど入手できるはずもなく、ベスト盤の
類にも収録されていない。なんで「WORKS」や「ピンク・フロイドの道」に
収録されてないのか腹立たしく思う日々。

ところが、92年にフロイド式商い(笑)に衝撃を受けることになる。
とりとめのないセレクションの7種のアルバムを収めた、その名も
「SHINE ON」というBOXに特別編集された初期シングル集のCDが
添付され、そこに「POINT ME AT THE SKY」が収録されていたのだ。
純粋に未発表曲の全くないボックス・セットにあるまじき定価設定で
とても購買意欲がわかなかった。当時、レコードの問屋に勤めていた
後輩に頼んでカセットに録音してもらったものを、ありがたく
聴いていた始末。数年後8000円でこのBOXを入手したときは
誰に対してというわけではないが「ざまあみろ」という気分で
高揚し、正座して「POINT ME AT THE SKY」を聴いたのでした。

それにしても、未だに簡単にこの曲が聴ける状態でないのは
変わらない。なんでこの曲に思い入れがあるのかわからないのだが
考えてみると、多分何かのブートビデオで見た映像と、曲の
タイトルが初見時の私のイマジネーションを刺激し、その残り香が
いまも燻っているのだろう。
くだらないボックスに収録されたこのシングル集が
単体でもっと愛情あるデザインでリリースされたら、
かなりの話題になると思うのだが。




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