HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

SOUL KITCHEN

2005-07-08 16:41:58 | DAY BY DAY
部屋の掃除をしていたら、かなり前に購入した
にもかかわらず、未開封の輸入盤CDがあることに
気づいた。タイトルは「紫の肖像」(笑)っていうんだけど
まあ、いいか。MK2最後のアルバムのリマスター盤で、
新星堂で投売りしていたのを買ったことを思い出した。
昔は、1枚のアルバムを買うのに必死で、昼飯抜くのは
当たり前、買ったら何回も貪るように聴いたのに、今は
この体たらくぶり。

実は最初に買ったドアーズのアルバムは「ソフト・パレード」
である。理由は単純で店にそれしかなかったから。
「ローリング・ストーン・レコード・ガイド」では
評価は低かったが関係なかった。順番はどうあれ、
全てのアルバムを揃えると決めていたから。

高校1年生の時である。いつものように朝はNHK-FMを流しっぱなしに
していたのだが、コーヒーを飲みながらだらだらしていたら
とんでもない歌が流れてきた。これから学校へ行こうとすること
自体が「間違いだよ」と言われたかのような気分になったのは
このときが初めてであった。それがドアーズの「水晶の舟」であった。
1か月に1枚しかLPは買えなかったが、来月買うのはドアーズに
決まったのはいうまでもない。
今のようにMTVもパソコンもない時代に、何か曲が聴きたければ
てっとりばやいのはラジオだった。私は「SOUL KITCHEN」という
名前でリクエストを出しては、ガイド本に載っている「名曲」が本当に
「名曲」か、購入に値するかの確認をしていた。あの時のような
ロック、いやこの1曲にかける熱意というのはもう戻ってこない。
一度だけペンネームを褒められたことがあるが、きっとD.J.も
ドアーズが好きだったんだろうなあ。

例えば、ドアーズで「ベスト選集」をつくるとしたら、何を
オープニングにしますか?。または、ライブのオープニングは
何がふさわしいと思いますか?。

ドアーズのライブは面白い。曲順が私の予想を遥かに裏切る。
多くのブートレグやライノからリリースされた発掘盤を聴けば
確認できるのだが、「BACKDOOR MAN」や「FIVE TO ONE」、
果ては「WHEN THE MUSIC'S OVER」から始まるものもある。
これを格好いいといわずに、なんと言おう?。
各会場の様々なライブから編集された「ABSOLUTELY LIVE」は
ジム・モリスン存命時の唯一のライブ盤だが、明らかに
熱狂的なドアーズ・マニアがいることを了解した上での選曲である
と思う。地味といえば地味だが、長尺の詩の朗読やスタジオ盤では
とらえられない醒めた狂気がそこにある。

掲載した写真は69年7月21日の1ST&2NDショーを収録したライブ盤、
「THE LIVE AT THE AQUARIUS THEATER」である。
「ABSOLUTELY LIVE」で圧倒的な存在感を放った「THE CELEBRATION
OF THE LIZARD」収録日のライブ完全版を聞くことができる
喜びというのは、17,8歳の頃は想像もつかなかった。
長生きはしなければならないのだ。

ふと、考える。
ドアーズの未発表ライブを聞くことができるのは喜ばしい。
しかし、ドアーズに出会わない人生もある。
いや、もっと単純に「ロック」なんてものに入れ込まない人生。
「目覚ましテレビ」や「ズーム・イン」の芸能コーナーで
紹介される程度の音楽情報で満たされるのであれば、
私の生活はもっと違うものになっていたのは間違いない。
ジム・モリスンの詩やドアーズの演奏には魔法がある。
私は自分がその魔法にかかったという事実に十分満足している。
もし「目覚ましテレビ」でドアーズが紹介されてブームになったら?。

その時は日本中が魔法にかかればいい。
今は西暦2005年なんだけどね・・・。






コメント (2)
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