ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

07/04/23 「M・A」の国は投票率85%!

2007-04-23 23:59:39 | つれづれなるままに
ミュージカル「マリーアントワネット」(以下「M・A」)の感想を書く予定だったが、週末に盛り上げすぎて月曜日からヘロヘロしている悪いヤツですm(_ _)m
そうしたらすごいニュースが!フランスの大統領選で投票率が85%だったという。素晴らしい~!

「M・A」でもフランス革命の混迷が描かれていたが、それにしてもそういう迷走の中で犠牲になった方々の命の代償なのか、フランス国民の政治意識は高い。ファシズムに対してもある程度の規模のレジスタンスが組織された国だ。労働組合も強いし、労働者の声を代弁する左派の政党が力を持っている。それに今回の左派の候補者は女性だ。さすがだ~。

上位の2名に対する決選投票が行われる。こういうしくみも素晴らしい。アメリカの大統領選挙の茶番のような制度と比べ物にならない。まぁ多党制の国だから一回の選挙で一番得票が多かった人にしないというところが、より民主的だ。四分の一強で多数派といえるしくみをつくろうとしている日本は見習わなくてはいけない。
一回目は与党勢力の候補者の方が得票率が高かった。中道派の候補に入った票を左派が引き寄せればまだまだ逆転の可能性もある。左派が負けてもそれでもこの投票率で選ばれたのだったらと納得がいくというものだ。
今の日本の社会でコワイのは無関心と「誰がなっても同じでしょ」と深く考えない人が多くなっていることだ。「誰がなっても同じ」なわけがない。それで投票に行かなくて「お上が決めたこと」に唯諾々と従うだけでは、自分の首が少しずつ絞まっていっても相当苦しくなって気づいても遅い。
まるで、お馬鹿なマリー・アントワネットが革命が起こるまで自分たちの失敗に気づかなかったのと同じことだ。

投票した結果も投票に行かなかった結果も、どちらも自分にふりかかってくるのなら、投票に行って選んだ候補や政党がすすめた政策の結果を自分でも引き受けて、いい目にあったりつらい目にあったりして、次のステップにすすんでいく方がいいのではないだろうか。
マルグリット・アルノーが自分たち民衆の迷走の結果をきちんと見据えてきちんと引き受けようというのと同じことだ。

プログラムの中で作者のクンツェ×演出家の栗山民也の対談が興味深い。政治や社会と切り離さずに人間の多面性を描いたミュージカル「M・A」は、まさに政治的な成熟度が高いヨーロッパの作者による作品だなぁと痛感した。