ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

07/04/08 「魔笛」でMETライブビューイングにデビュー!

2007-04-22 23:58:13 | 映画(映画館、DVD、TVを含む)

昨年末に歌舞伎座で見た「METライブビューイングが始まる」というチラシ。オペラも楽しめるようになりたいという願望を持っている私にはぴったりの企画のような気がした。第一弾の「魔笛」は大晦日だし、「朧の森に棲む鬼」のプレビューとレンチャンになるので見送ってしまった。しかしずっと気になって、アンコール上映の機会をねらっていたのだ。
そして自宅に近い隣駅のシネコンMOVIXさいたまで4/7~8アンコール上映があったので、「筆子その愛」の翌日の朝行ってきた。
昨年、さいたま芸術劇場の映画上映会でベルイマン監督の映画「魔笛」を観ているので初めてではない。だからわかりにくいのではという不安はない。
松竹の公式サイトより「METライブビューイング」のコーナーはこちら
指揮:ジェイムズ・レヴァイン
演出:ジュリー・テイモアー
出演:イン・ファン(パミーナ)、エリカ・ミクローザ(夜の女王)、マシュー・ポレンザーニ(タミーノ)、ネイサン・ガン(パパゲーノ)、ルネ・パーペ(ザラストロ)
第一弾というためなのか、ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場=METの支配人による挨拶と劇場のガイドがあった。舞台で使う道具を運び込むような準備過程も映し出され、開幕となった。そういう導入部も面白かった。

演出は3回観た「ライオンキング」のジュリー・テイモアー。彼女の得意なアジアンテイストの衣装や影絵や人形劇の手法がとても面白い。「ライオンキング」の敵役スカーが身につけていた籐を編んだようなパーツを今回はパパゲーノが身につけているようなのが親しみやすい。夜の女王の侍女たち?3人のマスクが頭に乗るような形になるのも「ライオンキング」でおなじみ。人形劇の手法で襲ってくる魔物たちをあらわしているのも興味深く、飽きなかった。3人の不思議な子どもたちの場面の演出も凝っていた。最後の火と水の試練などの装置も布と照明をうまく使っていて感心。とにかくジュリーの演出が素晴らしかった。

前回のベルイマン監督の映画は、出演者も映画向けの自然なメイクだったのもあって、あまり美女ではないパミーナとか童顔すぎるパパゲーノとかも今ひとつだった。今回は写真にある王子タミーノもちょっと太りすぎだったが、中国風の衣装と髪型と濃いメイクで補われてそんなに気にならなかった。パミーナはアジア系の人だったのでそれもアジアンテイストな演出にぴったり。

音楽も今回が二回目だったのでじっくり聞くことができたし、それぞれの歌手の歌も素晴らしかった。
ストーリー的には、とにかく父の権威がすごいことに感心。モーツァルトのファザコンが端的に現れた作品なのかもしれないとか思いながらザラストロの場面を観ていた。母の夜の女王なんて夫を恨んで恨んで娘に父を殺させようとするが、ついに退けられてしまう。地獄に落とされたのかしら。夫に従わない女は否定されるということ?などとも考えながら見ていたが、まぁ昔の話だからねぇと割り切って観た。
とにかく今回は面白かった。値段も通常だと4000円だがMOVIX会員価格の3000円で観ることができた。しかしながら劇団☆新感線のゲキ×シネだって2000円なんだから、そのくらいまで値段を下げて欲しいとアンケート用紙に書いてきた。会員価格で2000円というくらいの設定でもいいけれど、とにかく映画なんだから4000円はやっぱり高い。

しかしとにかくオペラ初心者にはよさそうだということを確信。次は何を観ようかと今後の上映予定を観て「セヴィリアの理髪師」あたりにねらいを定めたが、東京での上映は日程があわない。またまたMOVIXあたりにきてくれるのを待つとしよう。

「セヴィリアの理髪師」って「フィガロの結婚」の前の話にあたって、作者はボーマルシェ。そういえばミュージカル「マリー・アントワネット」の狂言回しで冒頭の台詞でも言っていたなと思い出す。と、ここで「M・A」につながったところで、次は4/22に観た2回目の「M・A」を書く予定。

写真は松竹の公式サイトよりタミーノが歌う場面の画像。